外交は断罪や糾弾する場ではない

あくまで私個人の考えですが、個人的な倫理観を政治の舞台特にトップに近いところで発揮させるとロクなことにならないと思っています。

もちろん、倫理を捨てたリヴァイアサンに成り下がれというつもりはありません。ただ、個人的な倫理観と国益は分けて考えるべきでしょう。

個人的な倫理観だけで考えれば、トランプ大統領及びネタニヤフ首相によるイラン攻撃は大いに問題があります。国際法的にも駄目でしょう。ただ、去年の夏にも攻撃はあったわけで、規模が大きくなったから駄目だと突然言い出すのもおかしな話です。あの時にトランプ大統領を非難出来なかった石破元首相が今アレコレ言うのもなんだかなあと思います。

残念ながら国際法違反を理由として独裁者を逮捕して罪を裁く権力組織はこの地球には存在しません。国内法は国家・政府がその実行を国内唯一の暴力組織として保証できますが、「沈黙の艦隊」で語られたような国際的軍事組織など存在しない現代社会においては、トランプやネタニヤフあるいはプーチンを捉えて獄に繋ぐ権力も組織もありません。

そういう中で、主要先進国の中で先駆けてトランプ大統領と時間をとって会談した高市首相が、トランプをおだてて日本への無理難題をやり過ごしたことを、個人的倫理観の観点から非難するのは、ちょっと違うんじゃないかと思います。

外交の舞台において、一方がもう一方を断罪したり糾弾したりすることはありえません。大統領にしろ首相にしろ、政治家であって裁判官ではないのです。日本の首相が国際法違反をあげつらってトランプをホワイトハウスで面罵することを望んでいた人たちにしてみたら、今回の高市外交は0点かも知れませんが、日本の国益の観点から見たら及第点以上は付けられるはずです。少なくとも現時点では。

この3月半ばから下旬にかけての日本の国益からみたミッションは、
・自衛隊を紛争地域に派遣することについて無理だということをトランプ大統領に理解させること
・ホルムズ海峡封鎖によって留められている日本のタンカーを通過させてエネルギー危機を回避すること
以上2点が、今の日本の首相が解決すべき最上位の問題です。

そのために、高市首相が会談や晩餐会でトランプを褒めそやしたりおだてたりすることは、やむを得ない仕儀でしょう。その場で間違っているぞ、と言えるほどの状況にはなっていません。もちろん、それを言った上で相手が反省して行いを改めて世界が平和に包まれるのが、物語的な大団円ではあるのでしょうが、残念ながら少なくともメディア越しに批判している欧州各国及びEUはトランプの姿勢を変えられず、かえって意固地にさせた感じになっています。

高市首相はこの難しい時期での米国訪問において、とりあえず今の日本が置かれた状況でできることはやったと思います。根本的な解決が出来ていないと批判する向きはあるかも知れませんが、そもそも国際問題を「根本的に解決」できるという考えこそが、おごっているんじゃないですかね。

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