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  • スポーツ>ゲームという先入観?

    eスポーツが少しずつではありますが、市民権を掴み始めているような状況でしょうか。そしてその過程で、「eスポーツ」という言葉には賛否両論が寄せられます。

    「eスポーツ」という言葉に否定的な見解を持つ人は、「スポーツ」という言葉には、体を大きく動かして肉体的な疲労が伴うような競技であるという認識があるのだと思います。

    逆に、それに対して肯定的な考えの持ち主は、「スポーツ」という言葉がカバーする範囲がもっと広く考えているのでしょう。競技的な行動全般を「スポーツ」という言葉で表すべきだと考えているのかもしれません。

    もっと根本的な話になりますが、そもそもなぜ「eスポーツ」という言葉が生まれたのでしょうか?

    なぜ、デジタルデバイスにおけるゲームを特定の条件下でプレイすることを「eスポーツ」と呼ぶようになったのでしょうか?

    別にゲームはゲームのままでも良いと思うのですが、「ゲーム」という言葉よりも「スポーツ」という言葉の方が上という先入観があるような気がします。

    あるいは、従来のスポーツのカテゴリーに新たな種目としてeスポーツを組み込むことによって、大会を増やしてその規模を大きくすることでビジネスチャンスを拡大して、新たな利権を狙う人たちもいるのかもしれません。ただそれは後付けというか、時流を作ってそれに乗っかろうという動きですから、根っこのところではやはり「スポーツ」という言葉と「ゲーム」という言葉の受け取り方・受け取られ方に起因するはずです。

    「ゲーム」という言葉の中に「遊び」の要素が強く、「スポーツ」という言葉の方が競争が激しいイメージがあるのであれば、競技大会などにおいて「eスポーツ」と呼称するのは良い狙いなのかもしれません。しかし、ゲーム全般が「eスポーツ」という見方を求めるのであれば、またそれは違うデメリットが出てくるのではないでしょうか。

    以下のリンク先にある考えはまさにそうだと思います。

    「eスポーツ」という言葉の違和感 理想的な“スポーツ”の形とは
    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1907/07/news013.html

    「eスポーツ」はなぜ「ゲーム」ではダメだったのでしょうか?

  • 2019年7月20日J1リーグ第20節名古屋グランパス対ガンバ大阪DAZN観戦の感想

    ここ1,2週間の間にガンバから6選手の移籍が決まり、色々と言われていますが宇佐美の復帰という大型補強もありました。川崎からはユーティリティな鈴木の加入も決まっています。

    別のnoteにも書きましたが、個人的には今回の大量放出にはそれほどネガティブには捉えていません。

    https://hrsgmb.com/n/n1b70d80f870a

    そしてその宇佐美の復帰戦になる名古屋との試合はDAZNで観ました。
    スタメンで遠藤を起用してきたところでちょっと驚きましたが、宇佐美との相性も考慮しているのかも知れません。また、中村敬斗はこれがガンバでのラストマッチとなります。また、三浦が怪我のため菅沼が3バックの中央に入ります。

    一方名古屋は負けが込んでいる中でさらに米本が怪我をしたことで苦しい状況です。

    さてキックオフでどうなるかなと思ったら、開始直後に後ろでの回しから奪われてあっさり前田に決められます。糞みたいな失点ですが、むしろ名古屋相手にやりたい攻撃をやられてしまいました。

    と思っていたらあっという間にアデミウソンのゴールで追いつきました。ロングボールに対するランゲラックの対応も酷かったですが、ガンバにとっては助かりました。これで1-1です。なんというか、ものすごく緩い守備同士の泥仕合になりそうな予感がします。

    ガンバは名古屋のパス回しに対して積極的にプレスをかけていくのではなく、ある程度リトリートしてボールを奪い、攻めるときは名古屋の高いDFラインの裏にロングボールを入れるというのは明確に意識しているようです。アデミウソンの同点弾もその形でした。

    また23分にはアデミウソンとのコンビネーションで攻め込んだ宇佐美がシュートを放ちますがランゲラックに防がれます。基本的に今日のガンバはカウンター主体での攻撃になりそうです。ただ、そうなると遠藤を矢島と一緒に中央に入れたメリットが少ない気がするのですが・・・。コーナーキックも宇佐美が蹴れますし。

    26分にはなんかスタジアムの照明が明滅したことで試合が少し止まりましたが、誤作動ということで再開しましたが、試合が少し止まったためバスケやアメフトのタイムアウトみたいな感じになりました。

    ガンバは速攻が出来なかったときの遅功があまり上手く行きません。右に小野瀬、左に藤春がいればグサッとえぐるようなサイドアタックも出来ると思いますが。どうも中盤の構成のバランスが悪い気がしますが、試合中の修正で上手く行くかどうか。また、宇佐美は時々いいプレーが出ますがなかなかボールに触ることが出来ず、本来のプレーレベルではない状況です。

    33分にはジョーのシュートを東口が足でビタッと止めます。名古屋がここ数試合ずっと苦しんでいたのは特徴のパス回しを狙われて奪われて失点、というパターンが続いていたことが原因のはずなのですが、今日のガンバがそういう前からの守備を全くしないため、名古屋としては攻めやすいような印象を受けてしまいます。

    攻撃にしても宇佐美が低い位置でボールをさばいていることも多く、相手の脅威になるような攻め方をカウンター以外で出来ていません。もちろん宇佐美はパッサーとしても優秀なのですが・・・。

