平繁無忙の何でも書くブログ

  • スマホとカメラとテレビ

    スマートフォンが中〜低価格帯のカメラを駆逐しつつあります。

    スマホがカメラ産業にしたこと
    https://www.gizmodo.jp/2019/06/smartphones-affect-on-camera-industry.html
    日本のオリンパス、カシオ、キヤノン、富士フイルム、ソニー、ニコンなどから成る映像機器工業会(CIPA)が発表した1951年からのカメラ出荷台数の推移をStatistaがグラフにまとめて発表していて、胃にずっしりときました。スマートフォンのカメラがまともに使えるレベルになった辺りを境にカメラは負に転じ、世界カメラ出荷台数は2010年のピークの1億2100万台から2018年には1900万台と、8年で84%も減っているんです…!

    私自身もカメラ専用機は所有していません。若い頃はそれこそ「写ルンです」でいいやと思っていたような、カメラにお金をかける人間ではなかったので、今でもiPhoneのカメラで充分と思っているくらいです。

    高級機とも言えるレンズ交換式カメラについては上記データの落ち込みは激しくはありません。

    減っているのは主にレンズ一体型カメラ(青)で、レンズ交換式カメラ(赤)だけ見れば安定期で、底を打った感があります。

    レンズ交換式のカメラを使用するケースというのは相当なこだわりがある写真を撮るケースですので、そもそもスマートフォンのカメラとの競合は起こりえません。むしろ気軽に撮影できるスマホ、じっくり腰を据えて綺麗な写真を撮るカメラ高級機、という棲み分けが成立しているとも言えます。

    写ルンですが写メール搭載携帯に駆逐され、低価格帯のカメラは初期のスマホに駆逐され、そして昨今のスマホカメラの高画質化によって中価格帯のレンズ一体型カメラも市場から追い出されそうとしています。

    それなりの画質の写真をスマホで撮影して、そのスマホ内で編集して、そしてクラウドに保存したりSNSにすぐアップしたり出来るのですから、それなりの画質でいい消費者にとってはレンズ一体型カメラを購入する動機が存在しません。

    あえて言うなら、中価格帯のレンズ一体型カメラにはAndroidを搭載してスマホ兼デジカメという形態で生き残りを模索するべきだったでしょうか。ただ、これもパナソニックが2機種発売しつつも普及はしなかった例がありますので、結局は業界の標準にはなり得なかったのでしょう。

    新製品レビュー:パナソニックLUMIX CM1
    https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/686050.html

    パナソニック、Android搭載カメラ新機種「LUMIX CM10」
    https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/739604.html

    いっそのこと、スマホ部分とレンズ機構を規格化して高価格帯カメラのようにレンズを取り替え可能にしてしまったら面白かったかも知れませんが、そこまですると結局は消費者が置いてけぼりになったのかなあ、とも思います。

    スマホのモジュール化はGoogleでさえProjectAraで失敗しましたから、スマホはシンプルでないと売れないんでしょうね。

    Googleがスマートフォンをモジュール化するProject Araを中止、パートナーへのライセンス提供はありか?
    https://jp.techcrunch.com/2016/09/02/20160901google-ends-modular-phone-project-ara-though-licensing-may-be-an-option/

    結局は、写真を撮影する機器ということであれば、手軽に撮るのがスマホ、ガッチリ高画質で撮るのがレンズ交換式カメラ、という現状です。

    そういえば、テレビも似たような経緯を歩んできました。とりあえずテレビを見たい、ということであればテレビ専用機である必要はありません。地上波だけならワンセグ受信できる携帯や、ワンセグチューナーを利用してスマホやタブレットで鑑賞できます。あるいはSONYのNasneやアイオーデータのREC-ONのような、パソコン・スマホなどでの閲覧を前提にした機器でも充分です(Nasneは先日、販売終了が発表されましたが・・・)。

    小型〜中型のテレビはコモディティ化もあって日本はおろか他の国のメーカーでも利幅はかなり薄いと思いますが、大型テレビであればまだまだ商機はあるはずで、一つは4K・8K高画質化と、もう一つは動画配信サービス鑑賞機能です。

    高画質化はテクノロジーの進歩からいって当然のことで、今後もどんどん進んでいくでしょう。そして動画配信の方も、スマホに取られた消費者の時間を取り戻せるところでしょう。AmazonPrimeVideoや、Netflix、Huruなど、見たいものを見たいときに好きなだけ見ることが出来るサービスは、既存のテレビ放送とは違う需要であり、ここを埋められたのは大型テレビの生きる道として重要だったと思います。既存のテレビ放送関係者にとっては忸怩たる思いでしょうけれど。

    コモディティ化しても高価格帯であればやっていける、というのは自動車もそうですよね。軽自動車・コンパクトカー・ワンボックス・高級セダンなどといった棲み分けはずっと前から成立しています。

    テレビもカメラも昭和(あるいは20世紀後半)では一家に一台が当たり前でもありましたが、今では持っていないことも珍しくない時代になったというのは、この20年ほどがIT業界において激動だったことの一つの証左だと思います。

  • どこか→Jリーグ→ヨーロッパという移籍ルート

    この夏、ガンバ大阪から2名の選手(ウィジョ・中村)がヨーロッパに移籍することになりました。

    ファン ウィジョ選手 FCジロンダン・ボルドー(フランス)へ完全移籍のお知らせ
    https://www.gamba-osaka.net/news/index/c/1/no/9836/

    中村 敬斗選手 FCトゥウェンテ(オランダ)へ期限付き移籍のお知らせ
    https://www.gamba-osaka.net/news/index/c/0/no/9838/

