飛行機は安全だというデータと飛行機は怖いという恐れのギャップ

 各種交通機関の中で、統計上は航空機が一番安全だとよく言われます。実際にどのような統計の取り方をしているのか分かりませんが、その統計が正しかったとしても、飛行機が嫌いな人は結構存在します。そのギャップは何故存在するのでしょうか?

 いざという時、はっきり言うと、飛行機事故に乗客として遭遇した時に無事である可能性は低いと思います。助かる確率が高い状況は離陸前の地上に留まっている時と、完全に着陸した後くらいでしょう。人間は生身では空を飛べませんから、飛行中に飛行機自体にトラブルが発生すると乗客(乗員もですが)は逃げ場がありません。戦闘機のパイロットは上空に放り出されてパラシュートで落下することが出来ますが、通常の航空機に客として乗り込んでいる人間には出来ません。

 自動車・バスなどの場合でしたら、地面を走るのですから何か事故が起きた時に乗客が自分の判断で乗り物の外に出ることは可能です。人間は空を飛べませんが地面を歩くことが出来る動物です。もちろん外に出て後続車に撥ねられるケースはありますが、充分に注意をすれば命を保つことは可能です。飛行機との大きな違いはここにあります。

 電車も車と同じく地面を走ります。レールの上という制限はありますが、断崖をまたぐ鉄橋上とかでない限りは、これもまた乗客がその乗り物から脱出して安全を確保することも可能な場合は飛行機よりも多いです。

 自動車や電車と、飛行機の間に位置するのは船舶での事故でしょうか。人間は空を飛べず地面を歩きますが、水の中で泳ぐことも出来ます。ただし歩く時ほど上手かつ長時間泳ぐことは出来ません。ですので、船での事故に遭遇した時は地面に逃げられる車や電車よりも危険で逃げづらいですが、飛行中の飛行機で事故に遭遇した時よりは生き残りやすいと言えるでしょう。もちろん、泳いでいる間に助けが来ないといけませんが。

 飛行機がいくらデータ上、事故に遭遇する確率が少ないと言われても、そもそも事故に「遭遇した時」にどうなるか、どうやって逃げるか、ということまで考えてしまうと、飛行機嫌いの存在は不可思議なものではないと思います。抽象的に言うと、いざというときが起きるかどうかの確率ではなく、いざというときにも生き残りやすいかどうかが問題であると言えると思います。この認識の違いを改善しない限り、冒頭の「飛行機が安全というデータ」と「飛行機が怖いという意識」のギャップは埋まらないでしょう。

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