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  • 物わかりの良いファン・悪いファン

    ガンバ大阪サポーターとしては2012年、2018年に続いて、この2021年も苦難の残留争いに加わってしまったシーズンとなりました(2019年もまあまあヤバかったですが)。この3年とも、いずれも早い時期に監督が交代していますが、個人的には3回とも監督交代には納得しています。

    2012年は10年続いた西野監督からのスイッチで、強化方針の失敗により、なかなか見られないセホーン・ロペス二頭体制になって何も出来ずに監督交代となりました。いやー、あの時は開幕戦で衝撃を受けました。チームとしての約束事が全部ゼロになっていて、このままだと降格する!、と確信したら本当に落ちました。

    2018年も5年続いた長谷川監督からの転換でした。前年後半に何も無くなったチームでしたので交代には賛成だったのですが、まさかのクルピ、そしてまさかの残留争い、さらに天皇杯で関学に敗戦と、またシーズン中の監督交代をせざるを得ない状況でした。

    そして今年は前年の2位という順位と守備的なサッカーからのステップアップを目指して攻撃的なスタイルとFWの大補強を行ったら、むしろ得点が激減したという事態となり、已むなく監督交代となってしまいました。

    今年はまだ結果が出ていないので、監督交代が正解だったかどうか誰にも分かりませんが、状況としては切羽詰まってきていました。交代するなら天皇杯・ACLを捨てて新監督でのチーム整備に充てると思っていましたが、それよりも早い時期になったことが驚きだったくらいです。むしろ今の方が苦しんでいるという見方も出来なくはないですが、それはとりあえず置いておきましょう。

    ともかく応援していくしかないわけですが、クラブの決断に対しては批判や不満を持っている人も当然ながらいるでしょう。誰もが素直に受け入れるわけもありません。

    もしかすると、私のように物わかりの良いサポーター・ファンというのは、珍しいのでしょうか。しょうがないか、とか、自分より詳しいはずの内部の人間が決めたことだから、というのは、物わかりが良すぎるのかも知れません。

    比較的物わかりの良いファンだとは思っていますが、全てを無条件で受け入れるのがいいのか悪いのか。

    どんな状況でも応援することと、どんな時でも批判しないことは別でしょう。

    応援するからこそ批判するということも当然あります。より良いものになってほしいから、勝ってほしいから、もっと楽しみたいから。あくまで応援する側のエゴでもありますが、それをエゴと認識しないとクレーマーになりかねません。

    「お前のためを思って怒ってやっているんだ」

    という叱責やクレームは多分、あらゆるところで起こりうるでしょうけれど、本当に正当な批判かどうかは、あくまで内容によります。正当な批判は必要です。不当な悪口は不要だが、その区別を付けるのは難しい問題です。

    応援される側にしてみれば、批判は受けたくないものです。とはいっても、全ての批判を無視して独善的になると、たいていは失敗します。自己を客観視できる能力があれば別ですが、無ければ他者の視線によるフィードバックは重要です。

    その代わり、批判を過剰に受け入れてもダメです。欠点を無くそうとして長所が無くなる恐れもあります。

    批判や悪口は声が大きくなります。満足している、不満が無い時にはそもそも声を上げませんし、大きな声を出す必然性を感じません。どうしても、声が大きい人が目立ちます。これもサイレントマジョリティと言っていいのか分かりませんが、現状の問題点を改善することでファンが離れたら本末転倒です。

    そもそも、ファンを辞める・応援を止める時は無言で離れていきます。

    エンタメ業界・スポーツ界だけの話ではなく、一般的な商売でも同じなんじゃないですかね。

  • システム開発が遅れている法人向け銀行サービス?

    Windowsユーザーには長く使用されてきた(≠親しまれてきた)Internet Explorerが、来年Microsoftのサポート対象から外れます。今時、IEでしか使用出来ないウェブサービスなど本当に少ないですが、その本当に少ないサービスが結構代わりが効かないものもあります。個人レベルではまず見かけませんが、法人対象のネットバンキングではちょくちょく出くわします。

    チラッと調べてみると、都市銀行4行(埼玉りそなはりそなと同じでした)では、
    ・みずほ銀行はIE・Firefox対応

    https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/account/b_web/index.html

    ・三菱UFJ銀行はIE・Firefox78 ESR(法人向け延長サポート版)対応

    https://bizstation.bk.mufg.jp/service/kankyou.html

    ・三井住友銀行はIE・Edge・GoogleChrome・Firefox対応

    https://www.smbc.co.jp/hojin/valuedoor/help/kankyo.html

    ・りそな銀行はIE・Edge・GoogleChrome・Firefox対応

    https://www.resona-gr.co.jp/hojin-web/system_requirements.html

    となっていました。電子証明書方式でなければ、IE以外のブラウザへの対応はそれほど困難ではないと思いますが、IEサポート終了ギリギリまで引っ張るところもあるでしょう。

    地方銀行や信用金庫・信用組合などは様々バラバラだと思いますが、

    多摩信用金庫では現在検証中で、

    https://ask-tamashin.dga.jp/business/info/detail.html?id=3598

    池田泉州銀行はGoogleChromeやEdgeでの電子証明書利用が出来るようになっていました。

    https://www.sihd-bk.jp/news/200609_bib.html

    ゆうちょ銀行でもBizダイレクトでは来年にはGoogleChrome・Edge飲みでの電子証明書利用が出来るようです。

    https://www.jp-bank.japanpost.jp/hojin/smart/bizdirect/hj_smt_bd_use.html

    ともかく、ダメでもEdgeのIEモードで最悪使うようにするか、電子証明書以外の使用法を顧客の企業に案内するのでしょうね。

    もう来年の話なのに大丈夫なのかと不安にもなってしまいますが、マスメディアでも別に騒いでいませんし、大丈夫なんでしょうかね。まあ、無理に急いでシステムを開発してもトラブルが起きたらダメですし。