    そうこうしているうちに44分には左サイドからのクロスから失点します。どうも名古屋相手には相性が悪い。これで風間グランパスにはこの2年間で3試合連続で2-3で負けていて、今日も早くも前半で2失点となりました。どうも根本的に名古屋相手の戦い方のチョイスに問題がある気がするのですが、宮本監督が変える気がないのであれば何回やっても同じ結果になるんじゃないか・・・と思わざるを得ない前半でした。

    後半開始では両チームとも選手交代無し。後半10分で少し痛めた中村→小野瀬にスイッチしてこれでお別れとなりました。これからはオランダで、そして五輪代表にも入って頑張って欲しい。

    後半になると名古屋の対策が出来たのか、ガンバは速攻も出来なくなりました。むしろ名古屋の速攻を食らっています。そんな中で遠藤を下げて食野を入れます。ここまでの試合展開を観る限り、最初から遠藤がいるのと、途中から遠藤が入るのとでは違うのだということを認めざるを得ません。

    よく「自分たちの」サッカーにこだわって失敗するケースがありますが、今日のガンバは「自分たちの」サッカーにこだわるレベルにも達しておらず、「相手が嫌がる」サッカーも出来ていません。

    有効な攻め手が見つからないまま時間が経過していき、名古屋はジョーを下げて長谷川を入れます。ジョーのポストプレーをほぼ止められなかったガンバとしてはありがたい交代になるかなと思いましたが果たして流れが変わってくれるか。

    疲労感MAXだったアデミウソンを渡邊千真と交代し、これで打つ手の最後となります。結局その後、攻めるシーンはあれど決定機はなくこのままかと思いきや、アディショナルタイムに入ったところで宇佐美のまさかのヘディングシュートが決まって2−2の同点になりました。

    宇佐美のヘディングシュートはガンバサポ以外にとっては意外でしょうけれど、宇佐美のリーグ戦2ゴール目は確か遠藤のクロスを頭で合わせたシュートじゃなかったかな。少しそんな場面を思い出しました。

    終了間際には名古屋の至近距離でのFKがありましたが太田の左足シュートは東口が見事に弾き出し、その後のクロスもキャッチして試合終了となりました。

    不調の名古屋相手に前節の流れから連勝できなかったのは残念ですが、2度リードされても2度追いついて引き分けに持ち込めたのは最低限の結果と言えるでしょう。80分間の試合内容からいえばはっきり言って判定負けでした。しかし同点ゴールを宇佐美がもたらしたのは、ウィジョが抜けたガンバにとって明るい要素と言えるのではないでしょうか。

    一方の名古屋は勝てる試合を落としたとも言えるのではないでしょうか。ジョーを下げたのは疲労もあったと思いますが、ガンバにとっては助かる交代でした。

    ガンバは勝てば名古屋を順位で上回れたのですが、試合の入り方というか宮本監督の戦術・スタメンのチョイスには少し思うところがあるなあという感じです。現地観戦していたら又違った感想になっていたかも知れませんが。

    さて、J1は次週はなくてその次、8月2日(金)にフライデーナイトJリーグとして神戸とのアウェイゲームに臨みます。名古屋対ガンバ戦を観つつiPadで神戸対横浜FM戦を観ていたのですが、攻守の質の高さ低さがそのまま試合結果に出たような気がしました。神戸も連敗ストップに向けて気合いを入れ直してくるでしょうから、ガンバとしても今日の前半のようなサッカーにならないようにしてほしいものです。

  • ビジネスチャットとメールの使い分け

    近畿大学が全教員にビジネスチャットツールであるSlackを使用させるそうです。

    近畿大、全教員が「Slack」利用へ “お堅い”やりとりなくす(ITmedia NEWS)
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190709-00000089-zdn_n-sci

    Slackは私も使っていますが個人的には使いやすいところと使いづらいところの両方があるなあと思っています。

    使いやすいのは無料でもほとんどの機能を使えますので、導入する障壁が非常に少ないこととか、いろんなウェブサービスとの連携も進んでいますので、Slackを中心にできることとか、あるいはチャットツールの基本ですが、ちょっとしたことを伝えるのに電子メールよりも大げさではないことなど、使っている人であればいくつも挙げられると思います。

    その一方で、Slackはプロジェクトなり組織なりで一つのワークスペースを作りますので、複数のワークスペースでの連絡を密にしようとすると、それぞれのワークスペースを立ち上げておく必要があります。そしてパソコンの場合ですとブラウザ上でも専用アプリ上でもワークスペースを開いておくと、かなりのメモリ喰いっぷりです。メモリが少ない場合や、スワップ先がHDDの場合だと結構なストレスを感じます。メモリが潤沢でSSDを積んでいればマシではあるのですが。

    Slackに限らず、チャットツールは便利な一方でもしもの時のデメリットも存在します。

    チャットツールは一つの企業がウェブサービスとして提供していますから、その企業のサーバ(あるいはAWSやGCC、Azureなどのクラウド上のサーバ)や通信回線に障害が発生した時に、当然ながらそのチャットサービス自体が使えなくなります。

