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  • 30年使ってきたWindowsからの離脱

    ついに、メインPCをWindows11からMX Linuxに移行しました。

    作業的にはVentoyを書き込んだUSBメモリに入れたMX LinuxのISOイメージからブートして、そのままインストールしただけです。使用しているPC(HA17)はCore i5 12600HにGTX1060のチップが乗っている変態仕様ですが、問題なく動作しています。

    さて、私個人のMicrosoft Windowsとの付き合いとしては、
    Windows95を皮切りに、
    WindowsNT4.0
    Windows98
    Windows98SE
    WindowsXP
    Windows7
    Windows8
    Windows10
    Windows11
    と続いてきました。上記の期間中で、職場で使用するPCでもWindowsVISTAが入っていたことがあるので、Windows2000とWindowsME以外は、どれも数年以上使っていた経験があるものです。

    一時期、Macをメインで使っていたこともありますが、常にParallelsでWindowsを仮想化して常駐させていましたから、この30年もの間、MS Windowsと完全に別れたことはありませんでした。

    しかしながら、ここ1,2年のMicrosoftのWindowsに対する施策については、不満と不安をユーザーにもたらし続けるものだったと思います。

    24H2に代表される大型アップデートだけではなく、月例のWindows Updateですら、再起動後に自分のPCが
    ・起動しないのではないか
    ・勝手にBitLocker暗号化されていないか
    ・デバイスが使えなくなっていないか
    といった心配をしないといけなくなりました。

    そして、最たる不安要素は、Microsoftが導入を予定しているRecall機能です。導入前の現時点でも悪名高き機能となってしまった、このRecall機能は、数秒ごとに画面のスクリーンショットをバックグラウンドで撮影し、保存しておくことで、システム等に不具合が生じたときの復旧をサポートするものだとされています。

    しかし、各種サービスのパスワードや機密情報を表示している画面も勝手にOSが撮影するわけです。Recall機能はデフォルトではオフになっていて、ユーザーが自身で有効化しない限りは起動しないとなっていても、またキャプチャ画像は暗号化されたローカル環境に保存されるとされていても、不安は消えません。セキュリティ上、大きなリスクになるのは目に見えています。

    もし、うっかり何らかの不具合によってRecall機能が勝手に有効になっていたり、保存された画像が簡単に見えるようになっていたりしたら、もうWindowsにセキュリティの概念はないことになります。

    そんなことになれば大問題になり、全世界的な集団訴訟でMicrosoft社が存亡の危機に陥るでしょうから、その辺りは厳重に管理するものだと思いますが、それでも、今後のWindows利用をためらわせるには十分なリスクです。

    ということで、ついに自宅のPCからWindowsを消し去り、Linuxに本格的に移行することにしました。

    かつて何度かLinuxへの移行を試したことはありましたが、メインPCとして使うには、
    (1) 日本語入力システムがATOKと比べて貧弱
    (2) Windowsでしか動かないソフトウェアがある
    (3) 各種デバイスや周辺機器がLinuxで使えない
    (4) 親の年賀状印刷のためにWindowsが必要
    といった問題を解決する必要がありました。

    (1)の日本語入力についてはMozc+fcitxにより、かなりマシにはなりました。それでも最新のATOKに比べると大きな差はありますが、昔のATOK並みにはなっていると思います。

    (2)については、2020年代のIT環境では、クラウドファーストというか、ウェブ経由、ブラウザ経由のサービスやソフトウェアが当たり前になり、とりあえずウェブブラウザが動けば使えるものが多くなったことでほぼ解決しました。代替ソフトウェアがなく、Windows(もしくはMac)のみでしか使えないものはごくわずかです。

    (3)の方がまだ問題としては現実的かもしれませんが、こちらも最新のハードウェアでない限りは使えるでしょう。ネットワーク系はLinux前提というものもありますし。私の環境では、以前のWindowsで使えて、MX Linuxで使えないハードウェアは今のところ見つかっていません。

    (4)についてはWindowsでもMacでも、年賀状印刷ソフトを使ってきたのですが、VirtualBoxに入れたWindowsで年1回だけ起動して印刷できれば問題ありません。