    一方で宇佐美とパトリックが戻ってくるのでプラマイゼロですが、昨年のACLチャンピオンである鹿島アントラーズは何と3名(安西・安部・鈴木)も欧州移籍します。

    安西選手のポルティモネンセSC移籍合意
    http://www.so-net.ne.jp/antlers/news/release/72437

    安部選手のFCバルセロナ移籍合意
    http://www.so-net.ne.jp/antlers/news/release/72522

    鈴木選手のシント=トロイデンVV移籍合意
    http://www.so-net.ne.jp/antlers/news/release/72576

    鈴木は怪我でプレーしていなかったものの、安部と安西の移籍は鹿島的には結構大変だと思います。

    今に始まったことではありませんが、Jリーグから有望な若手選手がヨーロッパに移籍するのは当然のことです。ヨーロッパでもリーグとしては千差万別ですが、だいたい中堅クラスのリーグからトップクラスのリーグのクラブが移籍先になります。

    Jリーグのクラブにとっては優れた選手ほど抜けていくのが早いことになり、サポーターとしても複雑な気持ちではありますが、それは移籍先のクラブのファンにとっても大して変わりません。

    レアルマドリーやバルセロナは選手としてはゴールに近いような地位のクラブですが、大半は将来ビッグクラブでのプレーを夢見ての移籍ですので、ほとんどの移籍先クラブもまた別のクラブへの移籍を前提として所属することになります。

    良いも悪いもなくこれが世界のサッカー界の標準みたいなものですから受け入れるしかないのですが、Jリーグとしては日本国内や周辺各国から集めて育ててまた欧州に移籍させる、というプロセスを選ばざるを得ません。それを否定してしまうと、そもそも優秀な選手が来なくなってしまいます。そしてそれはヨーロッパでもごく一部のビッグクラブ以外のクラブにとっても当然のことです。ボスマン判決以降加速した選手獲得のグローバル化がJリーグを完全に飲み込んだ状況です。少し前はA代表あるいは選ばれてもおかしくないレベルの選手くらいしかヨーロッパ移籍は出来ませんでしたが、最近では青田買いが進みA代表経験がなくてもポンポン移籍していきます。

    多額の違約金で移籍する場合、その選手を若い時期に育てたクラブにも「連帯貢献金」がもたらされます。直接売却したクラブほどの利益にはならないものの、例えばバルサに数十億円で売却とかまだ出来ないJリーグクラブにとってはこの「連帯貢献金」はそれなりに重要です。

    岡崎慎司がもたらした知られざる経済効果。中学時代を過ごした街クラブに1300万円を生む『連帯貢献金』とは
    https://www.footballchannel.jp/2016/06/16/post158332/2/

    この「連帯貢献金」や育成補償金、違約金を用いてまたアカデミーでの育成や他クラブからの有望選手獲得を行い、チームを再構築して、またいい選手が育ったら送り出して、そして宇佐美や内田のようにまた元のクラブに戻ってきてプレーする、というサイクルがすでに始まっています。

    日本人だけではなく、ブラジル人選手や韓国人選手も多数、Jリーグ経由でヨーロッパに移籍しています。フッキやパクチソンのようなケースも今後はますます増えていくでしょう。

    最近ではアジア戦略の中でタイやベトナムの代表クラスの選手がJリーグに来ています。彼らがJリーグでのプレーの中でさらに成長し、ヨーロッパに移籍するようになってくれば、Jリーグが世界のサッカー界の中で一つの重要な基盤になったと言えるのではないでしょうか。

  • 宅配便のサブスクリプションモデルはいかが?

    運送業界・宅配業界の問題が色々と話題になる中、荷物の数が単純に減ってしまうとそれはそのまま売上・利益の減少になってしまうので、業界にしろ運送会社にしろ望むところではないでしょう。

    問題は、何かの折りに荷物が激増したり、再配達が頻繁だったりすることだと思います。一番良いのは毎日同じような数の配達があって、なおかつ再配達もなければ理想的な営業形態となるでしょう。

    それに少しでも近づけるのであれば、
    ・すぐに配達しなくてもいい
    ・再配達も不要
    ・定期的に決まった送り先への荷物がある
    という条件を満たす荷物であれば、発注元にしろ受注先にしろお互いにありがたいのではないでしょうか。

    もしかしたらそれなりの規模の企業や、配達が常に発生するような業種の企業ではすでに行われているのかも知れませんが、流行りのサブスクリプションモデルを採用してみてはどうでしょうか?

    例えば東京に本社のある中小企業が、大阪支社から毎月経理書類などを段ボール箱で定期的に送る必要があるけれど、多少の日にちのずれやブレがあっても構わないような場合であれば、毎月15日から20日の間に集荷して20日から25日の間に到着すればいいという条件での契約を結んだとしたら、運送業者的にはかなり楽な集配ではないでしょうか。もちろん、クライアント側も結構な値引きをしてもらわないと契約する企業は出てこないでしょうけれど、定期的契約は継続的利用と相性がいいはずです。

    電車などの定期券や、Amazonの定期便なんかも同じで、割り引く代わりに一定のサービスを保証するというのは多くの業態・業種で見られる形態だと思います。

    ここ数年の宅配業界の困難さは個人のネットショッピングや再配達によるものですから、こんなのは雀の涙程度の改善策かも知れませんが、個人向け通販でも急がない発送というのは普及し始めています。

    本来の自由資本主義経済であれば、利用する側される側が双方利益が出る仕組みが釣り合いが取れるところで成立するはずですが、これまでの宅配業界ではバランスが悪いまま業界の慣習が続いていて、ついにその慣習が継続出来ないところまで到達したのだと思います。そうなれば、BtoBだろうとBtoCだろうと双方の利益の釣り合いが取れる新たな慣習が成立させる必要があります。