    みずほ銀行の先日のトラブルを思うに、複雑化した銀行システムを一新するのは並大抵ではないのでしょう。とは言っても、他の都銀でも地銀でもこんなにトラブルが頻発してないのですから、みずほ銀行特有の問題があるのは間違いありませんが。

    最近は企業レベルならローコード・ノーコードの開発システムを使って対応しているところもあります。ちょっと前にはオフショア開発が流行して、開発にかかる人件費の抑制を目指していましたし、今もそれはありますが、肝心の東南アジア諸国などでの現地人件費自体が上昇していますし、あるいは個人情報保護の観点から開発拠点を海外に出来ない企業だってあります。

    とは言っても、巨大で複雑なシステムであれば企業での内製化なんて出来るはずもなく、そうなると国内で開発会社なりSIなりに発注するしかありません。みずほ銀行の新システム「MINORI」はその良い例でも悪い例にもなりそうです。

    金融庁はみずほ銀行に対してぶち切れ状態でしょうけれど、官庁だってシステム開発には苦しんでいます。

    マイナンバーの利用が低迷しているのはメリットの少なさや一部の人たちの忌避感があるのでしょうけれど、それ以外のシステムでも、

    https://www.tokyo-np.co.jp/article/127308?rct=economics

    こんなニュースもありました。各省で統一したシステムを作れないのに、みずほ銀行にしてみたら内心では反発もあるかも知れません。みずほ銀行の利用者の方が銀行に対してよっぽど反発しているでしょうけれど。

  • ガンバ大阪30周年記念オフィシャルBlu-rayの到着と、天皇杯4回戦について

    購入時に予約特典のサポーターズネームロールのオプションで自分の名前を登録していましたので、とにかく他のコンテンツはさておいて、まず最初にそこを確認しました。

    それから後は少しずつ見ていますが、やっぱり攻撃が華ですよね。それは間違いありません。だからこそ、去年までの守備重視のサッカーからの転換を図ったのでしょうけれど、結局ここまでの内容と結果を見るに失敗と言わざるを得ません。

    さて、今日は天皇杯4回戦の湘南ベルマーレ戦です。対戦相手を率いるは、コーチから昇格した山口智監督です。去年までガンバ大阪でずっとコーチとしていましたので、少なくとも選手個々の特徴は調べる必要もないくらいでしょう。宇佐美や倉田とは一緒にプレーしていたくらいです。

    今日の試合はガンバがACLやリーグ戦延期分などで他の4回戦とは大きく遅れて開催されることになりました。本日唯一の天皇杯4回戦の試合なのでスカパー!での中継があるのかと思いきや、全く放送は無く、自宅からではテキスト速報に一喜一憂するだけとなりました。2回戦も3回戦もそうでしたので慣れてはきましたが、残念は残念です。スカパー!の天皇杯サイトには
    「1回戦から注目試合を放送/配信!」
    とありましたので、今日のガンバ対湘南は特に注目する試合とは見なされなかったのでしょう。

    今日のガンバのメンバーはカップ戦仕様、GKに石川、CBに佐藤、SBに黒川、ボランチにチュセジョン・奥野、2列目にシウバ、とリーグ戦ではなかなかスタメンではない選手が並びました。2トップはパトリック・宇佐美という2枚看板ですが、二人とも得点がないですしね。パトリックはPKで得点ありましたが。

    おそらく今のガンバ攻撃陣で一番マシな矢島が控えに入っていますので、得点が必要になれば真っ先に出てくるでしょう。控えFWが塚元のみというのがなんというか、色々考えてしまいます。そりゃあ、リーグ戦での残留争いが最優先ですよね。

    一方の湘南。GKの谷はガンバとの契約で出場できませんので当然ですが、他のポジションもメンバーは控え中心です。

    さて、そんなウェブ上の速報ですと、いきなり2分にパトリックが柳澤のクロスに合わせて先制。いきなりリードというのは今年ほぼ無い試合展開で戸惑ってしまいますが、24分にはシウバがPKゲットして自ら決めて追加点。

    あっさり2−0まで持っていったガンバですが小野瀬が怪我で倉田と交代。今年は怪我人が多すぎる。と思っていたら42分に交代した倉田が決めて3−0。関学戦や松本戦でもないくらいの理想的過ぎる試合となって参りました。

    後半11分にもパトリックが今日2点目のゴールで4−0となりましたが、そこから塚元・矢島を入れた後に失点し、4−1。

    この後は攻められるシーンも多かったようですが、結局このまま試合終了。ノックダウン方式の試合で5点6点取るよりも、次のリーグ戦に備えて選手交代する方が良いですよね。ただ、この試合の肝だったっぽい奥野セジョンのダブルボランチは、リーグ戦では起用されないんでしょうか。

    天皇杯と残留争いでいうと、9年前の松波体制でもJ2降格決定後の12月で天皇杯は元日決勝まで行って柏レイソルに惜しくも敗れましたが、あの時も今野CBにこだわって降格して、今野ボランチに変えたら天皇杯で勝ち上がっていったんですけれど、今のガンバもリーグ戦のボランチは考えた方が良いでしょうねえ。