    なんでもかんでも普段のやり取りをその特定のビジネスチャットツールに依存していた場合、そのような大規模障害の時に、相手方に何の連絡も取れなくなってしまいます。電子メールでのやり取りの場合、なんらかの障害が発生したとしても、例えばプロバイダ、レンタルサーバ、Webメールなどの一部が使えなくなるだけですから、複数のメールアドレスを利用していれば、そちら経由で連絡を取ることができるはずです。

    電子メールの仕組みは20世紀後半に定められたもので、今となっては相当に古い規格が元になって拡張されたものですが、インターネットの原型であるARPANETのようにどこかがやられても迂回してなんとか利用できるようになっています。言い換えると、特定の一箇所が急所にはなっていない設計になっています。だからこそメールはチャットツールよりも使いづらい部分があるのですが、特定の企業が障害を起こしたとしても電子メールという仕組みそのものが全く使えなくなる可能性は非常に低くなっています。

    この辺は、特定の一企業が提供するチャットツール(SlackやChatworkのようなビジネス向けだけではなく、LINEやWhat’sAppのような個人向けも含めて)は、どうしてもその企業がどれだけサービスを安定して提供できるか、ということに依存してしまいます。これは電子メールの分散的・分権的なシステムとは真逆の、中央集権的なシステムの構造的な弱点と言えるでしょう。

    となると、チャットツールに頼り過ぎるのはダメだ、と言いたくなるところですが、いざ障害が起きて連絡が取れなくなってしまったら、それを言い訳に仕事をサボ、いや、業務遂行に著しい問題が不可抗力的に生じたということになってあれやこれやとかえってメリットが出たりしますかね。

    逆に電子メールですと、例えば自分が使っているメールサービスだけが障害が発生していたとすると、先方からはまるで自分がメールを無視しているかのように思われてしまうかもしれません。チャットツールが使えなくなったらTwitterで検索してみれば障害が発生していることにお互いに気が付きますから、お互いの非難の矛先はそのサービス提供者になります。

    一番いいのは、チャットツールを使いつつ、非常時の連絡手段(メールアドレスやSNSのダイレクトメッセージとか)を知っておけばいいのでしょうけれど、チャットツールの障害自体がたまにしか発生しないので、そういう習慣が根付かないんですよね、残念ながら。

  • 風しん検査のクーポンが届きました。

    今年に入ったくらいから、風しんの流行と、かつて予防接種を受けていなかった世代への対策が取り沙汰されるようになりました。

    風しんの追加的対策について
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html

    ちょうど私自身が、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性に当たるので、調べないといけないなあと思っていたのですが、大阪市からこんな通知と一緒に、

    ・抗体検査
    ・予防接種予診のみ
    ・予防接種

    と書かれたクーポンが届きました。これを使えば無料で検査や予防接種を受診できるそうです。

    「風しん抗体検査・予防接種クーポン券」について
    https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000468014.html

    しかしこれって月〜金で働いている人にはかなり厳しい気がします。なにせ年齢で言うと40歳から56歳の男性ですので、ほとんどの人は働いているはずです。私自身は平日でも休みがある日があるので受診は容易ですが、土曜日にやっているところに行くとなると混雑するんではないでしょうか。

    いっそのこと、大阪市内に勤めている人に対して、企業に検査の医師を派遣するくらいのことをしていいとも思いますが、そうなると大阪市外に通勤している人が置き去りになってしまいます。その上、大阪市内在住で大阪市内に通勤している人よりも、通勤時間が長いはずですからなおさら平日に病院に行くのが難しいはずです。もちろん、職場の理解を得られればいいのですが。

    はっ! そういえば今年度からは有給休暇取得義務化が始まりましたね。これと絡めて取得しろってことなんでしょうか?

  • 登山に限らずスポーツにはデメリットや危険がつきもの

    未熟な登山家があまりに多くエベレスト登山に挑むため、亡くなる登山者が増えているという報道がありました。エベレストの登頂ルートは主に中国ルートとネパールルートの二つがありますが、手続きなどの理由でネパールを選ぶ人が多いそうで、そしてネパール政府も貴重な外貨獲得源として、エベレスト登山希望者を来るもの拒まず状態で受け入れてしまっているという現状があります。

    未熟な登山者が未熟な故に遭難死することを自己責任で片付けてしまうのは乱暴ですが、しかしエベレストに限らず登山というものが命の危険と引き換えに行うものだという認識が少ないのは問題です。

    日本百名山のヒット以降、中高年世代を中心に登山ブームが起き、そしてそれはブームから習慣に変質して一つのスポーツ的文化として定着しました。別にそのこと自体はいいのですが、山に登ることとピクニックに行くことは全く別のことであり、準備不足であれば当然命の危険があります。そもそも準備万端で挑んだとしても天候の急変や自然災害、ちょっとした不注意などで遭難することもあります。

    子どもの頃ですがワンダーフォーゲル部にいた自分としては、顧問の先生の話を聞いているととてもじゃないけれどお気楽に登山する気にはなれなかったのですが、時折ニュースになっている、軽装や準備不足で遭難してしまう登山者が出ていることがなかなか理解しづらいものがあります。