    ネット通販を利用する際に、
    ・再配達不要(営業所まで取りに行く)or再配達有料(配達時に小銭で払う)
    ・配達日を確定させない(例えば3〜5日後)
    といったオプションがあったとして、割引やポイント等のインセンティブがなくても選ぶような、気持ちの余裕がある場合もあるはずです。

    通販事業者、運送業者、消費者の三方がお互いにこのままでは成り立たない仕組みに固執するのではなく、成り立ちうる仕組みを少しでも考えて取っていくような社会になって欲しいです。

  • 天井が決まっているベンチャー、決まっていないベンチャー

    新しい業態にしろ古くからある業態にしろ、ITを駆使した新興のベンチャー企業が赤字覚悟で低価格でのサービス・商品を提供することで、市場のシェアをいち早く確保してライバルを潰そうとする企業は多いですが、これは新規参入がたやすい業態だとあまり意味がないはずです。また、ユーザーが同種のサービスを複数利用するのが簡単な業態の場合もダメでしょう。
    例えば、携帯電話事業について考えてみると、新規参入は非常に困難です。全国的なアンテナ整備、アンテナと基地局の間の通信網の整備など、純粋な新規参入
    しようとすると設備投資に気が遠くなるほどの経費が必要となります。楽天が今回新たに参入しますが、楽天ほどの規模がある企業ですら、一部報道ではインフラ整備にかける費用が少ないのではないか、という見解があるほどです。

    また、携帯電話・モバイル回線に関してはほとんどのユーザーは一つの契約回線しか利用していません。

    一方、UberやLiftのようなライドシェアサービスや、UberEatsなどの料理宅配サービスとか、AirB&Bのような空き部屋利用サービスのような事業ですと、新規参入はそれほど困難ではありません。システムを作成する必要がありますが、すでに先行しているサービスがあればそれを真似て作成出来ますし、内部のアルゴリズムに複雑さがなければ時間とお金をかければ誰でも出来るでしょう。

    そういったサービスでは飲食店や部屋を提供する人が当然ながら必要です。しかし独占は出来ません。同じようなウェブサービスに同時に登録することが出来ますし、ユーザー側も複数の似たようなウェブサービスの中から検索するなどして最も自分が欲しいものを見つけることが出来ます。そこに新規参入を阻む壁はありません。そのような事業でシェア拡大のために出血大サービスをしてしまうと、損失を取り戻せないまま値下げ競争のレッドオーシャンを漂った挙句、撤退や破綻という結末もありえます。

    そして厄介なことに、大金を投下できる大企業が争いに勝つとは限りません。ライドシェアサービスでは各国ごとに強い事業者がいたりします。アメリカ発のサービスというだけでは、地元の細かなニーズや効果的な訴求が出来ず、撤退や事業譲渡で手仕舞いするケースがすでに結構出てきています。勝ち組を見極めるのが難しい現状です。 UberもLiftも資本投下を増やしてシェアを確保するために上場して当座の資金を調達していますが、現時点で赤字の事業が消耗戦を勝ち残ったとしても、その後にまた、小規模でも利益度外視で挑んでくる事業者が際限なく現れるのではないでしょうか。

    収入や年収、生涯収入は本人の努力以前に選んだ業界によってほぼ決まる、という話がありますが、ベンチャー企業にもその業態によって成長が決まるという法則があるかもしれません。新規参入が容易かどうかと、ユーザーを独占できるかどうかというところに肝があるのだと思います。

  • マスメディアからのニュース伝達方法について

    普段、テレビや新聞を見ない人が世間一般の情報を手に入れるとすれば、口コミを除けばほぼ、ヤフーなどのポータルサイトかTwitterなどのタイムラインで流れてくる投稿が情報源となっていることでしょう。
    今では、LINEのようなメッセージアプリでもニュース情報を流していますし、GunosyやSMARTNEWSのようなニュースキュレーションアプリも増えてきましたので、スマホでほぼ全ての情報を得るという人も多くなってきたはずです。

    スマホを肌身離さず持っている場合、そしてYahoo!の防災速報アプリのような緊急時の通知をしてくれるサービスを利用していれば、テレビやラジオなどによる臨時ニュースでの災害情報を見聞きするよりも便利かもしれません。

    テレビにしろラジオにしろ、緊急地震速報や様々な自然災害に関する情報を受け取るには、電源を入れておかないといけません。電源をつけっぱなしにしているという人にしても、寝ている時は消している場合も多いでしょうし、外出時は問題外です。しかし、スマホであれば寝ている時もまず電源を入れっぱなしにしていますし、外出時も当然持ち歩きますから、常に緊急の通知を受け取ることができます。それが煩わしいということも多いですが、命に関わる自然災害に関する情報をリアルタイムに受け取れることを考えれば、メリットの方が大きいのではないでしょうか?

