「FIRE」の将来

今はFIREやFIREを目指して頑張るネタが大流行りですね。

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字で、Financial(経済にIndependence(自立)した状態になり、仕事の引退・退職(Retire)を早く(Early)行う、という生き方だそうです。

引退後は社会と多少は関わりながらも、日々あくせく給料のために働かずに済むくらいの預金や投資による運用益で暮らしていく、という夢のような後半生を求めて、多くの人がFIREに血眼になっているのも結構皮肉なものだと、意地が悪い人間は思ってしまいます。

分かりやすいのは仮想通貨・暗号資産の売買で「億り人」となって、後は死ぬまで遊んで暮らせる!というケースでしょうけれど、稀の中の稀な例であって、多分大半の人は資金を融かして絶望しながら社畜生活に戻っているのでしょう。

無事、FIREを成し遂げたとしても、人生の残りを苦しまずに生きていかねば意味がありません。誰でも分かることですが、資産が預貯金だけだとインフレで詰みます。インフレになっても資産も同じくらいのペースで増えていかないと、自分の残り寿命と銀行預金の残高の減り具合を天秤にかけながら生きることになるので、とてもじゃないですが悠々自適の隠退生活とは言えないでしょう。

インフレ対策として、株式・債券・不動産あるいはそれこそ暗号資産に投資しておかねばなりません。当然ですがそれらの資産は値下がりすることもあり得ます。分散投資すれば安心!ということもなくて、リーマンショック時のように全部値下がりすることだってあります。

全くの想像ですが、FIREを目指す人って日本の将来の年金制度を信用していなかったり、生きているうちにベーシックインカムが導入されて生活の不安が無くなる未来を信じてはいないでしょう。

だからこその投資なのですが、将来的に年金もベーシックインカムもダメになる社会において、株式や不動産がまともに価値を持ち続けているとは思えないのですけれど、大丈夫なのでしょうか?

FIREの本場アメリカはそもそも国民皆保険制度も国民皆年金もありません。死ぬまで自己責任で生活費を準備するのが当然の社会で生まれたFIREを、日本人がそのまま理想とするのは少し無理があるというか、カスタマイズが必要なのだと思います。

第一、日本とアメリカでは経済規模よりも経済を構成する要素が異なります。アメリカは石油も農産物も自国内で産出できます。国際情勢の急変によって、不足はあれどいきなり輸入がゼロになってもある程度は生きていける国です。それはロシアも同じで、だからこそ世界的な経済制裁を食らっても軍事行動を止めることはありません。北朝鮮も同じですが、それはそれで国民の生活レベル・政府の活動レベルが先進国を大きく下回っているからこそ継続出来ているだけで、そのレベルを維持させる強権的な政治体制があってこその話です。民主主義が成熟している国は経済制裁を食らう前に政権が崩壊しているはずです。

話がズレましたが、将来の日本が国際情勢の急激な悪化により、エネルギーや食料を十分に得られなくなれば、そもそも国家経済が破綻しかねません。銀行預金も株式も不動産も価値を保ち続けられるでしょうか。その時になってから外貨に替えて国外脱出を目論んでも、そんな国の通貨が強いはずもなく急激な円安になっているはずで、国内で貧しい暮らしをするか国外で貧しい暮らしをするかの二択になってしまいます。

かつての仕事に復帰するにしても、新しい仕事にチャレンジするにしても、年齢を重ねてからだと相当過酷です。仕事があるだけマシな社会になっているかも知れませんけれど。

ゴールドラッシュで儲けたのはツルハシを売った人間だ、とは良く言われます。儲けようと思っている人間にモノを売るのが一番手っ取り早いのです。FIREを目指す人にそのツールや方法を提供するのが手っ取り早く儲けられる手段になっているのが今なんじゃないでしょうかね。

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