    登山に限らず、スポーツは楽しい一方でデメリットや危険があります。

    野球であればデッドボールは言うに及ばず、塁上での接触や投げ過ぎによる肘・肩の故障もあります。

    サッカーでも接触プレーでの怪我はよくありますし、ヘディングによる脳への悪影響についてもよく言及されています。

    脳への障害でいうとラグビーやアメリカンフットボールはなおさらですね。これらもコンタクトプレーの激しさはトップクラスでしょう。

    柔道や剣道、ボクシングなどの格闘に類するスポーツの危険性は改めて言う必要もないでしょう。

    対戦するスポーツでなくても、ランニング・マラソンなどは肘や踵への衝撃が大きく、また、心肺機能への負担も大きいです。

    子どもが楽しむためにスポーツをやる分には気にすることではありませんが、それだって保護者やコーチが適切に管理しなければ大怪我やそれ以上の最悪なケースに見舞われることもあり得ます。

    こういった各スポーツに存在するデメリットを認識した上で、そのスポーツを楽しむべきであって、ただ楽しみだけに注目していては大きな落とし穴にはまることになります。

    そして、登山にしろ他のスポーツにしろ、何か事故が起きた時に自己責任とい
    言葉を持ち出して非難するだけではなく、本来危険がつきものであることもニュースの受け手としては認識すべきものだと思います。

  • 金融事業への進出とFacebookのLibraへの素人的懸念

    Facebookが仮想通貨Libraを発表しました。また、少し前ですがAppleがApple Payの物理クレジットカードを発行するという発表もありました。

    アップルは直接的に金融事業に乗り出したわけではありませんが、製造業などの他業種が金融事業に乗り出すケースというのはたまにあります。よくあるのがBtoCの企業で、例えばアメリカでいえばGEファイナンス、日本ならトヨタのトヨタファイナンス、日立ファイナンスなどですかね。これらはメイン商品の家電製品や自動車が高額なために手が出ないと考える消費者に、割賦販売を提供するのが金融事業の始まりでした。それが金融事業自体が拡大して現代化していくと、普通に消費者ローンやクレジットカード発行などを行うようになります。 もちろん、メーカー自体が割賦販売を行わなくても、信販会社などが提供することもできるのですが、メーカーが購入資金を用立ててしまえば消費者は他社製品に目移りする可能性がないですし、そのために利率も下げてでも全社で利益を出せればいい、という判断も可能だったのだと思います。

    それらはアメリカでも日本でも購買人口と景気が拡大し続けていた20世紀後半の話ですが、21世紀になると新たな段階に入ります。ソニー銀行のように必ずしもメーカーとして製品を売るのが目的ではない金融事業も始まります。ソニーはそれ以外にもソニー生命やソニー損保も抱えていて、総合的な金融サービスも提供できる企業体制になっています。モノを作って売る時代から、モノとサービスを総合的に提供する(必ずしも「販売」ではない)時代になったことの表れでもあります。

    そしてFacebookが仮想通貨に乗り出し、銀行口座やクレジットカードを所有できない人々に優れた金融サービスを提供するとしています。

    https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1191258.html

    しかし、これはLibraだけではなく仮想通貨の利便性を語るときに必ず出てくる、送金手数料の軽減という利点ですが、そもそもそんなに送金することってあるんでしょうか?

    国内の利用者同士での場合は、同じ会社の金融サービスを使っているのであれば低額の手数料でやり取りできるでしょう。特に日本在住だと個人間送金で手数料を気にするケースというのはあまりありませんが、それこそ移民・難民のように国外に出てしまった人が移住先から移住元の家族に送金するときには少しでも送金手数料を減らさないと仕送りが目減りしてしまいます。お互いにPayPalを利用できるとも限りませんし、大抵の場合は、移民にとっての故国は移住先と比べると経済的に困窮していて金融サービスも整備されていないでしょう。

    そういう点ではFacebookの野望は見込みがあるともいえますが、逆にいうとそれ以外にどれくらい利点があるんでしょうね?

    各種政府通貨との交換も可能としていて、レートも急激には上下しないようにするとのことですが、そうなると政府通貨との交換手数料を低廉にしていれば、例えば日本円からアメリカドルに両替したいときに、Libraを経由してしまった方が安くなるようなケースが出てくるのでしょうか?

    そうなると従来の為替取引の客を奪ってしまうのではないでしょうか。

    流石にそこまで安い手数料になるかどうか知りませんが、単にFacebook利用者にとって使いやすい仮想通貨ですよ、と言われても使う人はあまり出てこないでしょう。

    通貨バスケット制みたいな形にして、レートが急激に上下しないのであれば、利ざやを稼ぐためのアービトラージが増えてLibraに通貨攻撃する投資家が出てくるんじゃないですかね。1997年のアジア通貨危機での攻撃のように国際金融市場での交換レートと、各種通貨とLibraとの交換レートに少しでも差があると攻撃し放題になる気がするのですが、金融のプロが考えているのなら何らかの対策があるんでしょうね。

  • 選手の移籍が相次ぐガンバ大阪のサポーター的強がりを言ってみる

    (2019/07/17追記)
    この夏の移籍ウインドウのところで、ガンバから他クラブに移籍する選手が相次いで発表・報道されています。

    既に公式にリリースされた確定の移籍だけでも
    オ・ジェソク:FC東京
    田中達也:大分トリニータ
    ファン・ウィジョ:ボルドー(フランス)
    の3名です。

    そして今日には
    藤本淳吾:京都サンガ?
    中村敬斗:トゥエンテ?