    しかし、この展開でも得点出来ない宇佐美はどうしようか……。

  • 時を司る政権の権力

    令和も3年になりました。平成15年から今までで何年経ったか、といった平成から令和の変換がまだ慣れていませんが、昭和後期に生まれ、平成をまるまる過ごして、生涯で三つ目の元号を体験している自分は、明治以降の日本人としては少しずつ稀な人生になっていくのでしょう。

    大正時代は15年でしたので、明治に生まれて大正を過ぎて昭和に亡くなる人は珍しくなかったはずですが、64年続いた昭和年間に生まれて亡くなる人、昭和に生まれて平成に亡くなる人はかなり多かったはずです。

    今ではほぼ日本だけと言える元号制定国家ですが、かつては中国大陸における政権(中国中央部や周辺部含めて)、朝鮮半島の政権、日本における政権と、時期によっては今のベトナム付近における政権で元号は使用されてきました。

    そんな元号は、古代中国の前漢時代の武帝期に「建元」から始まり、以後は王朝が代わっても20世紀初めの辛亥革命まで続きました。

    日本では元号の始まりは乙巳の変の後の「大化」が有名ですが、これは大宝律令が制定された頃に創作されたものと言われています。少なくとも同時代的に使用されていた痕跡は残っていません。継続的に元号が証拠含めて存在したとされるのは、西暦701年の「大宝」からです。大宝という元号が制定された由来は、対馬からの金が献上されたことでしたが、実際には対馬で発掘されて献上されたわけではなかったと言われています。

    何か縁起のいいもの、国家にとって大切なものが献上されて、それを理由に元号を新しくする、という事例は日本でも中国でもよく行われてきました。良いことがあったから改元、あるいは天変地異や自然災害に見舞われたから払拭するために改元、皇帝・天皇が代替わりしたから改元と、なんのかんのと改元は実施されました。

    当たり前ですが、元号の制定と使用を人々に強制するには権力が必要です。時を司るのは元号のみならず、日々の暮らしにも使われる暦の制定と施行も権力あってこその話です。

    逆からみれば、権力が時間を支配するには理由が必要であるとも言えます。吉祥であれ、災害であれ、代替わりであれ、何か理由がないと改元できないわけです。

    日本の室町時代、特に戦国期においては朝廷が改元のための諸費用を貧し過ぎて調達できず、支えるはずの幕府本体も貧しくて負担出来ず、元号が当時としては長期間利用されたということもありました。

    時の政権に権力が無ければ時を司ることが出来なかったという一例ですね。

    西暦はキリストの誕生年から始まったとされていますが、本当の生年からは数年ズレていると考えられています。元号の始まりにしろ、西暦の始まりにしろ正確性よりは採用した権力の都合で使われているだけと言ってしまうと元も子もないですが、西暦も正確な生年に合わせるためにズラしましょう、と現代に言い始めたら多分、頭のおかしい人だと思われるでしょう。既成事実化したらそれが正しいのです。

    オリンピックの開会式と閉会式のために祝日を移動させた事について先日、こんなnoteを書きましたが、

    https://hrsgmb.com/n/nfab7d1e93fb8

    祝日をコントロールする政府の権力は健在ですが、有給休暇を会社員が自由に取りやすい社会を作るまでの権力ではないのですよね。まあそもそも本気で政府が有給休暇を世間一般に取らせるつもりがあるかどうか分かりませんが。

  • NFTによる古本流通とサッカー選手の移籍への応用の可能性

    今年前半のIT系ニュースで話題になったNFT(非代替性トークン)は、早くも詐欺が横行し始めているようです。アーティスト本人ではなく赤の他人がアーティストを名乗り、NFT付きの作品を販売するという手法や、取引で入力されたクレジットカード情報や暗号資産のアカウント情報を盗むやり口での詐欺が多いそうです。

    https://jp.wsj.com/articles/scammers-and-hackers-see-new-frontier-in-nft-art-11630046632

    NFT自体はアナログの現物が存在する芸術品や宝石などに付与されることもありますが、手っ取り早いのはデジタル作品と紐付けて販売する方法です。NFTを元にそのデジタルデータの鑑賞や利用を認めれば良いわけです。

    NFTを巡る詐欺やその対処はこれからさらに進んでいくでしょうけれど、多くの詐欺と同様にイタチごっこの繰り返しになるんじゃないでしょうか。

    ところで、NFTは今のところ、高額な一点もの、あるいは少数のものだけに利用されていますが、この世に一つしか存在しない芸術作品以外でもNFTを利用することはできるはずで、一般的に中古販売ができない、オンラインでダウンロードした電子書籍、ゲームなどに使えば、それらを購入者が下取り、買取り、転売など出来るはずです。

    電子書籍では読む権利を購入した後は、転売など基本的には出来ません。紙の本との大きな違いでもありますが、紙の本なら古本屋に売ることが出来ます。そして売られている古本を買うことも出来ます。

    NFTで「読む権利」を他者に販売することが出来るようになれば、紙の本と同様になるでしょう。ただし、これだと新品の電子書籍を販売している著者・出版社・電子書籍プラットフォーム提供企業が得しませんので、NFTを使って中古売買した時に、例えば1%が著者・出版社・電子書籍プラットフォーム提供企業に入るようにすれば、中古売買を認める動機付けになるはずです。

    もちろん、それだと中古売買によって値段が下がった分、新品の電子書籍が売れる可能性が減りますので、中古売買の場合は一部機能が使えなくなる・読めなくなるといった機能制限を付けても良いでしょう。紙の本が新品の本と比べて黄ばんでいたり、すり切れていたり、汚れていたり破れていたりするように、新品の電子書籍と中古品の電子書籍で差を付けるべきです。

