石破新総裁・新総理になってからの初の国政選挙が明日、公示されます。というか、石破総理自身が解散して行うのですから、選挙の時期が来たと言うよりも選挙の機会を作ったと言うべきですけれど、タイミング的に果たして正解なのか、微妙なところです。もしこれで自民党が敗れて政権を失えば、総裁として最悪の決断をしたことになります。
かつての民主党政権を終わらせた選挙は、当時民主党の新代表になった野田佳彦氏が国民の信を問うと言って党内の反対を押し切り解散総選挙を行って、安倍自民党に大敗した選挙でした。
あの時と状況的に似ている部分はありますが、今回の解散時期としては石破総裁自身が望んだのではなく党内の要望を受けたところもありますので、野田政権の時ほど敵を利する選挙にはならないでしょう。
とはいえ、いわゆる「裏金議員」の非公認扱いでは党内で賛否両論もあり、自民党としては一致団結と言える状態なのか疑問があるところです。まあ、何事も無かったかのように公認して選挙したら、自民党議員の支持は得ることが出来たとしても、自身の総裁就任に大きく役割を果たした自民党員と、その他の有権者からの支持を得られない、と判断したのかも知れません。
まあ、選挙時には公認しないけれど当選したら自民党議員として遇するよ、と話を付けていれば良いだけのことで、公認候補に支払う党の予算を節約出来るメリットもあります。
過去の選挙の類似としては、小泉純一郎政権時の郵政選挙も比されることがありますが、この時は郵政民営化に反対する議員を切り捨て、さらにその議員の選挙区で刺客候補を立てることで潰しました。
結果どうなったかというと、その選挙では小泉自民党が大勝し成功したと思われましたが、その次からの政権運営が苦しくなり、安倍・麻生・福田と1年毎に総理総裁が替わっていって最終的には総選挙で民主党に敗れて政権を失いました。
かつてnoteに書いたことがありますが、自民党という政党は、何らかの理念を実現するための集まりと言うよりも、政権を獲得・維持するために存在する政党です。
https://hrsgmb.com/n/nc59feda06018
これはどういうことかというと、選挙で自民党批判をする野党と、自らの政権を維持するために戦う自民党とが、同じ舞台に立っていないことを意味します。
野党側は自民党政権の政策批判や党運営の不公正さを訴えますが、自民党はそこに真っ向勝負することはありません。自民党が訴えるのは自らが政権を持つことの正当性です。自民党の政策や運営が正しいかどうかは二の次ですので、野党とがっぷり四つの議論にはなり得ません。
そして、有権者が総合的に判断するのも同じで、自民党が政権を持ち続けて良いかどうかの判断をします。結果として自民党が1955年以降のほぼ全ての総選挙で勝ってきたわけです。
自民党は、自民党が政権を取るために存在している政党です。そのために議員が集まっています。言い方を変えると、政権維持のための議員を抱えているからこそ、自民党は存在意義を保てます。
これを「ぶっ壊す」と言って実際に「ぶっ壊した」のが小泉純一郎総裁でした。郵政選挙で抵抗勢力の議員を自民党から追い出し、事実上自民党の分裂を行ったことが、数年後の政権交代を間接的に生み出しました。
もう一つの政権交代である93年の選挙も、その直前に自民党内での対立から分裂し、日本新党や新生党が生まれ、結果として非自民の連立政権の発足につながりました。
今回の総選挙がどのような結果になるか知りませんが、おそらくは自民党・自公政権の微減に留まるのではないかと思います。自公側の大勝も大敗もないでしょう。野党側での勢力図に変化はありそうな気がしますが、それは大きな問題ではありません。
自民党の議席数が減ることがあれば、反対派の非難が石破総裁や党幹部に向けられるでしょうけれど、政権を維持出来ているうちは立ち消えになります。なぜなら、自民党は政権維持が一番の目的だからです。
もし万が一、自民党と公明党で過半数を維持出来なくなることがあれば、野党側は、すわ政権交代だと騒ぎ立てると思いますが、それでも自公政権が野党の一部を切り崩して連立入りさせたり閣外協力させたりすれば、結局は自民党の勝ちということになります。
選挙は議席を獲得するのが目的ですが、その目的は最終的には政権を取るためです。手練手管を尽くして野党を結束させずに取り込むことが出来れば、ミクロ的に選挙に負けてもマクロ的には選挙に勝ったということになるのです。
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