    というニュースもありましたが、翻ってガンバに加入する移籍の方は
    復帰の宇佐美貴史ただ一人です。

    こうしてみるとバランス悪いな、というか戦力が減ってしまうのではないか、と心配してしまいますが、現時点ではそれほど大幅な戦力低下、ということにはならないのではないか、と高をくくっています。

    というのも、ガンバ大阪は序盤苦しみ下位にいたものの、この8試合に限れば4勝3分1敗(勝ち点15)と上位争いレベルの成績であり、その原因となったのが大阪ダービーでの選手入れ替えとフォーメーション変更です。

    ホームで迎えた第12節セレッソ大阪戦で宮本監督は、それまでの4-4-2を3-5-2に変更し、さらに3バックの右に大卒ルーキーの高尾、アンカーに矢島、インサイドハーフに高江、左アウトサイドに福田と若手を大胆に起用しました。

    これによって守備が大幅に改善し、それからの8試合では多少の選手の入れ替えはありつつも大まかには変えていません。

    第12節H セレッソ大阪 1-0 勝
    第13節A コンサドーレ札幌 0-0 分
    第14節H 鹿島アントラーズ 1-1 分
    第15節A ジュビロ磐田 0-0 分
    第16節H 湘南ベルマーレ 1-0 勝
    第17節A 松本山雅FC 1-3 勝
    第18節A FC東京 3-1 負
    第19節H 清水エスパルス 1-0 勝

    と、8試合で8得点5失点となり、首位のFC東京戦はそもそもガンバが強かった頃でも勝てなかった相性の悪い味スタですからあんまり落ち込んでいないというか、サポーター的には切替はしやすかったのではないかと思います。
    8試合中5試合が無失点というのは明らかに守備の改善が見られると言って良いでしょう。

    そして、移籍の話に戻りますが、
    オ・ジェソクはこのフォーメーションの割を食ってしまった形になりました。3バックに入るには高さに不安がありますし、ウイングバックとなるとスピードや得点力で考えざるを得ません。4バックなら左右どちらでもこなせますから、4バックのクラブならどこに行っても重宝されるでしょう。ましてや、長く一緒にやっていた長谷川監督から呼ばれたわけですから、FC東京への移籍はしょうがないかと思います。2013年からガンバに所属し、外国籍選手としてはガンバ史上最長の所属でしたから、ある意味功労者としての処遇かと思います。

    ファン・ウィジョに関しても、以前から欧州移籍の希望はあったのは分かっていましたし、昨年の活躍はチームを降格から救う数少ない希望でもありました。低迷していた状況での16ゴールはリーグ優秀選手に選ばれたことから分かるように、誰もが納得する輝きでした。そもそもガンバに来るときにも所属していた城南FCに違約金をもたらし、そしてガンバからボルドーへの移籍でも契約を延長してから違約金を残していってくれるわけで、どこでも義理堅いのだなという気持ちもあります。ウィジョにしても、残留争いの真っ只中でアジア大会に送り出して優勝&兵役免除を勝ち取った上での欧州移籍ですから、ガンバに対する恩義もあったのでしょう。お互いにリスペクトした契約だったと思います。

    まだ発表されていませんが、藤本淳吾にしてもここ数年はチーム全体が守備に苦しむ時間が長く、攻撃面での能力を発揮することが出来ないチーム事情もありましたので、年齢も考えるとやはり出番が多そうなチームを選ぶのは仕方ないかなと思います。ただ、今の京都は非常に好調ですから、移籍してすぐに出番があるとは思えませんが、闘莉王の頭にCKを合わせる、というオプションとしてはいいのではないでしょうか。一美もいることですし。

    中村敬斗はそもそもガンバにずっと居続けることはないだろう、ということは大半のガンバサポも分かっていたことでしょう。もちろん良いオファーがあれば、ということでしょうが、欧州移籍は時間の問題だったと思います。ある意味、堂安ルートといった感じでしょうか。ガンバで戦力になり始めたところで、U20W杯があって夏に移籍する、となれば全く同じですね。残念ですが覚悟はしていたことです。

    ただ、田中達也に関しては、正直なところ戸惑いというか、よく分からない移籍ということしか分かりません。熊本から来て半年で出ていってしまったらどうしようもないのですが、リリースなり報道なりでは特に理由もない状況でした。序盤はなかなか出番が無かったものの、小野瀬の怪我の間に右アウトサイドでのポジションで活躍していて、小野瀬の復帰で控えに回るにしても上下動の激しいポジションですからローテーションもあり得たはずで、出場機会はそれなりに見込めたはずなのですが。理由が報道されていないということはそれなりに事情があるのでしょうけれど、個人的には罵倒する気はありませんが今後の対戦では吹田では盛大にブーイングされることになるかも知れません。

    現時点での起用法ではこの5名は
    スタメン ウィジョ・敬斗
    ベンチ入 田中
    ベンチ外 ジェソク・藤本
    といった感じなのですね。

    そして宇佐美が戻ってくるので、ウィジョが抜けた分は何とか埋まります。問題は敬斗が担当していた左アウトサイドですが、そもそも敬斗にしてみれば本職のポジションではなく、怪我の藤春が戻ってくればレギュラーでしょうし、大阪ダービーでは福田が抜擢されて躍動していましたから、このポジションもなんとかなりそうです。

    右の小野瀬の控えとしての田中、中盤の攻撃的オプションの藤本、4バックに戻したときのジェソクがいなくなったとしても、現状のスタメンで即影響が出ることはなさそうです。