    ここまですれば電子書籍も販売側にとっても中古売買にメリットが出てくるでしょう。ただ、中古売買のためのプラットフォーム自体が必要になりますし、理想としては電子書籍プラットフォームのように分裂せず、一つの規格に基づいて売買できるようにしないと、多分誰も使わなくなります。いっそのこと、既存の電子書籍プラットフォーム自体が共通規格を採用して、同じ本は同じ電子書籍という扱いになってくれれば良いのですが。

    中古売買時の価格の一部が著者に入るというのは、著作権の一部である追求権の理屈から法的問題は無いはずです。追求権は最初の販売時に安かった芸術作品が、後になって高騰した時にその一部が芸術家やその遺族に入る、という権利ですが、当然ながらごく普通の紙の本でそんな権利を適用することは出来ません。だからこそブックオフが全国に広まった時に出版業界や作家たちが非難していたのですが、NFTを用いた電子書籍の中古売買が出来るようになれば、中古売買時にチャリンチャリンとその都度、著作者の実入りがあるように出来ます。

    実際にそんなことが出来るかどうかは、業界の偉い人が考えるでしょうけれど、そう言えば追求権ってサッカー選手の違約金に伴う連帯貢献金と似ていますよね。

    連帯貢献金というのは、国際移籍をする選手が移籍に伴う違約金発生時にその一部を若い時期にプレーしていたクラブに支払うものです。人身売買のように聞こえますが、事実上の追求権を元の所属クラブに認めるようなものです。

    サッカー選手の移籍と言えば、毎年2回の移籍市場オープン時期に活発になりますが、その移籍期限当日の時間ギリギリに交渉が妥結してFAXでサッカー協会やFIFAに書類が届く、というニュースが毎年のように出てきます。電子メールでは証明にならないでしょうし、郵送では間に合わないのでFAXになるんでしょうけれど、いっそのこと、サッカー選手の移籍市場自体もウェブ上にデジタル化して、NFTで結びつけてしまえば良いんじゃないですかね。

    移籍証明書が発行された、発行していないというトラブルも無くなるでしょうし、クラブと選手の間に揉め事が起きて選手が勝手に移籍を決めてしまうということも無くなるでしょう。

    ただし、先日の浅野拓磨とパルチザンのように、給与未払いとかクラブ側の問題が起きたときに選手の逃げ道が無くなってしまいますので、その辺もカバー出来るように選手給与の支払い状況もNFTと結びつけて……とか言っているとキリが無いですね。

  • 貯蓄から投資にはセーフティネット

    日本人は投資よりも貯蓄を好むと言われます。政府や金融機関が躍起になって税制や広告宣伝を行い、徐々にその傾向も変わりつつあると思いますが、アメリカと比べるとまだまだ大きな差はあります。別にアメリカがあるべき正しい姿であるわけではないので、そこまで行かなくても良いはずなのですが、銀行預金で存在するよりは株式や投資信託や不動産などにお金が回った方が良いと考える偉い人がたくさんいるようです。

    銀行が企業に対して十分な融資を行っているなら、別に一般国民が銀行預金中心の資産形成をしていても経済全体で見れば問題ないはずですが、銀行の融資も低調ですし、間接金融よりも直接金融で株価が上昇する方が、色々と得をする人も多いということなのでしょう。

    とはいっても、実際に十分な資産がまだ無い一般大衆にとっては、そうそう「貯蓄から投資へ」というスローガン通りには動けません。銀行預金の利率と、株価上昇率の表を見せられたところで、行動に移すにはまた別の準備とモチベーションが必要です。

    そもそもなぜ日本人が貯蓄好みになったのかという原因から考えないといけません。政府・銀行・大企業が護送船団方式で経済の発展を牽引していた戦前戦後を考えると、直接金融よりも間接金融が発展するのは道理です。むしろ株価の安定のために株式持ち合いという慣習が生まれたのも、銀行融資で資金調達できるからこそでしょう。

    だからこそ、一般市民は株式を買うのではなく銀行預金・郵便貯金を通じて経済に参加すれば良かったのです。銀行は融資のための資金を調達するために、手厚いサービスで個人からお金を預かるというサイクルが生まれました。

    ただ、その一連のパターンもバブル崩壊と長期の経済低迷によって失われてしまいました。銀行は企業への融資をためらい、企業は社債や上場・新株発行で資金を調達するようになりました。置いてけぼりになったのが資産が少ない個人であり、銀行預金では数百万円預けていても、一度通帳やキャッシュカードの再発行手数料を取られたらマイナスになる程度の利息しか付きません。

    だからこそ、貯蓄から投資に、というお題目が掲げられることになるのですが、大規模な自然災害に毎年のように見舞われる日本において、手元にいざという時のお金をある程度残しておきたいという動機付けは非常に強いものがあります。将来大きなお金になる投資よりも、家や仕事が無くなった時に生きていくための貯金は欠くべからざるものです。

    それでもあえて政府なり金融機関なり経済学者なりが、日本国民に投資を進めるのであれば、そういったいざという時に銀行預金を引き出さなくても当面生きていけるようなセーフティネットが充実していないといけません。

    特に、旧来の家族観、家族関係が無くなりつつあり、頼れる家族が近くにいない人にしてみたら、投資を最優先に考えるのは難しいはずです。

    地震・台風だけではなく、今では大規模な感染症によって仕事が無くなることも頭に入れなくてはいけない時代になってしまいました。

    失業保険や生活保護だけでは投資最優先の意識を作らせるほどのセーフティネットたり得ません。永久的なベーシックインカムまではいかなくとも、それなりのものでないと誰もが最初に投資に意識が向かう時勢にはならないでしょう。

