AppleよりもMicrosoftの方が新しい時代に乗っているのかも

かつて、Windowsで巨大な売上利益を出していたMicrosoftと、Microsoftの金儲け姿勢を批判していたLinuxコミュニティとでは、ソフトウェアに対する考え方が大きく違っていました。当時はネット上でもそれ以外でも結構激しくやりあっていたなあ、という記憶があるのですが、月日は流れ、今のWindowsではLinuxで利用するサービス・機能も比較的簡単に利用できるようになっています。

「Microsoft Loves Linux」から考える2020年のWindowsとLinux (1/2)
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1910/04/news059.html

かつての確執からすると隔世の感がありますね。そもそも最近のMicrosoftは、直接的な個人向けリセールを重視していないような気がします。

Windowsがインストールされているパソコン自体が先が見えているようなデバイスに思われているかもしれません。パソコンではなくスマホで十分な人が増えていますし。Windowsをプリインストールするパソコンと、パッケージ販売されているWindowsをインストールする自作パソコンが、Windows販売の両輪でしたが、自作パソコンがかつてほどの熱気はなく、メーカー製パソコンも個人で買う人が減りつつある中で、Microsoftは稼ぎどころをシフトしています。

一つは、Office365です。もはやOfficeのパッケージ版を購入する人もかなり減ったのではないでしょうか。かつて必要な人はOfficeをバンドルしているパソコンを買うか、パッケージで 購入してインストールしていました。そしてバージョンアップも費用が必要でしたが、現在のOffice365ではサブスクリプション化によって初期費用が抑えられ、最新バージョンを常に使えるようになりました。

もう一つがAzureです。このクラウドコンピューティングサービスも大きな収益の柱になっています。AmazonのAWS、GoogleのGCPなどもありますが、MicrosoftのAzureではWindowsの仮想マシンも簡単に作れたりします。料金や細かいサービスでは色々と違いがありますが、素人の私にはよく分からないのでとりあえず割愛しておきます。

さて、このようにOffice365とAzureに軸足を移し始めているMicrosoftは、Windowsを売ることに固執するつもりはないのかも知れません。OfficeもAzureも使用するデバイスはWindowsPCではなくてもいいわけですから。Windowsを買ってくれた方がいいのは良いのでしょうけれど、Windowsでしか使えないサービスとして顧客の囲い込みは少なくとも考えていないのは確かです。

なにせ先日、ついにAndroid搭載スマートフォン(Microsoftは電話じゃないと強調していますが)を発表したくらいですから。かつてはWindowsブランドでのスマートフォンも出していて、Nokiaのスマホ事業を買収して何とかしようとしていたくらいです。結局、iPhoneとAndroidの争いには食い込むことが出来ずに知らない間にひっそりと終了していましたが、ここでSurfaceブランドで、さらに2画面スマホでAndroid搭載デバイスをぶちかましてきました。

Microsoftが2画面Android端末「Surface Duo」を投入するワケ
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1910/06/news011.html

同じく発表したそれ以外のSurfaceはパソコンとしてWindowsを搭載していますが、今のWindowsはAndroidスマホとの親和性は高くなっています。パソコン分野ではAppleのmacOSやGoogleのChromeOSに比べるとまだまだWindowsのシェアは圧倒的ですが、上述のようにPC不要の人が増えている中で、デバイスは何でも良いからMicrosoftのサービスを使ってくれたら良いという考えに移行しているのでしょう。

いわば、自社プラットフォームに利用者を囲い込むのではなく、複数の企業・プラットフォーム間で緩い連合を組んで利用者を増やして収益を上げていくという考え方なのだと思います。Googleほど無料サービスにこだわってはいないけれど、昔に比べればGoogle寄りの考え方と言えるでしょう。ある意味、時代の流れに沿っているとも言えます。

一方で、Appleは自社プラットフォームやコンテンツにおける顧客の囲い込みを続けています。別にiPhoneやMacで他社サービスが使えないわけではありませんが、音楽配信、動画配信、電子書籍、ゲームといったウェブ経由のサービスに加えて、iPhone・iPad・Mac・Apple Watch・AirPodsといったハード間の密接な連携もあります。Apple製品・サービスを使っている人はさらにApple製品・サービスを使った方が便利ですよ、という商売です(かくてApple信者が生まれます)。当たり前と言えば当たり前な商売なのですが、これをなし得る中核はiPhoneブランドです。iPhoneが世間的に使われなくなると一気に成り立たなくなるビジネスですが、今のところは成功し続けています。

Microsoft・Google・Amazon・Samsung・HUAWEI・Netflixといった企業群とそれぞれの分野で戦い続けていることを考えると、Appleの商売範囲が非常に幅広く、維持するための労力は相当なものだろうなと思います。

びっちり閉じているわけではありませんが、比較的閉じられた自社プラットフォームに囲い込むAppleと、上記の企業群による緩やかな連合による比較的開かれたプラットフォーム群のどちらが最終的な勝利を収めるのでしょうかね。

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