
「専門家」とは何でしょうか?
英語で言えば「プロフェッショナル」となりますが、そう聞くと、その道で生計を立てている人のことを指すような気がしてきます。しかし日本語で「専門家」と書くと、収入云々よりもその道に詳しい人を意味すると個人的には思えます。
精選版 日本国語大辞典によりますと、
「その学問分野や事柄を専門に研究・担当し、それらに精通している人。エキスパート。スペシャリスト」
とありました。そもそも「プロフェッショナル」ではありませんでした。確かにエキスパートやスペシャリストと聞くと、その分野において詳しい人をイメージします。
超絶詳しい辞書に付け加えるものなど本来は無いのですが、前述の語釈に新しく何かを付け加えるとしたら、私としては
「新しいことやものを見つけて作り出す人」
という意味を加えたいと思います。
学者や研究者なら新説を含む論文を書くのが仕事です。
新聞記者なら新しいニュースを見つけて書くのが仕事です。
小説家なら小説を書くにあたり、新しいジャンル・ストーリー・言葉遣いを盛り込んでこそでしょう。
音楽家ならただ単に演奏するだけではなく、新曲を演奏するでしょうしクラシックであっても新しい解釈に基づいて演奏するはずです。
逆に、新しいものを生み出さない人は専門家としても中途半端とも言えます。そうは言っても何かの分野において専門家になった人、あるいはなろうとしている人がどこかのタイミングで突然専門家になるわけではなくて、徐々になっていくものでしょう。いわゆる「守破離」を少しずつ段階を踏んで実現していく過程があるはずです。
たいていの専門家、専門職というのは若いうちからそれについて学んでその道に入っていくのが普通だと思いますが、そうではない仕事としてパッと思いつくのが政治家という仕事(あるいは立場)です。
国会でも地方議会でも、議員というのは法律(条例)の制定と予算の承認が法的に定められている権限です。さて、議員・政治家は新しいものを生み出すという意味で専門家と言えるでしょうか?
まず、政治家になるプロセスとして、大学を卒業していきなり政治家になる人はそうそういません。政治学者や議員秘書などはいるでしょうけれど、いきなり議員として当選する人は今の世の中ではまずいません。何らかの職業を数年から数十年続けている人が、どこかの何かのタイミングで政治の世界に入ってくるものです。
政治家という専門職に就いた時点では結構素人が多いことになってしまいますが、政治家は一から法令や予算を作成するわけではありません。これまでの自分の経験・知識に基づいた見識に、新たに学んだ知識を加えて総合的に判断すればいいのです。官僚などの専門家が出した予算案や法案に対して、その筋の専門家ほど詳しくはないけれど、有権者の代表として賛否を明らかにするのが議員の仕事です。
もちろん、議員の中にも官僚やどこかの業界出身で特定の分野に詳しい人はたくさんいます。ただ、そうでない人もたくさんいます。専門職ほど詳しい必要はないでしょうけれど、人並みの常識以上は必要でしょう。そうでないと判断することも出来ないでしょうし。
少なくとも、消毒液を注射したら感染しないとかツイートしてしまうレベルだとダメだと思いますが、そう言う人でも世界一の国家の大統領をやっているくらいなので、政治家は馬鹿でも出来ると考えてしまう人が増えてしまわないでしょうかね。
半分くらい政治の話になってしまいましたが、専門家となればただ詳しいだけではなくて、新たにプラスアルファ出来る人がそれにふさわしいと思っています。
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