日本相撲協会がかたくなに土俵に女性を上げませんが、あくまで宗教行事のため、ということであれば、本場所でも巡業でも政府や行政が関わるべきではありません。男性の首長の時には土俵に上がって賞状を読み上げて、女性の首長の時には代理を立てるというのは筋が通りません。宗教行事だから、という理屈を通すのであれば、憲法の政教分離の原則によって政府も自治体も大相撲とは関わらないようにしますね、と関係を断ち切らないとおかしいでしょう。
そもそも、日本国憲法の政教分離の概念は戦前戦中の天皇崇拝・神道強制が侵略戦争の片棒を担いだ、とGHQが判断して、それを防ぐために加えられました。政教分離という概念は別に世界の民主的な国々で常識なわけではありません。イスラム主義国家はもちろん、キリスト教の影響が強い国は多数あります。日本に政教分離を強制した当のアメリカ合衆国自体が、プロテスタントの影響が非常に強い国です。選挙に勝ち大統領に就任した際に行う就任式では必ず左手を聖書の上に置いて宣誓します。
戦後の日本の政治では政教分離の原則が保たれていました。時々、神社に玉串を備える費用を税金から出すのは違法だ、という訴訟がありますが、その程度です。神道と政治のつながりが時折糾弾されるくらいで、それ以外の宗教には社会もマスコミも非常に寛容です。創価学会が国立戒壇の設立を目指して公明党を立ち上げたときも大して反発は受けませんでした。左派に近いマスメディアにしてみたら、反政権・反自民の野党が増える分には構わないと思ってみていたのでしょうか。今となっては政権与党ですから防ぎようがありませんし、政策によっては自民の行き過ぎを防ぐようなこともしていますので尚更マスコミにとっては公明党を批判できなくなってしまいました。公明党を終始一貫批判し続けているのは日本共産党のみです。この点は立派といえば立派ですが、共産主義そのものが宗教を否定しているから自動的に批判しているだけで、別に確たる信念があってではないのかも知れません。ソ連や今の中国での宗教弾圧を見ていれば政教分離の行き過ぎた形がああなるというのは分かると思います。
話が逸れましたが、神道以外の政教分離が結構あいまいに処理されています。冒頭に書いた、日本相撲協会が大相撲において女性を排除する理由として、伝統的な宗教行事であることを持ち出すのであれば、政教分離の原則を適用して政府や自治体は日本相撲協会と関わらないようにしないと筋が通りません。そして日本相撲協会も、法人格を公益財団法人から宗教法人に「宗旨替え」して、大相撲を宗教行事として実施すべきです。そして単なる一宗教団体の内輪の行事ですから、テレビ中継も無くして新聞のスポーツ欄からも記事を無くすべきです。スポーツではなく宗教だと日本相撲協会自身が主張していますから、マスコミも忖度してあげて宗教として取り上げるべきでしょう。
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