生き残るのは多分、肉体労働

進化した人工知能が人間の仕事を奪う、という主張がなされる時、その「人間の仕事」というのはどのようなイメージで描かれているのでしょうか。

パソコンでエクセルを使っているイメージでしょうか。工場でネジを作っているイメージでしょうか。それとも、一般庶民には思いも付かないようなエグゼクティブでハイソサエティでクリエイティブなイメージでしょうか。

イメージはともかく、どんな仕事でも、
1,何らかの情報を自分にインプットする
2,インプットした情報に、それまでに蓄積した情報から判断を加える
3,加工した情報をアウトプットする
という手続きを経ます。

例えば、デスクワークの人が会議の日程について質問メールを受け取った場合、

自分宛に届いたメールを読み(1)、
メール内にあった指示に対して記憶やスケジュールを確認して(2)、
メールの返信を書く(3)、

というインプット→加工→アウトプットという作業を行います。

また、タクシーの運転手であれば、

手を挙げた人を乗せて行き先を聞く(1)
現在地と目的地の間の道順を思い出す(2)
運転してお客さんを目的地に連れて行く(3)

といった感じになるでしょうか。

仕事とはつまるところ、ワーカーが情報を自分の頭にインプットして、形を変えてアウトプットする仕事です。こう考えると、肉体労働は当然ながら在宅勤務には出来ません。コロナ禍においてはホワイトカラーは在宅勤務で対応出来たため、急な失業・減収は免れたというアメリカのニュースを見たことがありますが、当然ながらその影ではブルーカラー、肉体労働者などにおいては苦境を免れ得ません。

しかし、人工知能とそれを組み込んだロボットが人の仕事を奪うとすれば、奪いやすいのはまずはホワイトカラーの方ではないでしょうか。少なくとも、今のホワイトカラーの仕事のうちでコンピュータを使っている箇所はほぼAIが担えるはずです。

必ずハードウェアが必要な肉体労働、ブルーカラーの仕事の方が代替されるまでに時間がかかりそうな気がするのですが、どうなんでしょうか。

自動運転なんて多くの企業が多額の資金を投じて長年やってきていますが、運転そのものは出来ても多様な道路状況に対する安全策はまだまだでしょう。少なくとも人間より安全に運行できるようにならないと意味がありませんし。

SFの世界では昔からある自動調理器とか自動散髪機なんてものもまだ存在しません。限定的なもの(寿司のシャリを作ってネタを載せるだけとか、鍋を振り続けるとか)ならともかく、多様な料理を多彩な食材を使って作る機械が出来るのは相当先でしょう。

資格が必要で高収入な仕事の代名詞的な医者だって、オンライン診断が一般化してくれば、人間がやる部分は減ってくるはずです。そうなると手先の繊細さと緊急事態への対応力が必要な外科手術くらいしか人間の医師の出番がありません。

近代から現代にかけて、支配層はともかく一般人が行う仕事としては、肉体労働よりも頭脳労働の方が高い収入を得やすい流れが続いてきました。しかし、頭脳労働がもっと発達した人工知能に奪われるのであれば、今後の人間には文字通り「手に職をつけて」行う仕事しか残らないかも知れません。

以前にも別のnoteに書きましたが、AIが人件費を削減出来るのであれば、高給取りの仕事から置き換わっていくはずです。その方が、まだまだ高いAIの利用料金の使い道としては妥当なはずです。

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