本の読み方と売り方

読書人口の減少や出版不況・書店不況はかなり長い間続いています。

昨年はコロナ禍の影響があったものの、鬼滅の刃に代表される(というかほぼそれ)コミックの大盛況により、前年度比プラスだった月が多くあったそうです。

ただ、そうはいっても長期的な傾向は変わらず、鬼滅の刃のような社会現象になるレベルの大ヒット作品が毎年出てくるわけもないので、そうは苦境を脱せないでしょう。

もちろん私も本は読むので、出版業界が衰退を食い止めてほしいですが、読書嫌い・読書しない層に対してのアピールにはまだまだ問題があるのではないかとも思います。

本を読みたくないと拒絶している人に無理に進める必要はないでしょうし、学校の読書感想文のように義務付けたところでさらに嫌われるだけです。

嫌いな人と好きな人以外にも、読書してみようかなと思っているけど、何から読んでいいか分からないとか、読んでみようとしてみてもなかなかページが進まないという人もいます。

興味はあるけど踏み込めない人というのは、多分どんな趣味の分野にもいますが、そういう層にもちゃんとアプローチしていってこそ、ユーザー人口を増やしていけるのだと思います。

現在の読書離れを嘆く意見や、本の楽しさや読書の重要性を訴えるコラムやらエッセイやらは、当然ながらそもそも読書好きの人たちから発せられるものです。

また、書店や出版社が仕掛ける販売戦略も、どうしたって買ってくれる人をターゲットにしてしまいます。

ただ、これまでも読書を当然としてきた人にフックする広告・営業ですと、これから読書を始めたい人に刺さったとしても、その後が続かないのではないでしょうか?

いわばマニア・オタクだけを相手にしているようなものです。ニワカを置き去りにしているというか、ニワカからマニアに移行する道筋が出来ているかどうかと気になってしまいます。

マニア・オタクだけを相手にしてニワカを無視した業界は衰退していきます。マニア層の自然減を補えるだけのニワカからマニアへの移行者数が存在しないと、その分野の人口は減っていくことになります。

読書しても続かない人にとっての悩みを解決するような対策も必要でしょう。電子書籍はその一つの解決策のはずですが、長年の本好きを自認するようなマニア層はどうしても紙の本の良さを喧伝して電子書籍の問題点を指摘しがちです。

だから読書嫌いが増えるんだよと言いたくもなりますが、それはともかく、例えば短い本・薄い本などで読了する楽しさを知ってもらうとか、何かの本を読んだ次に読む本を薦めるとか、個人やSNSレベルだけではなく、業界全体で取り組んだ方が良いんじゃないでしょうか。もちろん、もう既にやっているのかも知れませんが。

また、出版社・書店にとっては認められないかも知れませんが、そもそもたくさんの数の本を読むことが本当にその人にとって良いとは限りません。

多読が好きな人もいれば、ただ一冊の本を大切に何度も読む読書好きだっていてもいいでしょう。

一生に残る一冊を見つけること、何度も繰り返し読める本を見つけることを目的とするのもいいのではないでしょうか。

紙だろうと電子書籍だろうと、そういう心に決めた本があるのであれば、生き方なりなんなりに迷ったときでも立ち戻ってやり直せる場所になるはずです。それこそが読書の神髄なのではないでしょうか?

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