淘汰と生存の狭間のClubhouse

目先の利く人はとっくにやっていて、流行に乗り遅れたくない人が話題にしてマウントを取ろうとする段階に入ってきたClubhouseですが、iPhoneを持っていない私も招待をもらってAndroid経由のSMS認証で、iPadでの利用が出来るようになりました。

ただ、よく分からないのでとりあえずフォローは招待してくれた人のみにして、たまにチラ見しているだけの状態です。音声だけのチャットルームの使い方というか、何のために必要なんだろうというのはずっと疑問に思っているのですが、Twitterとかを眺めていると、みんなで同じサッカー中継を見ながらClubhouseを使う、というやり方があるようです。

なるほどそれなら面白いかも、と思いました。これはプロの実況・解説者がやれば結構バズるネタかも知れません。

ただ、それにしたってそもそもClubhouseでないと出来ないことなのか、というとまた違ってきます。

音声配信・私的ラジオ配信アプリは既に複数存在しています。RadiotalkやSpoonなどはそこそこ利用者がいます。

今回のClubhouse騒ぎは、イーロン・マスクやらアメリカの実業家・セレブのようなインフルエンサーが加わってきて、日本国内でも目敏さで生きているような人たちがそれに乗っかってきてブームっぽいものが形成された流れですので、サービスそのものの質が評価されたからとも言えないと思います。

これから、Clubhouseが音声配信メディアの王者となるのか、競合サービスが打ち負かすのか、あるいは音声配信サービス自体が下火になるのか、いずれかの未来になるでしょう。複数乱立状態がずっと続くとは思えません。せいぜい2,3のサービスに集約されるはずです。

新しい業界の勃興期において業者が乱立するのは歴史的にはよくあることです。19世紀に印刷・通信・鉄道の発達が新聞という新しいメディアを生み出したとき、新聞社は大量に出来ましたが今の日本では全国紙と地方紙で棲み分けが安定しています。鉄道だって全国に私鉄が作られてから国鉄が合併したり、私鉄同士の合併である程度にまとまっていきました。

テレビ・ラジオは電波管理という参入障壁が高かったため、吸収合併劇がほぼありませんでしたが、90年代になってパソコン・インターネットの爆発的な普及は、パソコンメーカー・パソコンパーツメーカー・インターネットプロバイダーを大量に生み出し、大量に淘汰されていきました。

携帯電話・PHS事業だってかつてはたくさん携帯会社がありましたが、今ではdocomo・au・SoftBankにようやく楽天モバイルが入ってきたくらいです。

勃興・普及の時期から安定期に入ると、倒産・合併などを経て勝手に淘汰されて残るものが限られます。

新規参入の障壁が低いものならなおさらです。

動画配信サービスだって、Ustreamのような老舗も消えてしまいました。ニコ動もどうなるでしょうね。

たいていのウェブサービス・アプリは、技術的にはすぐに真似ることが可能なものです。違いを生み出すのは、そのサービスで得られる体験に関する目の付け所です。

そして先にユーザーを獲得できれば後から金はついてきます。InstagramがFacebookに買収されたとき、ユーザーはいても売上ゼロの状態でした。

逆に最初からマネタイズを実現している配車サービスなんかは、システム自体はそれほど難しくないですので、ある程度の資本があれば実現出来ます。Uber、Lift、DiDiなど複数が激しい生存競争に陥っています。

Clubhouseも当然、何らかの形で収入を得るように有料機能や広告を追加するでしょうけれど、マネタイズを焦って早めたりユーザー体験を損なう形で導入してしまうと、急速に熱気も冷めるんじゃないでしょうか。

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