    いわば、テレビやラジオなどの放送波だけでなく、スマホなどを使うための通信回線も社会的に必須のインフラになってきたとも考えられます。

    子供の学校の連絡網がLINEグループだったり、親しい間柄でもお互いに電話番号も知らずチャットツールだけでつながっていたりする時代です。携帯電話とモバイル回線は年ごとにかかせないインフラになっていっています。

    そう考えると、首相官邸や総務省がやっきになって携帯電話料金をわかりやすく、かつ、安くするという動きを見せているのは、社会的インフラを国民に安く提供するため、という大義名分も立つのかもしれません。

    ところで、普段からスマホを情報取得ツールとしてメイン利用している人にとっては、テレビや新聞は情報取得デバイスとしては二番手三番手となります。人によっては選択肢にならないこともあるでしょう。そういった人が常にニュースをニュースサイトやアプリを使って意識的にチェックするとは限りません。緊急の通知は自動的に入ってくるにしても、生命に関わるような緊急性は無いものの、社会的に重要なニュースなんかは、意識的にニュースを見るために起動しているわけではないLINEやTwitterなどのアプリで目立つところに表示されるニュースの見出しも、一種のライフラインになっているのではないでしょうか。

    そのような、限られたスペースに表示されるトップニュースの見出しは、
    「トランプ大統領、軍事境界線越え北朝鮮に」
    といった感じで、助詞や動詞などを省いて書かれることが多いです。

    正確な日本語の文章にすると、
    「トランプ大統領が軍事境界線を超えて北朝鮮に入国しました」
    という感じですかね。

    電信で記事を送っていた頃の名残なのか、スペースが限られる紙面において少ない文字数で多くの情報を伝えるためなのか、ニュースによく見られる省略形態です。

    紙媒体のニュースが今後減っていくと、逆にウェブ媒体でのニュース伝達が増えていくと、文字数の制限は本質的には無くなります。ニュースを表示できるスペースはホームページやアプリ上でも限られますが、文字を数秒ごとに切り替えることによって、限られたスペースでも大量の情報を届けられるはずです。

    「トランプ大統領が軍事境界線を」
    「超えて北朝鮮に入国しました」

    という2行を切り替えて表示する感じですね。
    ニュースにおいても省略して表記する方法は必要性が無くなっていくのではないでしょうか。

    その前に、AI記者が大半のニュースを数秒で作成して即リリースする時代の方が早く到来するかもしれませんが。

  • 公共放送と国営放送と受信料とスクランブル放送

    先日の参議院選挙で「NHKから国民を守る党(以下、N国党)」が政党要件を満たして議席も獲得したことでNHKの在り方に今後注目が集まるのではないでしょうか。

    公共放送という立場で事業を行い、受信料を広く徴収する一方で様々な問題を抱えています。国民全体に存在するNHKに対する不信感が、N国党への投票につながったのだと思います。

    受信料を半ば強制的に徴収する一方で、様々な理由で徴収されていない人もいます。

    N国党・立花代表断言していた「国民半数がNHK受信料未納」
    https://jisin.jp/domestic/1758997/
    「会見後、私になんで義務化なのか! という問い合わせが多く寄せられました。それは、裏を返せば受信料を払っていない人たちがそれだけ多くいるということです。NHKは約70%と発表していますが、実際に受信料を支払っているのは、約50%ぐらいでしょう」

    70%なのか50%なのかも問題だと思いますが、そもそも70%しか徴収できていなかったとしても問題でしょう。そういう意味では、N国党の主張するNHK放送のスクランブル化は料金負担の不公平感を無くす対策としては妥当だと思います。

    NHK受信料“闘争”にケリをつけるスクランブル放送の導入を
    https://jisin.jp/domestic/1741708/

    こちらの記事では支払率は82%となっています。カーナビだろうがスマホだろうが何でもかんでも受信料徴収の理由にするのなら、支払った人間に対して正当な権利が生じなければおかしい話です。

    スクランブル放送に対しての反対意見として、総務大臣が

    石田総務相「NHKスクランブル化は放送制度を崩しかねない」
    https://www.sankei.com/economy/news/190723/ecn1907230018-n1.html
    石田氏は「NHKには、災害報道や政見放送など、公共放送の社会的な使命を果たすことが求められる中で、その財源を国民から広く公平に負担いただいている」と受信料制度の趣旨を説明。

    と発言していますが、受信料全てが災害報道や政見放送など国民に広く提供されなければならない放送に使われているわけではありません。NHKの放送を見れば分かることです。

    大規模自然災害が起きたときにNHKの視聴率は跳ね上がります。そういう非常時にはNHKを観るという習慣が国民に広く根付いているのは間違いありません。しかし、現在のNHKの規模や受信料金が必要最小限として設定されているわけでもないでしょう。

    総務大臣がいうような、公共放送としての社会的な使命に基づく放送内容だけに限定すれば、地上波・衛星放送・AMラジオ・FMラジオ全て1チャンネルずつで同じ内容を放送していればいいでしょう。非常事態がないときは、ニュースと天気予報と国会中継だけやっていれば良いはずです。民放に任せられる内容は民放に任せるべきです。

    そして、災害報道や政見放送など日本国に在住している人のために存在している放送局なのであれば、「公共放送」という中途半端な立ち位置ではなく、国営放送にして100%税金で運営すればいいのではないでしょうか。もちろん受信料は無くなります。全従業員は公務員扱いになります。国民全員が治めた税金から国営放送の運営費用を出すのであれば、受信料徴収の不徹底さやスクランブル放送も必要無くなります。

    本当にNHKが「災害報道や政見放送など」のために存在しているのであれば、規模を大幅に縮小してそういった内容のみ制限出来るはずです。それなら税金で運営したとしても、今のような受信料金よりも国民一人あたりの負担は大きく減るはずです。それなら納得出来ます。同じ国営放送のBBCみたいに1日中ニュースを流しているような放送局でいいでしょう。

    そもそも、「国民に対して必要な情報を提供する」ことが目的なのであれば、放送局という形態にこだわる必要も無いでしょう。テレビ・ラジオに加えてネットでライブ配信というのも選択肢があってしかるべきです。テレビ局・ラジオ局でないといけないという理屈も今の時代ではおかしいでしょう。国民が知るべき情報を素早く伝えるのであれば、今や国民の大半が所有しているスマートフォンで見られる形式で情報を提供するのが、「公共放送の社会的な使命」ではないでしょうか。