    もちろん、補強してくれるに越したことはないのですが、FWでは宇佐美・アデミウソン・食野・渡邊千真の他にJ3で活躍中の高木もいることですし、藤本の代わりのプレースキッカーも宇佐美が出来ます。DF陣も、現時点で控えCBに菅沼と青山がいます。中盤は流れを変える遠藤がいて、出番が今年は少ないですが今野もいます。

    こういった思考の流れを経て、ガンバサポとしてはこの移籍ラッシュにもなんとか平常心を保っていられるということになっていますので、皆様も知り合いのガンバサポがいたらあまり煽らないであげてください。

    (2019/07/17追記)
    上述の藤本、中村はその通りに移籍が発表されました。そして今野もジュビロ磐田への移籍が報道されていますが、今野に関しても現状はベンチにも入っていない状況ですので、移籍したとしても戦力低下とは言えないでしょう。ただ、磐田の戦力強化にはつながるでしょうから残留争いを激化させてしまうことに変わりはないのですが・・・。

  • エゴサーチによるフィードバック

    エゴサーチと呼ばれる、自分のことを検索サイトやSNSで検索して他人から自分がどのように書かれているか、という行為があります。一般的にはエゴサーチというのはあまり良くない行為というか、そんなに気にしてもしょうがないとか、ウェブ依存症のように言われたりします。

    もちろん、気にしすぎていいことはありませんし、他人にどう思われているか、どのように見られているかを意識しすぎると何も出来なくなり心が病んでしまいかねません。そういう点で言うとエゴサーチにメリットなんかないと思います。

    しかし、見方を変えると、自分の評価をチェックして今後の行動に生かすことが出来るのであれば、これはまさしくフィードバック、正のフィードバックと言えるのではないでしょうか。

    逆に、エゴサーチによって気に病みすぎてマイナスの効果が出てしまうのであれば、負のフィードバックとも言えるでしょう。

    理想的なのは、エゴサーチ結果を正のフィードバックになるような受け止め方のみしてしまうことですが、なかなか難しいとは思います。

    エゴサーチに限らない話ですが、自分にとって糧となる意見は批判を含めて吸収して、的外れや単なる悪口なんかは完全スルーしてしまうようなフィルターを心の中に持っていれば、正のフィードバックを保ち続けられるのではないでしょうか。

    それが出来ないのであれば、エゴサーチなんかはするべきではないしする必要は無いでしょうね。やらない方がいいです。

  • フォーマットを確立する無料サービスの強さ

    今ではあまり聞かなくなったかも知れませんが、
    「ただより高いものはない」
    という言葉があります。

    無料で得られる商品やサービスには必ず裏があって損をするものだから無料だからといって飛びつくべきではない、という戒めの言葉でもあります。

    しかし、ITが進歩した現在では、無料で得られるサービスが非常に多くなっています。

    Google、Facebookなどが提供しているウェブサービスはその最たるものですし、このnote.muのサービスも基本的には無料で使用できますよね。

    入り口を無料にして高度なサービスを得るためには課金する必要がある、というフリーミアムモデルは厳密に言うと完全無料というわけではありませんが、これも無料の一種でしょう。

    ただ、GmailやFacebook、LINEなどに関しては利用者の個人情報や利用内容に応じて広告表示することでサービス提供者側も利益を得ていますから、利用者もお金以外の対価を払ってサービスを得ています。

    この「お金以外の対価」が「ただより高いもの」に当たるわけです。

    人によっては自分の個人情報なんか大して価値がない、と思っているかも知れませんし、そういう人であればそれを対価にしたフリーのウェブサービスを使うのは構わないでしょう。しかし、その一方で、個人情報保護法の施行以降、一般市民の間でも個人情報に敏感な人が増えていて、学校の連絡網については電話番号を載せることは拒否していながら、保護者間でのLINEグループは平気で利用する、ということになると結構矛盾しているような気がします。

    まあそれだけウェブサービス企業に対して個人情報を提供することに抵抗感がない時代になっているのかも知れませんが、無料で提供されるウェブサービスがそれだけ魅力的だからと言うことでもあります。

    無料で使用できる部分を全く用意していないサービスの方が少ないのではないか、と思えるくらいですが、個人情報を得られるのであればそれなりに割の合う商売なのでしょう。

    一方で、個人情報を対価にしないフリーミアムモデルも存在します。その最高峰は個人的にはAdobeが提供しているPDFだと思っています。

    Adobe社がPDFというフォーマットを世に出してから20年と少しが経ったでしょうか。発表・公開当初から結構普及が早かったような記憶がありますが、最初の頃はもちろんAdobe社謹製のAdobe Acrobat Readerというプログラムでのみ閲覧できました。その後互換ソフトでも見ることが出来るようになりましたが、世間一般では基本的にはAdobe社がリリースしている標準のリーダーで閲覧している人が大半でしょうね。Windows10ではデフォルトでEdgeに関連付けられていますが。

    PDFがこれほどまでに社会に普及した一番大きな理由は、リーダーの無料配布だと思います。見るのは無料、作成や編集は有料ってことですが、フォーマットを自ら作り出して押さえたというのがAdobe社にとっては成功だったのでしょう。

    PDFは今ではどの企業も官公庁もドキュメントとして多用しています。画像データだと扱いづらいですし、文字を文字として認識してくれません。ファイルサイズも大きくなってしまいます。一方でワードやエクセルのファイルにしてしまうと、保護をかけないと改変されますし、Officeソフト(互換のもの含めて)を持っていない人は閲覧も出来ません。閲覧者が使いやすいことが広まった理由でしょう。