  • スマートウォッチがもたらした腕時計の第4番目の目的

    スマートウォッチに対して積極的な人と否定的な人って結構分かれるのではないかと密かに思っています。

    個人的には全く忌避感が無いというか、むしろスマートウォッチを使い始めるまで、おそらく十数年間は、腕時計を出来れば付けないようにして過ごしていました。

    腕時計が世界的に普及したのは20世紀になってからですが、誰もが付けるようになったのはその後半から、日本では多分高度経済成長期でしょう。それまでは懐中時計ですが、持ち歩く時計という機能は同じです。

    しかし、腕時計には懐中時計とは決定的に異なる特徴があって、常に外に露出した状態で身につけるという点です。そのため、時間の確認・計測以外の役割が腕時計には発生しました。

    装飾品・アクセサリーとしての腕時計、ステータスとしての腕時計という役割です。

    どちらも似ている役割ですが、どちらかというとアクセサリー的に身につけるのは女性の方で、ステータスとして身につけるのは男性の方が多いでしょうか。どちらにせよ、具体的な実用性というよりは、この腕時計を身につけている自分の価値を上げるためという特性です。

    あえて分けるなら、アクセサリーとしては外見的なアピール、ステータスとしては収入・資産という外見そのものからは分からない点のアピールという違いはあると思います。

    オシャレな時計を付けているファッションを見せるという点と、高級時計を購入出来る高収入な属性を見せるという点とも言えます。

    それでも、時間を見るという本来の機能のために、腕時計を付ける人ももちろんたくさんいますから、腕時計は必要とされてきました。しかし90年代後半から、ポケベル・PHS・携帯電話の普及が始まり、持ち運ぶデバイスで正確な時間をチェックすることが容易になりました。

    これにより発生したのは、時間は携帯電話でチェックするので腕時計は身に付けないという動向です。

    実際、私もそのころ大学生で、後輩がいつも携帯で時間を見るので腕時計は持っていない、と言っていて驚いた記憶があります。

    時間を見るという役割を腕時計に求めなくなると、ファッション・ステータスとしての役割しか残らなくなり、それらの機能を求めない人は当然ながら腕時計を付けなくなったわけです。

    ・ファッションとして付ける人
    ・ステータスとして付ける人
    ・なんとなく付ける人
    ・時間は携帯でチェックするので付けない人

    の4パターンに分かれたわけですが、2010年代(特に中頃)になってスマートウォッチが登場します。

    一番売れていて有名なのはApple Watchですが、それ以前からもガーミンやフィットビットはありました。今ではその他大勢、玉石混淆ですがスマートウォッチもそれなりに市民権を得ていると言えるでしょう。

    スマートウォッチがもたらした、通知チェック・健康チェック・運動チェックといった機能が、腕時計の第4の目的として登場しました。

    従来の腕時計が好きな人にとっては、スマートウォッチはおもちゃのように思えるでしょうし、実際に値段も高級腕時計と比べたら1割以下です。ただ、スマートウォッチが出てこなければ、手首に時計を付けるという習慣そのものが一部の人だけの特異な趣味になっていたかも知れないのではないでしょうか。

  • 政権は政治資源を使い果たしたら終わる〜政権リソース論〜

    かつて日本の首相として、安倍晋三に抜かれるまで連続在任記録を保持していた佐藤栄作は、首相の権力について
    「内閣改造をするほど権力は下がり、解散をするほど上がる」
    と言ったそうです。当たり前ですが解散しても負けて政権を失ったら話になりませんが、自民党が過半数を得て当たり前の時代だからこそ成立した名言です。

    言い換えると、政権運営のために内閣改造をするとかえって政権の寿命は縮まり、選挙で勝てば政権は長続きするとも言えます。

    一つの政権がどれだけ続くか、交代はいつ起きるかということを考えると、その政権発足時に抱えている政治資源・政治的リソースを使い切ったときに終わりを迎えます。

    民主主義国家では、選挙で勝てばその政治資源・リソースが補充されますが、それ以外の出来事では補充されません。帝国主義時代なら対外戦争に勝てば政治的リソースは補充されましたが、現代ではそもそもそう簡単に戦争・紛争・武力行使など起きませんし、例え戦争に勝っても補充されません。湾岸戦争において確実な勝利と鮮やかな撤退をしたブッシュ政権が、その後の大統領選挙で民主党のクリントンに敗れたことを思うと分かりやすいはずです。

    そして戦争に限ったことではなく、自然災害や新型コロナのような大規模感染症など、政権が逃げようがなく、政治として相対せざるを得ない大規模な社会的出来事も同じです。その対応をするだけで政権の政治的リソースは減っていきます。そしてその対応に失敗したら政治的リソースが枯渇して政権の終わりを迎えます。

    菅政権で言えば、1年前に自民党総裁選で勝って政権が始まりましたが、国政選挙は経て発足した政権ではありませんでした。その直前の安倍政権の政治的リソースの残りで運営されていたのです。

    菅政権の1年は、新型コロナ対策でリソースをすり減らした上に、国民の何割かは反対していた五輪開催を実施することによってリソースを使い果たしました。菅首相が解散を打つ打たないをするしないといった噂やニュースが流れながらも、解散をせずに、自民党の三役の中でも一番の核である幹事長の交代をしようとして出来ず、結局次の総裁選を諦めることになりました。まさに冒頭の佐藤栄作の至言がその通りだったとも言えます。