    NHKを大幅に縮小して国営放送化したとして、もう一方でお堅いニュースや災害放送・政見放送などを切り離した、第二NHKとでもいうべき部分も国民が任意に支払う受信料によって成り立たせればいいでしょう。それこそスクランブル化しようがしまいがどうでもいい話です。なんせ見たい人だけがお金を払って見るのですから。当然ながら、国民に必要な情報は国営放送の方に存在しますから、第二NHKの方は受信料を強制的に徴収する権利を持ちません。民放各社とドラマやバラエティやドキュメンタリーの分野で大いに競争して経営すればいいでしょう。そっちの方は速攻で潰れそうな気もしますが、潰れたところで国民的には大した影響はありませんから。

  • Jリーグは新サテライトリーグを作るべし

    Jリーグが現在実施している、FC東京、セレッソ大阪、ガンバ大阪の各クラブのU23チームによるJ3参戦を来年を目処に取り止める方向で動いているそうです。

    JがU23リーグ戦終了へ、来季からJ3に新規定
    https://www.nikkansports.com/soccer/news/201907160000916.html

    J3も加盟希望クラブが増えてきていますし、将来的にそうなればU23チームは無くすということはスタート時から言っていたことですからそれ自体はしょうがないのですが、その代わりになる若手選手の出場機会を確保できるような場を新たに作るべきだと思います。

    かつてのサテライトリーグは色々な理由で立ち行かなくなりましたが、U23チームのJ3参戦を取り止めにするのであれば、J1~J3クラブによるサテライトリーグの復活は当然ながら検討すべきでしょう。サテライトリーグをやっていた頃に比べるとJリーグクラブの数自体も増えていますから、地方毎に分けてリーグ戦を組むことも出来るはずです。数がそれでも足りない場合、Jリーグ準会員クラブや100年構想クラブにも入ってもらっても良いかもしれません。

    地方毎の分け方としては、JFLの下に位置する社会人リーグの分け方に近くなりますが、

    北海道東北リーグ
    北関東リーグ
    南関東リーグ
    東海リーグ
    北信越リーグ
    関西リーグ
    中四国リーグ
    九州沖縄リーグ

    と分けることで、アウェイゲーム時の移動費節減が出来ます。開催場所の確保が難しいかも知れませんが、ホーム開催出来ない場合に同一カード組合せで同じ場所での開催を認めるとか、練習グラウンドでの開催などを認めるくらい柔軟な対応でも良いはずです。

    今のU23チームのJ3参戦は、J3の公式戦ですから当然ながら有料試合として観客からチケット代を取っています。これについても新サテライトリーグでは有料開催と無料開催どちらでも可能ということにすることで、有料イベント開催時に使用料が高くなるスタジアムでの開催もやりやすくなると思います。

    また、地方リーグ毎の順位や得点王への賞金配分、移動費負担などもJリーグから出してくれるのであれば、参加に応じるクラブはそれなりにあるのではないでしょうか。サテライトリーグを実施していた頃と今とでの大きな違いが、DAZNマネーの存在ですから、こういう選手育成・出場機会の確保に役立てるようにするのも重要なお金の使い道でしょう。また、この新サテライトリーグ自体に冠スポンサーを見つけてくるというのも一つの方策です。

    新サテライトリーグの全試合放送というのは困難かも知れませんが、毎節1試合のみ生中継するというのでも充分でしょう。固定カメラ一台のみで実況解説無しというのでも無いよりはマシです。

    DAZN側が許せばの話ですが、YouTubeやニコ生、LINE LIVEといった他のストリーミングサービスと協力して中継というアイデアもありかも知れません。もちろん放送することが新サテライトリーグの最優先の目的ではありませんが、選手にとってのモチベーションアップにはつながるでしょう。

    一番重要なのは、若手選手達に試合出場の機会を確保すること、そしてその試合自体に緊張感を持たせることです。練習試合に毛の生えた程度だとあまり意味ないでしょう。

    ガンバでは今年、J3でプレーしていた選手がJ1やJ2の舞台で活躍するようになりました。ガンバのトップに上がった食野・中村・高・高江・福田・高尾らだけでなく、J2の京都に行った一美や山形に行った野田、岐阜に行った市丸に加えて先日は現時点でのJ3得点王の高木も山形行きが決まりました。

    J3でプレーすることのメリットは、対戦相手がプロである公式戦であったことのはずです。相手は当然ながら、死に物狂いというか、生活をその一試合一試合に賭けてガンバU23に挑んできます。ここで負けたらクビ、あるいはチーム自体が縮小、といったリスクを背負ってプレーしているのです。そのような相手を前にして若手選手がプレーできるのは本当に貴重な機会でした。

    トップチーム同士の試合に匹敵するのは難しいにしても、厳しい環境・緊張感のある試合を継続的にリーグ戦の形で1年で20〜30試合開催できるのであれば、選手育成という点では大きな効果があるのではないでしょうか。逆に言うと、新サテライトリーグを作るのであればそこまでやって欲しいと思います。

  • 十数年前のお家騒動が今の吉本問題の元々の発端じゃないのかなあ?