    こういった変化に加え、生成AIに質問すれば素人でもLinuxを扱いやすくなりました。IT業界の発展・進歩・変化によって、私のようなLinux初心者でも、LinuxをメインPCのOSとして使うことに抵抗はなくなりました。

    職場ではさすがにまだまだWindowsを使い続けることになるでしょうけれど、自宅ではWindowsを見なくなることになります。むしろ、個人的な興味でVirtualBoxにWindows Serverを入れてみたい気持ちもありますが、どちらにせよ、クライアントOSとしてWindowsを日常使用することはなくなります。

    世の中の全ての人がWindowsから離脱してLinuxに移行すべき! といった過激な主張をするつもりはありません。LinuxをメインOSにすることには、それなりの困難とリスクを伴います。しかし、惰性でWindowsを使い続けることにも相応のリスクが発生することを心得ていた方ががいいでしょう。

    (以上の文章はnoteの方にも載せましたが、個人ブログにも載せておくことにしました)

  • デジタル主権の話

    最近、欧州の一部の自治体で、WindowsやMSOfficeからLinuxやLibreOfficeに乗り換える動きがあるという報道がチラホラ見られました。

    こういう動きって以前にもありましたが、全世界どころか欧州内でも広がることはなく、結局みな便利な方に流れるものなのですが、今回に関しては、直接的な原因がありました。

    トランプ政権による圧力により、国際司法裁判所の関係者のMicrosoftのメールアカウントが停止されてしまったという事実です。親イスラエルのトランプにとって、イスラエルのネタニヤフ首相らの逮捕状を発行したICCは制裁を科す対象だということです。

    アカウント停止自体は他のGAFAなどに広がっているわけではありませんが、欧州各国当局にとっては、アメリカのIT企業にデジタル的権利を握られていることが改めて危険なものだという認識が生まれたのでしょう。そしてこの動きは、デジタル主権という言葉で語られています。アメリカを批判する立場になる場合は、アメリカのデジタルサービスから離れる覚悟が必要だということでもあります。もちろん、莫大なライセンス料金を節約したいという気持ちもあるでしょうが、導入するサービスは無料でも、サポートを任せるIT企業(もちろん欧州の)への支払はあるでしょうし、利用する職員がどれだけ頑張れるかという問題もあるので、そう簡単にはいかないでしょう。

    私自身も最近いろいろホームサーバにハマりだして、LinuxやNextCloudやLibreOfficeを使うようになりましたが、じゃあ日本の自治体や大企業なんかもデジタル主権のため、それらを使うべきかというと、そこまで主張する気にはなれません。第一、まだ私はWindowsマシンを手放せませんし、Androidスマホも使用し続けるつもりです。

    パソコン、サーバはともかく、スマートフォンのデジタル主権はかなり難しい問題です。アメリカと揉めた中国の方が、HUAWEIのHarmonyOSによってもしかしたらPCもスマホもデジタル主権を獲得できるようになるかもしれません。既にSNSや検索では、グレートファイアウォールによってアメリカ製サービスを遮断するという強硬措置によって実現していますし。

    欧州各国はどこも1バイト文字を使っていて、日本語や中国語のような入力システムを必要としない点も、Linuxなどへの移行がしやすい原因の一つでもあると思います。実際、私は未だにATOKから離れられず、LinuxでもMozc+Fcitxによって日本語入力が出来るとはいえ、メインマシンを完全にATOK離れに踏み切る覚悟はありません。昔あったATOK for Xが復活してくれれば良いのですが、キーエンス傘下となったジャストシステムにそんな赤字覚悟のプロジェクトをやってくれる余力も無いでしょう。

    なんだかんだ言っても、現在、日本語を使用したデジタルサービスを最も快適に利用出来るのは、Windowsであることは誰も否めないはずです。別にATOKを使っていなくてもです。この辺は、1バイト文字文化圏と、2バイト文字文化圏で差があるのではないでしょうか。

    中国がどこまで非アメリカ製サービスだけでやっていけるのかは、日本人にとって、日本におけるデジタル主権の可能性という観点からも見物ですね。