
個人的にITガジェットは昔から好きで、コンピュータやIT関連の情報取得はかつては雑誌、今ではネットが主になっています。
自分が好きな範囲の情報は意識して手に入れるのは今も昔も変わらないですが、直接的な興味が湧かないけれど、目にしたら一応は読んで頭に入れておいてもいいかな、という程度の興味の境界線上にある知識を手に入れるのは結構難易度が高いかも知れません。
まず、興味がはっきりとあるわけではないので意識して情報を手に入れようと思わないですし、その時間を別のことにも使いたくなります。
かつて、紙媒体の雑誌から情報を得るのが主流だった時代では、月刊アスキーあたりを読んでいれば、そういった興味の境界線上の知識は自然と入って来ました。あまり興味は無くとも、せっかくお金を出して買った雑誌ですから隅から隅まで読んでみよう、という意識もあったからです。月刊アスキーを毎月ちゃんと読んでいれば、当時の初級シスアドくらいの国家資格に合格する程度の知識は勝手に身につきました。
今の時代も電子書籍として雑誌は存在していますが、情報取得のソースは圧倒的にネットが多くなっています。何かの情報を取得したときに、その周辺にある直接的には興味の無かった情報を得ることが出来ているのかな、という懸念があります。
もちろんこれはIT関連の情報だけではなく、あらゆる分野の興味にも通用する話だと思います。
今は本をほぼ電子書籍、というかKindleで読んでいるため書店に行くことはなくなりましたが、かつては書店で目当ての本を買うだけではなく、一通り本のタイトルを眺めたりして目にとまった本を立ち読みしたり買ったりすることもありました。そうやって、興味の周縁上にある知識を手に入れていたのだと思います。今でもAmazonのKindleストアではリコメンドされる本を次から次へとほしいものリストに放り込みますが、立ち読みとはまた違いますよね。
また、何かを調べようとしてネットで検索し、調べ終わったらそれで終わり、となってしまいます。これは電子辞書などでも思ったことですが、紙の辞典だと調べた単語の周辺にある言葉も目に入り、そこで気になった事柄が意識的か無意識的かに限らず、頭の中に入ります。それがまた後日、思いがけない形で思い出してセレンディピティのような知的出会いが生まれるわけですが、電子辞書だと調べたい単語だけが表示されるので、そうはいかないと思います。そこが不安になるのですが、始めから電子辞書だけを使い続けている人にしてみたら、何らかの形でセレンディピティを生む方法を見つけているのでしょうか?
完全にランダムで情報を得るのはまた違います。全く興味が無い事柄を目にしても頭に入りません。また興味がある事柄に直接的に関係するような情報を目にしても、セレンディピティは起こりません。あくまで知識の積み重ねになるだけです。
Amazonのリコメンド機能やGoogle検索のリンク上位表示は内容もさることながら他の多くの人が参照しているから、という理屈に基づいています。それは確かに、多くの場面で最適解を生み出すのだと思いますが、ごくわずかな関連性からもたらされる思いがけない出会い〜セレンディピティ〜を生み出すのはまた別の仕組みが必要でしょう。これはデジタル化時代に足りない一つだと思います。
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