    その自民党総裁選で勝った候補が首相になって衆院選に挑むことになりますが、勝てば政権は2,3年は続くでしょうけれど、議席を減らすと厳しくなりますし、自公連立政権で過半数割れを起こすといきなり危機的状況になります。その場合は維新との連立か閣外協力が必要になり、政治的リソースの補充は非常に少なくなりますし、そもそも維新への配慮による政策の実現によってリソースを減らすことになるでしょう。

    ドイツではメルケル首相の任期終了が近付いてきましたが、16年に及ぶ政権運営は上手さが目立つものでした。今ではリベラルな環境保護派っぽく見られますが、3・11までは原発ガンガン推進派でしたし、ロシアとのノルドストリーム(2含む)によるエネルギー源での密接なつながりもあります。

    むしろメルケル首相は風見鶏的に、その都度その都度の政治的問題に対処してきたと言えます。選挙の度に連立政権を組み替えることによって、選挙結果がどう転ぼうと政権の強化(政治的リソースの補充)が出来たメルケル首相は大政治家でした。状況を見て政策を変えて対応してきたからこそ、風見鶏と呼ばれることになりますが、そもそも世間や社会の風に逆らう方が政治家としては悪かも知れません。

    そう言えば、日本の首相で風見鶏と呼ばれた中曽根康弘も、選挙の度に権力を強くしていき、衆参同日選挙で大勝して総裁任期を1年延ばした実績があります。

    携帯料金下げますというだけのワンイシュー的に動いた菅政権が1年で終わることと対照的でしょうか。

    郵政民営化一本だった小泉純一郎がなぜ長期政権を築けたかというと、2001年の参院選、2003年の衆院選、2004年の参院選と、苦しみながらも大負けはせずに続けて、郵政選挙と呼ばれた2005年で大勝したからです。

    政治家は、あるいは政権は選挙で勝ってナンボです。選挙に勝てない、あるいは選挙を経ていない総理総裁は権力を維持できないということが、今回の菅政権の末路を見るとやはり証明されたと言えるでしょう。

  • iPhoneが指紋認証・USB-Cを採用しないのは生体情報などセンシティブなデータを守るためではないか?

    Appleが毎年恒例の9月の新製品発表イベントを行い、iPhone13などの発売をリリースしました。最近ではいつものようにイベントが近付くにつれてリーク情報の精度が増していって、結局今回も大して驚きがない発表会となりましたが、一番の目玉はUSB-C・指紋認証スリープボタンを採用したiPad miniでしょうか。一番単価の高いiPhone13がわくわく感よりも失望感の方が大きいのが何とも今のAppleを象徴しているようにも思えます。

    現行の最新iPhoneに対する一般人の失望感は
    ・ライトニング端子継続(USB-C不採用)
    ・FaceID継続(指紋認証不採用)
    ・ノッチ継続(パンチホールor画面下カメラ不採用)
    この3点が原因だと思います。

    ノッチは狭まったのに表示情報が変わらないという、利用者を煽ってるのかなとも思える無能さです。同時発表のiPad miniが現行Airと同じく指紋認証スリープボタンを採用したことで、
    「なぜiPhoneにも搭載しないのか?」
    という非常にまっとうで素朴な疑問を抱いてしまいます。

    これは同じくライトニング端子にも言えることで、iPadシリーズでは無印iPadを除いて、ProもAirもminiもUSB-Cになっているのに、くっそ高いiPhoneは全てライトニング端子です。

    なぜかたくなにAppleは最新のiPhoneに指紋認証もUSB-Cも採用しないのか、という謎は、世界中で疑問を持たれていますし、それに応じてかシェアも下がっています。それだけが原因ではないでしょうけれど、今のiPhoneが魅力を失っている原因であると言っても過言ではないはずです。

    iPadが登場したときは、単に大きなiPhone的な扱いを受けていましたが、10年経ってみるとiPhoneもiPadも棲み分けが出来るようになりました

    iPadはPencil、キーボード、SplitViewなどによって複数アプリを使って仕事やクリエイティブな作業にも向いたデバイスとなり、一方iPhoneは、Apple Watch・AirTagとの連携によってAppleユーザーの生体情報を含むあらゆる情報を扱うデバイスになりました。

    個人的にここが、USB-C・指紋認証スリープボタンを採用しない一因なのではないかと密かに推測しています。暗号化されて容易にハッキング出来なくなっているとはいえ、FBIやイスラエルがテロ捜査のためにiPhoneを執拗にハッキングしていることもあり、AppleはiPhoneに保存されている個人のセンシティブなデータを出来るだけ守ろうとしているはずです。

    一方でiPadにはApple Watchをつなぐことはありません。アプリの大半はiPhoneと共通とは言え、センシティブなデータはiPadにはiPhoneほど入っていません。

    もしかすると、今のiPad Air、発表されたばかりのiPad miniで使えるスリープ兼指紋認証ボタンは、センシティブなデータを扱うiPhoneに搭載するには、セキュリティ的に不十分とAppleが判断しているかも知れません。

    同じく、Appleがコントロール出来るライトニング端子ではなく、USB-C端子での接続だと、Appleが想定できないor防御できないようなハックをされると考えているのかも知れません。

    これらの理屈はパンチホールor画面下カメラには出来ない理由にも転用出来るでしょう。すなわち、iPhoneのロック解除のためにFaceIDを使用する以上は、FaceID対応カメラにはかなりの高度な技術と部品が使用されているため、画面下に埋め込むことも、パンチホールのように小さくすることも現状では出来ないという理由を予想できます。

