
今回の新型コロナウイルスによって、挨拶時に握手、キスやハグをする文化が感染を広めたとも言われています。逆に、日本では挨拶時にお辞儀する文化によって感染が急拡大しなかったという人もいます。
当然ながら本当のところはそれだけではなくて、日本で言えばインフルエンザや花粉症対策としてマスクをすることに心理的抵抗がないことや個人レベルでマスクの備蓄があったこと、国民皆保険制度や医療機関の設備の充実、手洗い・うがいの文化、早めの一斉休校要請があったことなど、様々な理由が複雑に絡み合って欧米ほどの被害が出ていないのでしょう。
ただ、感染が拡大してからも積極的に握手しまくっていたイギリスのジョンソン首相が感染したことは、握手などの物理的接触が感染を拡大させやすいということの分かりやすい一例になったとは思います。
この、握手・キス・ハグといった挨拶は良くない! 止めるべきという意見もあるようですが、数百年以上続いている習慣を簡単に無くせるとは思えません。当事者である外国の人達が本当のところどう思っているのか分かりませんが、今は止めるべきと思っていてもこの問題が収まればまた普通に復活するような気がします。
だからといって、そういった文化を持っていない日本人が批判するのも的外れというかおかしいでしょう。「禍福はあざなえる縄のごとし」と言います。キス・ハグといった挨拶によって安心するという心理的効果はあったはずですし、歴史的社会的な経緯によって必要とされてきた原因や理由もあったはずです。一律に間違っているというのも無理な話です。
逆に、もし、日本人の捨てがたい慣習に何らかの問題が発生したとするケースを想像したらどうでしょうか?
研修医が平気で飲食する会合を開いて集団感染したり、警察署で歓迎会を平気で開いて集団感染したりしています。みんなで一緒に酒を飲んで仲を深める、という習慣は、一般人よりも感染症に詳しいはずの医師や、自粛要請を出している政府の部下である警察官でも止められないほどの心理的強制力を持っていることの証でしょう。
こんな状況下においても歓送迎会を行うなんて、外国人から見たら馬鹿に見えるかも知れませんが、日本人の一部にとっては命よりも大事なものなのでしょう。これはおそらく日本人以外には理解出来ないものです。
また、今回の新型コロナウイルスの騒ぎの中でも自粛要請を無視してでも花見を敢行する人がそれなりにいたくらい、日本人における桜や花見に対する執着はかなり強いものがあります。
例えば、そんな桜の木を媒介にするような凶悪な伝染病・感染症が発生したとしたらどうなるでしょうか?
日本人は、日本中に存在する桜の木を全て伐採できるでしょうか?
毎年春の1,2週間ほどだけ楽しめる植物なんか切ってしまえばいいじゃないか、と外国人は思うでしょう。しかし、今の日本人にはそこまでのことは出来ないかも知れません。
長く続いている文化や習慣や慣習は、続いていることが続く理由にもなりますが、それが生まれて続いている理由や原因もあるはずです。何か新しい、急にストップしなければならない事態が生じたとしても変えることは難しいものです。
「郷に入っては郷に従え」という言葉があるのは、そうしない人がいるからです。裏返せばその共同体の外側にいる人間からは内部の人達の文化や習慣に対する心理が分かりづらいからでもあるのでしょう。その「分かりづらさ」という内心を是正せずにそのまま発言や行動に移してしまうと、結局は国家や民族、人種などに対する差別になってしまうのです。
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