    そういえば、その企業や官公庁が出しているドキュメント(特にプレゼン資料)の中でこの数年から10年くらいでしょうか、フリーのイラスト素材を用いたものをよく見かけるようになりました。

    フリーのイラストといえば
    いらすとや
    https://www.irasutoya.com

    ですね。
    もちろん他にもフリー素材を出しているところはありますが、イラストのタッチの特徴や、そんなものまであるのかというニッチな素材の多さではかなうところはないでしょう。私も何度かこのnoteで利用させていただいています。

    気がつけば、大企業も中小企業も零細企業も、それこそ町中の看板やポスターでも、いらすとやの絵が利用されています。

    正確には100%フリーではなくて、有料になる条件が表示されています。

    よくあるご質問
    https://www.irasutoya.com/p/faq.html

    その部分で利益を得ているわけですが、個人でされているからこそのビジネスモデルですよね。

    一般的なイラストレーターの場合、企業などから発注されて製作して納品して報酬をもらうわけですが、そこでそのイラストは終わりです。全く別のところで見ることはまず無いですよね。

    しかし、フリー素材であれば他の人が自由に使ってもいいわけですから、全く違う場面でも目にすることになります。そしていらすとやのように毎日少しずつでもフリー素材が増えていけば、利用頻度が低いイラストでも全てを合計すれば膨大な利用が発生します。いわばAmazonのロングテール戦略に近いものがあります。利用頻度が低いイラストでもいいわけです。

    まさに現代的なビジネスモデルであり、数は力という言葉を実証しているようなものですが、数を力に変えるのは日々の努力と技術力です。それはPDFを世に送り出してからもアップデートし続けていたAdobeとも通ずるものだと思います。

  • JR京都伊勢丹の美術館「えき」で開催中の「ヨーロッパ絵画展 〜バロックから近代へ〜」を見に行きました

    JRの京都駅自体を構成している駅ビルには伊勢丹が入っています。そしてその中に美術館もあります。夜8時まで空いていて、場所柄、仕事帰りによる人のためなのでしょうけれど、なかなか珍しいですよね。

    長坂コレクションという長野市在住の所蔵家が集めた絵画の中から、17世紀のバロック美術と19世紀の近代美術からピックアップしたものだそうです。

    http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1908.html

    美術館のある伊勢丹7階はキッズ売り場がメインにあるので若干場違い感があるかも。ちなみに美術館近辺の写真を思いっきり撮り忘れたので何も貼れませんが、進んでいくとそれっぽい雰囲気が漂う感じになってきます。

    私が入館したタイミングではチケットを買う人も見ている人もそれほどいませんでしたが、見ているうちに仕事終わりっぽい人がチラホラ見かけられましたので、やはり帰宅途中に立ち寄る人が結構いるのかと思います。

    作品群自体に、誰もが知っているような作品や作家の名前はありませんでしたが、この展覧会の目的のバロックと近代の雰囲気は伝わる展示だったように思います。

    駅に近い美術館・博物館もあることはありますが、駅直結というか駅の真上にある美術館というのもあまり無いかな。関西だと、あべのハルカスの上にある美術館が駅直結といえばそうですね。

    建物全体あるいはその周辺まで芸術的雰囲気を携えているミュージアムももちろんいいのですが、こういった気軽に鑑賞できる場所もあると良いですよね。

  • 補助金でかえって弱まる競争力

    米中貿易摩擦はトランプ大統領がHUAWEIに対して融和的な対応をしたことでいったん小康状態のようになっていますが、完全な終結とまでは行っておらず、まだまだ続きそうな気配ではあります。

    トランプ大統領が対外貿易、特に対中貿易において抱えている不満の源泉は、貿易赤字の巨額さに加えて、中国政府が中国企業のみに対して便宜を図りすぎていることです。具体的には、中国国外の企業が中国内で企業活動するにあたり、知的財産権を放棄することや、中国内における新規参入の難しさなどがあります。

    その中でも、中国政府が国営企業・国有企業などに与えられている多額の補助金があります。

    拡大する中国政府の産業補助金
    https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190529-00010000-nrin-bus_all

    補助金そのものは免税・減税などの形も含めると中国だけではなく日本でもアメリカでも良くある話ですが、中国では景気対策を名目として巨額の補助金が企業に渡っています。

    実際のところは、経営が苦しい国有企業を破綻させないために事実上の延命措置として地方政府から税金で救済しているわけですが、この補助金によってそれらの企業が潰れることなく存続し続けられています。

    しかし、そういう企業本来の稼ぎ方ではない補助金によって収入を得られてしまうと、上記リンクにあるように、

    また、補助金が経済の効率性を損ねるケースもある。景気情勢が悪化すると、企業は政府からの補助金を目当てに、その対象となるインフラ投資関連事業などに乗り出す。その結果、無駄な事業が拡大し、設備過剰問題、供給過剰問題などを引き起こすという。これが、世界の市況を悪化させることで、海外からも批判を集めることになる。こうした補助金制度の問題は、中国経済の安定の観点からも是正されるべきだろう。