    毎日多くのテレビ局・番組で膨大な放送量でまるでテレビジャックされている感もある吉本興業問題ですが、これまで出てきた報道の中で私が見る限り言及されていなかったネタがあります。

    吉本お家騒動 創業家のプライド、増幅された確執
    https://ironna.jp/article/1048

    創業者一族と主導権争いの歴史
    https://www.weblio.jp/wkpja/content/吉本興業_創業者一族と主導権争いの歴史

    十数年前に創業家との争いを制して吉本興業を支配し上場廃止したことが、今回の反社会的勢力とのつながりや所属芸人からの不満勃発につながっているのではないか、という意見をマスメディアで目にすることがありません。もしかしたら指摘している人がいるかも知れませんが、目立っていないと思います。

    もしかして言っちゃいけないことなんでしょうか?

    しかし契約書を結ばずにギャラの支払いなどを行うというのもすごい話だなあと思いますが、昔はどこもそうだったんでしょうし、それで成り立っていたのでしょう。それがなり立たない時代になったのなら、昔はこうだったああだったとかノスタルジーに浸るのではなく、今の時代に合わせて変化させることがまともな企業だと思うのですがどうなんでしょうか。

    所属芸人とちゃんとした契約書を結んでいないということなんですが、それ以外の例えば正社員・アルバイトなどの芸能人ではない従業員とも契約書を交わしていないのでしょうか? またテレビ局や番組製作会社との契約も全て口約束だけで行っているのでしょうか? さらには政府や自治体との仕事も増えているようですが、そういうところとの仕事も口約束での契約で動いているのでしょうか? それだったら芸人だけの問題ではないのでもっと話は大きくなりますが、どうなんでしょうね。

    吉本に不満があるなら辞めればいい、というのは確かにそうなんですが、そこで問題になってくるのが日本の芸能界に暗黙の了解として存在する、大手事務所と揉めた芸能人は起用しない、という慣習です。吉本問題の少し前に、ジャニーズ事務所に対して公正取引委員会が注意していましたが、まさにこれです。事務所はまともな契約をしてくれないので事務所に不満をもって辞めたら芸能界で干される、というのであれば芸人側に打つ手がなくなりますので、この問題の非は事務所にあります。

    例え揉めていなくても良い条件を出してくれるところがあれば移籍する、というのは他の業界では当たり前の話でしょう。プロ野球なりJリーグなりでもそうですし、ヘッドハンティングや求職エージェントを通じて転職するビジネスマンは数え切れないくらい存在します。なぜ芸能界だけそれが許されないんでしょうね。そりゃあ公取もそこを突っ込みますよ。よそに移籍させたくないのであれば、サッカーの違約金のように契約書をちゃんと所属芸能人と結んで、契約期間内に移籍したいのであれば違約金を持ってこい、という契約を交わしていればいいだけのことです。そしてこの契約もあくまで常識の範囲内、一般社会通念上でおかしくないものでないといけません。例えば売れていない時期に契約期間50年、安い報酬、かつ高額な違約金を設定することは出来ませんし、裁判になれば負けるはずです。

    芸能界がビジネスとして業界全体が大きくなり、一般的なものになったことでかつての牧歌的な家族経営は大手事務所には許されなくなりました。昔は良かったと懐かしむのは結構ですが、昔は昔、今は今ということで昔に比べて良くなった点もある一方で、昔の悪い部分も引き継がなければならない理屈はありません。事務所側と芸能人側が双方納得出来るレベルで折り合って契約を交わすこと以外に解決策はないはずです。

  • 人気のある首相の条件

    戦後日本の進む道を作った吉田茂は偉大な首相であったと言えますが、当時国民に人気があった首相ではありませんでした。よく言われるバカヤロー解散や、カメラマンに水をぶっかけたエピソードなど、あまり庶民に親しまれるような首相はありませんでした。

    吉田茂は自由民権運動の壮士だった竹内綱の元に生まれましたが、後に父が逮捕されたりした後に吉田家に養子になりますが養父が若くして亡くなり、養母に育てられました。いくつもの学校を渡り歩いて最終的には東京帝大から外務省に入りました。その後は外交官として長く勤めるも、戦時中の終戦活動によって憲兵に捕まったりしています。

    生い立ちやその後の人生も立志伝中の人のような感じですが、貴族趣味もあり庶民に親しまれる存在ではありませんでした。

    その吉田茂の政敵でもあった鳩山一郎は父が政治家であり父の死後すぐに補欠選挙で当選するようなまさに生まれながらの政治家のような人でした。しかし首相就任直前に公職追放になったり、その後の吉田との政争があったり、涙もろかったり、脳溢血で倒れ半身不随になりながらも首相になったことで同情を引きました。

    政治家としての政治における功績を比べるつもりはありませんが、同時代的な国民人気は吉田より鳩山の方が上でした。

    また、93年に政権交代が起こったときに首相に就いた細川護熙はいうまでもなく熊本藩主細川家の直系であり、近衛文麿の孫でもある血胤の良さがありました。首相就任時にそういった育ちを毛嫌いされることはなく「お殿様」とも呼ばれ親しまれました。

    その直前の首相だった宮沢喜一は成績優秀で東京帝大から大蔵省に入り、後に政界入りして91年に首相に就任します。しかし頭の良さから他人を見下すような印象を与える人柄もあり、人気があるタイプではありませんでした。

    そもそも総理大臣として国民人気があった人の方が圧倒的に少ない気がしますが、それでもたまにそういう首相は出てきます。もちろん、人気があるからといって首相として有能かどうかは別の話ですし、そもそもそういう人気は何年も続くわけではありません。人気のあるうちに何か一つでも大きなことを成し遂げた後は、さっと辞めてしまった方が晩節を汚さず、当人にとっても周りにとってもいいんじゃないでしょうかね。病のこともあったと思いますが、日ソ国交回復を実現させて退いた鳩山一郎が良い例でしょうね。

    さて、現在の安倍首相に関してはどうでしょうか?