    上記は個人的な邪推ですが、Appleの対応の遅さ・無視を決め込む姿勢はなかなか理解しがたい以上、何らかの「したくても出来ない理由」が存在すると考えるのは、そう的外れではないかと思います。

  • 事業立ち上げ・撤退とクラウド環境

    少し前の話ですが、MicrosoftがWindowsをクラウド環境で提供する、Windows 365を発表しました。

    以前からあったAzure Virtual Desktopでは従量課金でしたが、このWindows 365では月額固定料金なので、企業としても利用しやすい形になりました。

    Windows 365はブラウザから利用する、いわゆるリモートコンピューティングです。インターネットがつながっていればどこからでも使えるわけですが、実際の利用としてはWindowsマシンでWindows 365にアクセスするケースはメリットが限られます。クライアントマシンのWindowsライセンスやセキュリティを気にしないといけないので、わざわざクラウドベースのWindowsを使うだけ不便です。

    むしろこれは、Windowsではないマシンから簡単にWindowsを使えるということに意味を見出せるはずです。

    MacやLinuxで、クライアントのOSにインストールするタイプの仮想化ソフトを使えばWindowsも使えますが、ブラウザだけで使えるWindows 365の需要はあるでしょう。何より、iPadなどのいわゆるパソコン以外のデバイスでもWindowsの利用が出来るということの方が大きいかも知れません。ただ、iPadでもリモートデスクトップアプリを使えば、既存のWindowsマシンにいくらでもアクセス出来ますから、特に珍しい話でもないかも知れません。

    企業が従業員全員にパソコンを支給するのではなく、多様な企業形態、多様な働き方に対応し、かつ企業が管理しやすいWindows環境を提供するためのサービスだと考えた方が良いでしょう。

    テレワーク、非正規雇用を多く採用している企業と、全従業員が同じオフィスでパソコンを利用する企業とでは、必要なデバイスの数も種類も違うはずです。

    従業員の数自体も変化が激しい企業では、新規従業員のために新規でパソコンを購入しても、事業の状況によってすぐに不要になりかねません。

    古くからある企業や人数の増減が多くない企業では、Windows 365は多分不要でしょうけれど、事業やサービスの新規立ち上げや打ち切りが多い企業では重宝するでしょう。

    そう言えば、これまた少し前の発表でしたが、Instagramのストーリー機能と似た、Fleet機能をTwitter社が終了すると発表しました。テスト導入から1年半持たずにサービスを打ち切ったわけですが、この辺は潔いというか、経営陣の予想と実際の利用状況がよっぽど異なっていたのでしょう。

    コンコルドの失敗をしないように早めに撤退したのでしょうし、Fleetに割いていた資金や人的リソースを新機能・新サービスに回せます。こういった、事業立ち上げ・撤退の多い企業にしてみれば、人の雇用と解雇(レイオフ)が頻繁にあるのも当然でしょうから、Windows 365は使い勝手が良いでしょうね。

    まあ、Windows 365自体が上手く行かずにMicrosoftがさっさと撤退する可能性もあるのですが。

  • 2010年代のACLを席巻した広州恒大(広州FC)の終わり?

    サッカーファン、特にJリーグのACL出場経験があるクラブのファンやサポーターであれば、広州恒大という中国の強豪クラブのことを記憶している人は多いと思います。

    2010年に、不動産企業の中国恒大集団がオーナーになってから改名し、大量の資金を投下して監督も選手も買いまくりました。翌年早速優勝してアジアチャンピオンズリーグに参戦。2013年にアジアチャンピオンになりました。現在ガンバ大阪に所属するキム・ヨングォンが何年もプレーしていましたし、2015年のACLではガンバ大阪を準決勝で破りそのまま優勝。あの時の広州恒大は強かったですね。2試合でのガンバの得点は相手のオウンゴールだけでした。その後も中国超級リーグでは連覇を重ねましたが、昨年は超級リーグもACLも変則開催だったからか優勝は出来ず。

    今年のACLではそもそもリーグの方針としてコロナ禍もあってACL参加辞退となりましたが、それ以前に広州FC(今はサッカー協会の方針で企業名は強制的に外されています)というクラブどころか、恒大集団という企業そのものが倒産しそうになっています。

    不動産事業以外にも多角化していましたが、大元の不動産事業が拡大に次ぐ拡大の方針がついに高転びしてしまい、経営悪化が知れ渡ると銀行からの融資が止まる上に、取引先企業への支払が延滞します。恒大集団からお金を受け取る側の企業は早め早めに決済を求めますし、逆に恒大集団に支払う側は当然足下を見ます。経営悪化がさらなる悪化を招くのはどこの企業でも同じですが、こうなると復活するにはどこかがお金を大量に入れるしかありません。

    通常の資本主義国家であれば、事実上の身売りでスポンサー企業が買収して資金を投下するか、あるいはJALやゴールドマンサックスのように政府や金融当局が公的資金を注入します。

    しかしどうやら恒大集団は対策が取れないようで、資産の投げ売りだけで手元資金を確保するのがやっとです。中国政府も一昔前みたいに大規模な破綻を絶対に防ぐ方針ではありません。地方政府の企業ですら社債のデフォルトを一部で認めるくらいになってきましたので、恒大集団の行く末も暗澹たるものに見えます。

    破綻規模としてはかなりのものになりそうです。参考になるか分かりませんが、日本の不動産企業の破綻として代表的な、旧住専各社の負債総額は13兆円でした。実際に整理した後の回収不能な債権はその半分くらいでした。当時の日本のGDPは約500兆円でしたので、GDP比で1%〜2%程度の規模ということになります。

