あくまで大雑把な分類となりますが、20世紀までは戦争にしろ紛争にしろ、不満はあれど終結していたのに対し、21世紀の戦争(紛争)は終結しないようになってしまいました。
じゃあ何故かつては終結していたかというと、負けた方が徹底的に負けることで終わったのです。徹底的に負け、屈辱的な条約を結ばれ、悲劇的な被害を受けて終わったのです。
20世紀を2つに分けるなら、冷戦前(1945年以前)と冷戦中・後(1945年以降)に分けることが出来ますが、冷戦前の帝国主義列強による植民地主義が存在していた時代は、戦争は悲惨であれど永遠に続くものではありませんでした。
日本が関わったものだけでも、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争とありますが、長期化していたのは日中戦争だけです。ノモンハン事件のように短期的な軍事衝突もその後には続きませんでした。
日本以外でも戦争は各地でありましたが、4年で終わった第一次世界大戦でさえ、絶望的なほど長期間続いた戦争とされていました。戦争は被害規模に限らず、長期化するものではなかったのです。
冷戦が始まると、いつ終わるとも知れない冷戦に世界は分断され、核戦争の恐怖に怯える時代となりましたが、朝鮮戦争は双方痛み分けで停戦、ベトナム戦争は長かったですがアメリカの敗北に終わり、ソ連のアフガン侵攻は10年掛かってソ連の撤退に終わり、イラン・イラク戦争も8年掛かって痛み分け、と少しずつ戦争が長期化するケースが増えてきました。
中には4次にわたる中東戦争や、90年の湾岸戦争のように比較的短期間で終結に至る戦争もありますが、いずれも片方がコテンパンにやられた場合です。
冷戦そのものも45年掛かって東側諸国の完敗に終わりました。
冷戦後の90年代に入ると世界はアメリカ一強になり、「歴史の終わり」の時代に入ると思われましたが、旧ユーゴ紛争に始まる民族・宗教間による、イデオロギーや経済上の理由ではない戦争の時代に入っていきます。
21世紀になり、911テロによってアメリカはアフガン次いでイラクへの軍事制裁という名の戦争を始めました。出口戦略に失敗したベトナム戦争並の悲劇の始まりです。
先日から続くガザ紛争もどのような形で終結されられるか皆目見当も付きません。
アルメニア・アゼルバイジャン紛争もロシアが解決出来ず、西側諸国も介入できないものです。
ウクライナ戦争は徐々に膠着化の様相を見せ始めました。
情報も物資も20世紀に比べると格段にグローバル的移動・流通がスムーズになっています。そうなるとどうなったかというと、戦争で負けそうな方に救援が迅速に行われるようになり、「徹底的に負ける」側が存在しなくなり、そのため戦争が終結せずに永遠に続くようになりました。
国際社会、国際組織による戦争の激化を止める動きはもちろん大事なのですが、結果としてそれが戦争の長期化に影響しているのは皮肉な話です。
エドワード・ルトワックの受け売りじみていますけれど、戦争は片方が負けると終わります。もちろんそれが幸せにつながるとは限りませんが。
同様に、難民も難民として固定化されてしまいます。難民が移住先で強制的・半強制的にその地域文化への同化させられれば難民ではなくなります。
しかし、この現代において元々の民族としての誇りや出自を全て捨てて移住先に同化するよう強制することは許されません。
その一方で、難民となった原因の戦争・紛争は前述の通り長期化して終わらないため、元の地域に戻ることも出来ません。
かくて、難民は難民キャンプに留まり続けることになります。
戦争にしろ難民にしろ、助けるべきだが助けることにより終結・解決しないという、この二律背反をどうすればいいのか。
少なくとも、そもそも戦争・紛争を始めなければ良いことは間違いないのですが。
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