もしもに備える精神的内部留保

とんでもないことは往々にして発生します。自然災害や大事故、大不況や戦争など、いつの時代にもどこの場所でも起こります。

そういった大ダメージを食らっても生き延びるには何らかの余裕や保険などの備えが必要です。

例えば、企業が利益を上げるためだけではなく、本業における不況によって赤字になっても企業自体が存続できるように準備するとしたら、内部留保を貯めておくとか、多角化によって他の業種の利益でカバー出来るようにします。

多角化と言ってもバブル期の日本企業のように、銀行や他人に言われるがまま不動産や金融商品に利益を突っ込むだけだと不況時に共倒れになります。また本業と関連性の高い事業であれば結局全部ダメになります。

内部留保だって貯めすぎると、本来は事業に投資すべき資金を死蔵させてしまいますので、本業の発展を遮ってしまいます。

個人がとんでもないことに備えておくには、企業の内部留保に当たるのは貯金とか保険ですが、それも使わずに貯めておくということは、使えば楽しめたり便利になったり資格を取って将来に生かすお金を死蔵するという見方も出来ます。個人で多角化というのも今流行りの副業がまさに当たりますが、本業に費やすエネルギーを分割するという問題もあります。

多角化(副業)も内部留保(貯金)も、メリットがあればデメリットがあります。デメリットというよりリスクといった方が適しているでしょうか。内部留保は貯めすぎると企業なら本業の伸びが抑えられてシェア不足になるでしょうし、個人ならインフレ時に貯金が紙くずになりかねません。

それでも、もしもへの備えは必要です。だからこそ日本企業は批判されながらも内部留保を貯め続けてきましたし、コロナ禍でそれを吐き出して雇用や会社を守ったケースもあります。

そして、もしもへの備えは個人の金銭的経済的な面だけではなく、心・精神的にも必要です。

どんな悲劇にも従容として受け入れ、心に波風を立てずにじっと静かにし続ける仙人のような人はめったにいません。しかし、大きく心をかき乱されてしまうか、動きを小さめに抑えられるかは日頃の気の持ちようで変えられるかも知れません。

人間万事塞翁が馬。禍福はあざなえる縄のごとし。吉凶はいつも隣り合って訪れます。

良いことがあったら悪いことがあるかも知れないから覚悟しておこう。

悪いことがあったら次はきっと良いことがあるからくよくよせずに気を取り直そう。

良いときに100%の喜びに浴していると、悪いときにもそのまま100%感情が悪化してしまいます。精神的に内部留保というか、良いときに悪いときのことを考え、悪いときに良いときのことを考えるような融通性を持っていれば、大悲劇に見舞われたときにも心のコントロールはしやすいでしょう。

楽しむときに目いっぱい楽しみ、悲しむときに思いっきり悲しむべきだ、と考える人もいるでしょう。後先考えずに100%乗っかれる人こそ、あらゆる分野で大成功して名声も富も得られる人になるのは間違いないと思います。

ただ、この世の誰もが大成功する英雄になれるわけもありませんし、英雄になる自信と能力を持っているわけでもありません。英雄になる人は内部留保も多角化も考えずにひたすら一直線に進めば良いのですが、英雄になれない人は道を逸れたり、立ち止まったりしつつ、もしもに備えながらゆっくり進んでいけば良いんです。

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