    中国恒大集団の負債総額は8月末のBloombergの記事では1兆9700億元とありました。2020年の中国のGDPは約101兆6000億元だったそうですから、恒大集団の負債額はGDP比率で2%弱ですので、おそらくこの恒大集団の破綻が起きれば、日本での旧住専の破綻並みの混乱になりそうです。

    実際に恒大集団が破綻するか、救済されるかは中国当局の胸先三寸ですが、ここまで経営状態が厳しくなると広州FCの選手・監督の爆買いは無理でしょう。広州FCは今はアリババグループとの共同経営だそうですが、アリババも少し前に政府に弾圧レベルの制裁を食らっています。

    まさに栄枯盛衰というより他ありませんが、広州1チームの問題で済むとは限りません。今の中国政府の各界への締め付けを見ると、中国のプロサッカー自体も今後どうなるか、安心している関係者はいないでしょう。

    習近平の独裁体制が近年さらに固まっていくに連れて、核心たる習近平思想に反する業界を、共産党や政府が締め付ける騒動がいくつも発生しています。私教育産業、ゲーム産業、IT産業、芸能産業は、第一次産業でも第二次産業でもなく、共産党としては思想的に叩きやすい業界です。第三次産業の一つであり、エンターテイメント業界の中でも目立つプロサッカーも槍玉に上げられる可能性もあります。

    もしそうなれば、ACLでの中国クラブとの対戦も減るでしょうし、寂しくなりますね。今のガンバがそもそもACLに次いつ出られるか分からないということは置いておいて。

  • 通信障害発生を通信障害のために知ることが出来ない問題

    私は楽天モバイルをメイン回線として利用していますが、先日の9月11日に通信障害がありました。

    https://network.mobile.rakuten.co.jp/information/failure/795/

    上記リンク先では、通話(VoLTE)は影響ないと書いていますが、実際にはネット通信が使えないだけではなく、無料通話のために使用する楽天Linkアプリもダメだったようです。通信回線を利用して電話しているのなら当たり前ですね。通常の電話そのものは使えましたが、それは通話無料の対象外のため、楽天モバイルが通信障害時の通常通話料金を無料にすると発表しました。

    https://network.mobile.rakuten.co.jp/information/failure/797/

    「えっ、それで補償終わり?」
    と少しびっくりしましたが、他キャリアより格安で提供しているのダカール別に良いだろうと思っているのかも知れません。

    11日はこの通信障害をニュースやTwitterで知って、DNS障害だからそれをイジれば良いという対策も知ることが出来たので、モバイル通信でのVPNアプリで接続先を変更してから出掛けて、電子マネーでの支払も問題なく出来ました。多分、私は楽天モバイルをメイン回線にしている人の中では幸運だった方だと思います。知らずに支払おうとして電子マネーがエラーになって「?」だった人もたくさんいたようです。

    Android端末ならモバイル回線でもDNSを変更出来ますが、iPhoneだとモバイル回線でのDNS変更は出来ないので、VPNで強制的に接続先を変えるしかないのはちょっと面倒ですね。私はフリーWi-FiにつなげるときのためにVPNアプリを元々使っていたので大丈夫でしたが、楽天モバイル使っていたらフリーWi-Fiも不要だと考える人もいるでしょうし、そもそもVPNなんて知らない人だっているでしょう。

    なにより、通信障害が発生した際の楽天モバイルの対応が遅く、そもそもネット回線が使えない人に情報が届かないのが問題です。

    電話回線がつながるならSMSも送受信出来るのですから、楽天から各利用者にSMS送って通信障害発生中と知らせてほしいものです。結構な費用がかかるでしょうけれど、知らずに外出先で利用しようとしてつながらずパニックになった人が楽天モバイルを恨んでしまうという、金額に換算できない信頼失墜を防げるなら必要だと思うのですが。

    通信障害は楽天モバイルに限らず、またDNS障害にも限りません。どこのキャリアでも起こり得ますし、VPNで回避できるとも限りません。そういう時のためのデュアルSIMですが、これまたつい先日、iPhoneで物理SIMとeSIMを併用していると緊急通報できないという不具合が見つかりました。これはこれで大問題で、iPhone&楽天モバイルユーザーは悩ましいところです。サブ携帯やモバイルルータを持っていないと、いざという時に不便どころか危険でもあります。

    通信障害や不具合に対する備えを、個人レベルで利用者が積極的にしないといけないのは、スマホやネット回線を社会的に重要なインフラと見なしているはずの現政府の方針に反しているはずです。

    重大な障害を起こしたキャリアは、総務省からそれなりのペナルティを食らいますが、速やかに障害情報が利用者に伝わる仕組みは出来ないものなのでしょうか?

    先日の楽天モバイル障害にしても、Twitterや各ニュース媒体での発表からかなり遅れて楽天モバイルの公式発表がありました。キャリアやMVNO、あるいは固定回線など通信関連事業者全体を包括するような、ネット障害情報伝達システムがあれば良いのにと思います。

    その伝達システム自体、ネットがつながっていないとダメですが、例えばBluetoothをONにしていて特定のアプリを入れているスマホ同士なら、モバイル回線がつながらなくてもBluetooth経由でその情報が伝わるなら、多くのケースでカバー出来るはずです。

    そう言えば、それに近いシステム既にありますよね、COCOAとかいう奴。せっかく膨大な予算を使って使い物にならないアプリを作ってしまったのですから、別の用途に転用すればいいのに。