    ということになります。中国の国有企業が存続するために鉄鋼生産を絞らずに行っているため、在庫が世界的にだぶついて鉄鋼価格が低く抑えられてしまったこともあります。

    鉄連会長「中国の鉄鋼再編、過剰能力削減に期待」
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46243000Y9A610C1X93000/
    北野氏は中国の動向について「中国政府の景気刺激策でインフラ投資が増えている」と分析した。中国からの鋼材輸出は2カ月連続で前年を下回っているが「今後、輸出数量がどう変化していくか注視する」と話した。

    補助金によるデメリットは世界的な影響だけではなく、当の国有企業自体にもあるはずです。本来の企業であれば、経営が悪化すれば生産を縮小して在庫を減らし、従業員を解雇・配置転換して人件費を減らすことでバランスシートを健全化し、そして来たるべき好況時に再び拡大する余地を残すのが正しい再建策です。しかし、巨額の補助金をあてに出来る国有企業はそういったリストラ策を行わずに政府からの補助金によってキャッシュフローを潤沢にして生き延びてしまいます。

    そうなると、リストラでスリムになるどころか補助金でさらに企業体が肥満化するわけですから、好況時にも利益率は向上しません。好況時に利益を蓄えられずにいるので不況時には経営がすぐに悪化して、再び補助金のお世話になります。

    補助金によって巨大化していくことで、かえって中国国有企業は本来の国際競争力を身につけられないままいることになりますが、これはむしろ日本やアメリカやヨーロッパなどの西欧体制の自由資本主義諸国にとってはありがたい話です。いつまでも出し続けるわけにはいかない補助金が途絶えれば、そういう企業は国際市場で戦えなくなるでしょう。

    逆に、中国の巨大な市場から立ち上がってくる民間企業の方が、政府補助金をあてに出来ないので西欧の大企業にとっては驚異的な存在になります。その代表がHUAWEI、Lenovo、アリババといった企業です。

    トランプ大統領がいの一番にHUAWEIを叩いたのは、HUAWEIが一番やっかいな相手だと認識しているからかも知れません。

    恒常的な補助金や政府の後押しで競争力が弱まるというのは中国に限ったことではありません。最近ではジャパンディスプレイの例もあります。

    日本の自動車を政治的に叩いて抑えようとしたアメリカのビッグ3も同様です。さらには、日本の農業施策にも通じるところはあると思います。

    一方で、じゃあ中国政府が国有企業への補助金を減らして健全化させるのか、というとそれもにわかには難しいです。中国共産党幹部や政府幹部にしてみれば、補助金を出す出さないによって企業経営に口出しすることができます。国有企業を健全化する改革は自分たちの権益を侵害するので受け入れられないのでしょう。しかし、逆に国家そのものや国民全体から見れば、国営企業・国有企業が改革を受け入れて資本主義経済における一企業として正しい在り方になった方が、少なくとも長期的には有利になります。習近平国家主席が狙っているのはまさしくそれでしょう。そしてそれは最終的には中国自体の国力を上げることになるのですが、既得権益を死守したい層からの反発は激しいでしょう。

    汚職を無くすことが習近平の目的のように見られがちですが、本当の目的は中国資本主義の健全化であり、腐敗の撤廃はその結果の一つに過ぎないと思います。

  • 国立京都近代美術館で開催されている「トルコ至宝展」を見に行ってきました

    6月14日から国立京都近代美術館にて開催されている、「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」を見に行きました。

    前売り券は何ヶ月も前に購入していたのですが、土日は混雑するので外して、ようやく平日に見に来ることが出来ました。

    岡崎公園内にある国立京都近代美術館の真向かいには京都市美術館がありますが、改修・増築工事中のため2017年から閉館中です。

    https://kyotocity-kyocera.museum/#introduction

    来年3月にリニューアルする予定ですが、それまでは国立京都近代美術館や京都文化博物館、京都国立博物館などが京都のメイン的な芸術展を行っています。

    さて、この「トルコ至宝展」は3月から5月にかけて東京の国立新美術館でも開催されていましたが、京都に回ってきたので気軽に見に行くことが出来ます。

    https://turkey2019.exhn.jp

    オンラインチケットだと紙のチケットを持ち歩く必要が無いのでいいですね。出かけるときにスマホを持たないということもまずないので。

    京阪三条から地下鉄に乗らずに歩いて国立京都近代美術館に向かい、15分ほどで到着。向かいの京都市美術館はご覧の通り工事中でした。

    さて、中に入って階段を上り三階からスタートです。最初の方は宝石や貴金属が散りばめられた美術品が並べられていて、インパクトを与える展示順でしたが、その後も繻子や金糸の入った衣類など、見るからにオスマン帝国の繁栄度合いが分かる展示物が多かったです。16世紀頃は日本でも銀や金の産出が盛んで、スペインや明朝経由でオスマン帝国に渡っている金銀もあると思うのですが、そういうのって詳細に分析したらどこどこ産の金が使われているとかわからないんですかね。そういうのがあると面白かったのですが、後半、17世紀の有田焼の皿などもあり、陸路・海路で貿易されていたんでしょうね。

    国立京都近代美術館に収蔵されているコレクション展も見て出てきましたが、トルコと日本は19世紀からとはいえ浅からぬ縁のある国ですので面白かったですね。説明に、「日本・トルコ国交129周年を記念して」とありましたが、さすがにキリが悪すぎるだろ、と内心で突っ込んでしまいましたが。