90年代半ば、Windows95のヒットによってパソコンが家庭でも職場でも身近なものになり、いずれは家電のように当たり前の存在になるとも一部では言われていました。
それから四半世紀がたった今、パソコンを冷蔵庫やテレビと同じ家電製品だと考えている人は多分、増えていないはずです。
キーボードで文字を打ち、マウスあるいはタッチパッドでカーソルを操作して、頻繁なアップデートや動作速度の低下に悩まされ、使わなくて済むなら使わないでいいや、という人は結構います。
デジタル的な作業が必要であれば、特に個人ユースではスマートフォンでほぼ全てのことが行えます。パソコンは文章を書いたり、動画や音楽などメディアを作成したりといった生産的な作業には、スマートフォンよりは生産性が高いですが、それにしたってあくまで生産性が「高い」だけであり、スマートフォンで不可能な作業ではありません。
そのスマートフォンや、その周辺に存在するタブレット、スマートスピーカーなどはだいぶ家電に近付いてきました。パソコンよりは操作が直感的であり、使用する上でパソコンほど悩みがあるわけではありません。
そうは言っても掃除機やエアコンと比べて簡単手軽に使えるか、というほど進化しているわけではありません。一般的に家電と言われる製品よりも、パソコンやスマホは出来ることが多いですが、できることの多さがそもそもの障害になっているという側面もあります。
パソコンが苦手な人に使えるようになれと強制して、使えないと不便が生じる、というのは人に優しい社会とは言えないはずです。スマートフォンが「スマート(賢い)」のはあくまでその機械自体が様々なことができるから名乗れているだけの話であって、ITに苦手意識を持っている人の精神的ハードルや物理的な障害を下げているかどうか疑問です。
IT機器を苦手に思う人でも、すんなりと使える機器が出てきてこそ、IT革命であると言えるのではないでしょうか。
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