    人気があるかどうか、何か大きなことを成し遂げたか、さっと辞めたほうがいいか、といったことを議論し始めると大炎上しそうなのでやめておきますが、長期政権の出口を考え始めないといけない時期には差し掛かっているでしょうね。自民党総裁の任期は2021年までですが、来年の東京五輪の後はレームダック化するかも知れないですし、だからといって四選となると流石に党内の反対が大きくなるでしょう。五輪の後に電撃的に退陣表明してしまった方が一番混乱なく引き継げそうな気がしますが
    どうなるでしょうね。

  • 不登校と不勉強(あるいは不学習)は違う

    学校に行くことを強制する時代ではなくなりつつあります。

    それはそれで事情があればしょうがないというか、別にいいとは思いますが、学ぶことをしなくなってしまうのは違うのではないかとも思います。学校に行くことと勉強することは異なります。学校に行かなくても学ぶことは出来ます。様々な事情で学校に行かない・行けない子どもがいるのは事実です。学校に行っても元のクラスに戻れず複雑な気持ちになるくらいであれば自宅やフリースクールなどで勉強する方がいいでしょう。

    一番大事なのは学ぶことです。どれだけテクノロジーが進んだからといって、人間が何もしなくても何でも出来る時代は来ません。正確には自分がしたいことの可能性を広げるために学ぶべきです。ほとんどの人は就職後に漢文を読むことも微積分を用いることもないでしょうけれど、一部の人には重要です。人それぞれ何が必要かは若い内にはまず分かりません。分かっていたとしても20台30台の時と、50台60台の時では必要な知識や能力も異なることも多いはずです。未来の可能性を潰さないために若い内には大いに学ぶべきです。学ばなければ何が必要で何が不必要かも分かりません。

    ヒト、ホモサピエンスは進化の結果、身体が成長するのに十数年かかる動物となりました。そして外見的な身体だけではなく、脳も十数年間は成長し続けます。その若い内に学ぶことによってその後の人生に大きな影響がもたらされます。その年代で行った方がはるかに効率がいいのが学習です。

    中年のオッサンになってしまった我が身との比較で、同年代やそれ以上の人で大学に通っている人や新しいことをどんどん吸収している人を見ると本当に尊敬します。若い内に学んでおくに越したことはありません。

    学校に行くべきかどうかは賛否両論だとは思いますし、それはどちらでも構わないような現代社会だとは思いますが、学ぶこと自体を否定するのには反対します。間違いなく年取ってから学ばなかったことを後悔すると思いますし、また、後悔しないとしたらそれはそれで、

    https://hrsgmb.com/n/n4becab43f535

    以前、このnoteに書いたように、学ぶことの大切さを次世代に教えるかどうか、ということの格差を生んでしまうと思います。

  • 脱炭素と脱原発の矛盾(ついでの脱軍事も)

    アメリカとイランの緊張関係によって、イギリスのような同盟国を巻き込んだホルムズ海峡危機が訪れつつあります。

    イラン籍とみられる船舶、ホルムズ海峡で英タンカーに接近=米高官
    https://jp.reuters.com/article/gulf-uk-tanker-iran-usa-idJPKCN1U607W

    日本も対岸の火事ではなく、アメリカの同盟国である点と、中東の石油に依存している点で二重の意味でホルムズ海峡危機の当事者です。

    米からの有志連合呼びかけ、緊密にやりとり=中東情勢で官房副長官
    https://jp.reuters.com/article/japan-usa-tanker-idJPKCN1U60AY

    アメリカがタンカーの護衛はそのタンカーの関係国が行うべきだという方針を出してきましたが、アメリカが本当にこの方針を貫くのであれば、日本は自衛隊を日本のタンカーの護衛に差し出さざるを得なくなります。

    それが憲法解釈上で可能なのか、また国民感情的に可能なのか、参議院選挙を目前としてとんでもない問題が出てきましたが、現在の日本社会・経済を構成するシステムを鑑みるに、中東からの石油を完全に無くすわけにはいきません。

    サウジアラビアなんかは紅海やインド洋側、すなわちホルムズ海峡を通らないルートで直接輸出できる設備を作っているそうですが、日本が輸入する石油の全てをそこから出すわけにもいかないでしょう。サウジアラビア以外の中東の産油国からも輸入しているわけですから。

    かといって、中東以外の産油国からの輸入を急に増やすのも難しいはずです。日本以外の国も似たようなことを考えれば、ロシアやインドネシアのような非中東の産油国からの石油の値段が上がるはずですし、ベネズエラなんかはそもそも政情不安が続いています。

    国家戦略的に、自衛隊がタンカー護衛に回らざるを得なくなると相当な政治的インパクトがありますが、じゃあ石油の輸入を大幅に減らしても回っていく社会システムにするには、まず火力発電の代替となる原子力発電が必要となってきてしまいます。

    この時点で、地球温暖化対策のための脱炭素と、放射能汚染を防ぐための脱原発の間で矛盾が生じてきてしまいます。同時に、脱軍事(タンカー護衛を否定)と脱原発の両立も出来なくなります。

    さらに、石油の輸入が途絶えたり価格が値上がりすると、自動車での移動に依存する地方での暮らしに大きな悪影響が出てきます。電気自動車や公共交通を一気に地方に普及させることも不可能です。

