労働生産性と残業・給与の関係性

ニューズウィークにこんな記事がありました。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/01/post-103449.php

日本の学力の高さと、労働生産性の低さを取り上げていますが、学力が高いから労働生産性も高くなるとは限りません。日本の労働生産性が低いのは、職場・現場において労働生産性を高める動きが無いか、高める動きが潰されるか、高める動きをしても意味が無いかのいずれかです。

個人なりグループなりで労働生産性を高めるような改善を行ったとて、そこで空いた時間の分だけ早く帰宅出来るわけでもないですし、その分の給与・報酬が増えるわけもありません。むしろ空いた時間にまた別の仕事を放り込まれて、さらに忙しくなるだけのような企業も多いでしょう。

また、既存の労働生産性の低い作業手順、業務内容、労働慣行を変えようとしても、現場で今まさにその手順・内容・慣行で働いている従業員が反発するケースもあります。労働生産性が高くなることで自分にデメリットがあると思われれば、労働者がその動きをするわけがありません。

あるいは、日本の労働生産性の低さは日々ニュースで見かけるけれど、それは自分の職場には関係が無いと思っている人も多いでしょう。今の状況で充分で、これ以上は高めたら自分や他人がクビになったり、人員補充がされなくなって手間も面倒も増えると思えば、それ以上労働生産性が高まるわけもありません。

また、残業を含む長時間労働を良しとする文化も労働生産性の低さに一役を買っているはずです。残業して頑張る人の方が、効率よく業務改善して定時で帰る人よりも評価される、いわゆる「古い」企業も少なくありません。最近はJTC(Japanese Traditional Company)と言われますが、人事評価が構造的・機能的になっていないところだと、残業して当然という考えがまだあるでしょう。

結局のところ、労働生産性を良くするメリットよりもデメリットの方を、従業員が実感したり恐れたりしているうちは、絶対に変わらないでしょう。労働生産性が低い理由として、IT技術の導入や活用が足りないと言われることが良くありますが、経営者側が労働生産性を高めたときのメリットを増やし、周知させることの方が先です。

労働生産性が高くなり、売上利益が増えたら十分に報酬で報い、また休みも増えるなどの具体的な利益が労働者側にもあるのなら、その方向に動くと思うのですけどね。

労働生産性を高めたらむしろデメリットが増えると思われている状況がこのままなら、ずっと労働生産性の低さもこのままです。

年功序列・終身雇用の時代なら、労働生産性を高めて会社の売上利益が増えることが、労働者にとっては今でなくとも将来の自分の利益になることが目に見えますが、ひたすら人件費を削り続けている企業において、労働者自身が労働生産性を高めるメリットが無いことが一番の問題なんじゃないでしょうか。

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