    脱炭素・脱原発・脱軍事の間において、子どもでも分かるようなジレンマ(あるいはトリレンマ)が簡単に見つかるわけですが、簡単な解決策はありません。

    環境保護の観点からはクリーンエネルギーを使えば良いという主張があるでしょうが、太陽光発電や風力発電などの自然を元にした発電方法は効率が悪く、かつ供給が安定しません。

    https://hrsgmb.com/n/n1f1cd1e5968b

    さらに、クリーンエネルギーの発電施設を新たに建設するにはさらに大量の資源と電力が必要となる矛盾も存在します。この辺の問題の解決策とまでいかなくても、現状認識をせずにひたすら理想だけ語っていても、賛同する人は増えないでしょう。

    その一方で、その逆側の人たち、すなわち化石燃料を大量に消費し、原発を推進し、軍事行動も辞さないという考えも長期的にはデメリットの方が大きいです。

    中東の石油依存が改善されず、原発の利用によって核廃棄物の処理を未来にまで残し、軍事行動によって中東の安定化が遠のくという長期的な結果が目に見えています。はっきりしたデメリットに目をつぶり、現時点でのメリットだけを享受するのも問題ですし、そもそもデメリットの認識すら怪しいところです。

    こういった理想と現実の偏った選択は結局双方向的な議論にまで発展できず、相手を感情的に罵って終わります。友好的で有効的な意見交換が出来ないまま、今後も事態が推移していく見込みを感じるのは残念なことです。

  • Jリーグに新国立競技場はいらない

    後藤健生氏の記事に「パナソニックスタジアム吹田」という文字がちらっと出ているので反応してしまいましたが、新国立競技場の取扱いについては最初から最後まで失態続きのようです。

    やっちまったな、新国立競技場。五輪後改修せずで、負の遺産化懸念
    https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/other/2019/07/12/___split_33/index.php

    そもそもは建築案で一度採用したザハ案を取り止めにしたことから始まり、建築費用が当初の予定よりも高くなったり(公共建築物ではよくあることですが)、五輪後の利用方法については陸上トラックを撤去して球技専用スタジアムにすることでJリーグで日常的に使用するという方向で決まっていました。

    しかし、上記記事にあるように、五輪後も陸上トラックを存続させて、球技専用スタジアムではなく陸上兼用とするという方向に転換しました。

    陸上で使いたいなら使えばいいんじゃないと思いますが、問題は陸上でのまともな大会なら必ず必要なサブトラックが新国立競技場には存在しません。東京五輪では仮設で対応するだけで、五輪後に陸上トラックを残したとしても、子どもの遊びのような大会ならともかく、普通の陸上競技大会ではサブトラックがないので新国立競技場を使用できません。何のために残すんでしょうね。

    サッカー側としても、陸上トラックを残して球技専用スタジアムではなくなる、ということであれば積極的に使用する理由がなくなります。莫大な維持費を考えるとあえてJリーグクラブのどこかがホームスタジアムとして使用する可能性も低いはずです。そもそも前の案でもFC東京や東京ヴェルディがホーム移転するということも決まっていたわけではありません。

    かつての国立競技場では天皇杯決勝やナビスコカップ決勝、ゼロックススーパーカップが行われていましたが、箱の大きさのためではなく中立地になることと東京の真ん中にあるからという理由が大きかったはずです。この新国立競技場も中立地かつ東京にあることを理由にそれらの試合で使うことは充分あり得ますが、逆に言うとそれら以外の試合で使う可能性が非常に低くなります。何せ、莫大な維持費を賄うために使用料も高くなるはずで、特別な試合以外、すなわちリーグ戦などで使用するメリットがJリーグ側には存在しません。

    ではJリーグではなく代表戦での使用はというと、こっちの方がまだ使用可能性は高いです。交通至便ですから観客動員も見込めます。ただ、特に外国人監督の場合にあるのが、球技専用スタジアムによってもたらされる観客の圧力をホーム開催の利点としたい、という理由で、さいたまスタジアム2002をW杯予選のようなガチンコの試合で利用することを望みがちです。確かジーコは間違いなく言っていたはずです。その後もW杯予選は埼スタで行われていますから、今後の代表監督も同じことを要求するのではないでしょうか。キリンカップなどの強化試合であれば新国立の出番もあるでしょうが、そうなると満員になるとは限らず、結局新国立でやるメリットも薄れてしまいます。

    陸上界にもサッカー界にも望まれていない鬼っ子のような立場になる新国立競技場ですが、いっそのこと屋根をつけて、完全に多目的ホールとして使用すればいいのではないでしょうか。

    確か山手線内には数万人が入るようなこれほどの大きな箱は東京ドーム以外になかったはず。東京ドームもだんだん老朽化していますし、ここらでいっちょ、デカい屋根付きのホールを作っちゃいましょう。

    大阪には京セラドーム大阪と大阪城ホールが中心にありますが、山手線内の大型ホールは人口比率や商業規模を考えると明らかに不足している気がします。

    多目的ホールにするなら陸上トラックも天然芝も要りません。アスファルトやコンクリ打ちっぱなしの床でも別に構わないでしょう。スポーツで使う場合は人工芝を持ってくればいいんじゃないですかね。使うところがあるか分かりませんが。

    それよりも、ライブ・コンサートに利益の軸足を移しつつある音楽業界にとっては、使い出があるホールになるでしょう。周辺への音漏れや振動対策は必要でしょうけれど。

    とりあえず、オリンピックスタジアムを五輪後もスポーツで使わないといけないという理屈はおかしいはずです。どこも使いたがらないようなスタジアムをそもそも作るなって話です。使うために作るのではなく作るために作るという、日本のハコモノ事業のテンプレのような展開をたどっている新国立競技場です。多目的ホールとしても使えないのであれば、更地にしてホテルかマンションでも建てた方がマシでしょうね。