カテゴリー: 未分類

  • スタジアムまでのルート選択

    ガンバ大阪のホームスタジアム、パナソニックスタジアム吹田に最寄り駅から行くルートはいくつかあります。

    最も近い大阪モノレール万博記念公園駅からは、クラブ推奨の階段越えルートの他に、足の不自由な方向けのモノレール・高速沿いルートもあります。また、JR茨木駅からエキスポロード・万博陸上競技場を経て向かうルートや、JR千里丘駅からずっと坂道を登ってくるルートもあります。

    ただ、前述のように基本的には最初の階段越えルートのみクラブ推奨となっています。言い方を変えると、他の行き方はどれも問題があります。

    モノレール・高速沿いルートは途中でEXPOCITYの駐車場に入る道路と交差しています。ここでは信号がないため、EXPOCITYの警備員の方が歩行者と自動車を交互に通していますので、大量の観戦客が通ると問題になります。

    茨木駅からのルートは時間がかかり遠いのであまり選ぶ人はいないと思いますが、マナーの悪い人がエキスポロードではなく住宅街の生活道路を自転車で通ることもあるようで、生活道路出あることを示す立て看板が立てられています。多分、イオンに行く時に通行してしまう人や車が多いのだと思いますが。

    千里丘駅からのルートはJRの駅からいく場合は岸辺や茨木に比べると近いのですが、途中から歩道のない住宅街の道路を歩き続けることになります。バスや自動車とのすれ違い時にも注意が必要です。

    こういった問題があるので、ガンバ大阪としては推奨ルートを定めているのですが、そもそも推奨ルートが一番楽であればこういった問題自体が起きないはずです。一番の問題点は、この推奨ルートが長い階段を上って降りて駐車場を遠回りしてようやくスタジアムにたどり着く不便なルートになっているところです。

    だからといって万博記念公園駅からスタジアムまで、ショートカットして最短でたどり着くような道を今さら作ることは出来ません。EXPOCITYがありますし、年間20日くらいしか使用されない道というのも合理性に欠けます。

    というわけで、今年からは推奨ルートを「パナソニックロード」と称して、途中、階段を上りきったところにある広い場所にてブースを設けてスタジアムで使用できるクーポンをプレゼントするイベントを毎試合(J1ホームゲームのみ)行うようになりました。

    イベントやパナソニックロードについての記事がこちらですが、当然のことながら、推奨ルート以外のルートの問題点については書かれていません。

    観戦へのワクワク増に工夫。
    ガンバ大阪の『パナソニックロード』とは
    https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2019/11/18/___split_98/

    先日には日本代表の試合がありました。ガンバの試合ですと近所から歩きや自転車で来る人もいるでしょうし、そういうことならしょうがないでしょうけれど、代表戦では遠方から来る人の割合も高いはずです。どのように推奨ルートに誘導したのか分かりませんが、推奨ルート以外の道をたどると色々なところに迷惑がかかりますので、止めておきましょう。

    最寄り駅からそこそこ歩くスタジアムは豊田スタジアムとかエコパとか埼玉スタジアムとかありますが、それらは駅を降りてから一本道で最短ルートなのでいいのでしょうけれど、パナソニックスタジアム吹田の場合はちょっと複雑ですよね。行ったことないのですが確か川崎の等々力も住宅街を通るはずです。

    フロンターレのホームページを見ると、Googleマップ上で最寄り駅からの徒歩ルートを示していますね。

    川崎市営 等々力陸上競技場
    https://www.frontale.co.jp/access/todoroki.html

    ガンバ大阪サポーターとして、近隣住民の方々の迷惑にはならない観客になるべきだと思いますが、数が多くなるとそれに比例してマナー違反をする人も増えるでしょうから、上述のイベントのような推奨ルートを通るモチベーションを増やす施策は続けていって欲しいものです。

  • 最近noteがサイレントアップデートしてない?

    noteのサービスが何か変更されたときには、note公式アカウントから発表があるはずなのですが、最近、いろいろと細かい変化があったような感じがします。

    一つは、画面上部にあるベルのマークで新規フォローの通知が表示されていたのですが、それがなくなったことです。
    今年6月中頃に突然フォロワーが増えて困惑したのですが、どうやら新規アカウント作成時におすすめされるままにフォローしている人の分が増えているらしいと推測したということがありました。

    https://hrsgmb.com/n/nc1f58a6ecbd9

    それから、毎日数十件の新規フォローがあり、この通知エリアにも表示がされていたのですが、それが無くなりました。

    はじめは、新規登録者のおすすめから私のアカウントが外れてしまったのかな、残念だけれどしょうがないか、また少しずつ増えればいいかな、と思っていましたが、合計のフォロワー数を見るとやっぱり増え続けていたので、多分新規フォローの通知だけが無くなったのだと思います。どういう理由かは分かりませんが。

    あと、ダッシュボードで例えば週での表示の場合、直近一週間の表示が表示されている状態で、次の週の分を表示させると、今日を含めた未来の一週間が表示されるので、事実上、今日一日分のデータが表示されていたのですが、それが今日を含めない未来の一週間のデータが表示されるようになってました。

    むしろ以前の方がバグで今の方が正しい動作のような気がしないでもないですが、これもサイレントアップデートなんですかね。

  • 2019年11月23日J1リーグ第32節ガンバ大阪対ベガルタ仙台試合観戦の感想

    寒い日と寒くない日が頻繁に入れ替わる季節の中で、この日は朝から快晴でした。

    ガンバは前節にアウェイで大分トリニータに逆転負けし、勝てば7位も狙える位置に行けたチャンスをみすみす逃してしまいました。それでも他のクラブも負けたために9位のポジションは変わらず、今日の仙台戦を迎えました。勝てば自力で残留確定。それは対戦相手の仙台も同じですが、勝ち点38を得ている両チームとしては16位とは勝ち点差が7あり、緊張感はあれど悲壮感が無い中での残留争いチーム同士の6ポイントマッチとなりました。

    画像1

    10月の川崎戦で怪我をした倉田が久しぶりに登録メンバーに復帰しベンチ入りです。ガンバは大分相手に通用しなかった、遠藤・矢島・井手口の中盤が仙台相手に通用するかどうか、また、4月のアウェイゲームで長沢に終了間際に決められた雪辱を果たすことができるかどうか。

    いざ、前半キックオフ。

    早い時間にいきなりロングボールの処理をヨングォンが誤り、長沢が東口と一対一になりましたがシュートは枠を外しました。ああいうシュートはガンバの時によく決めていた印象があったんですけどね。長沢はその後にもヘディングシュートが枠を捉えて東口のセーブもあり、序盤は仙台ペースのような感じでした。

    仙台は前からはめてくるような感じが少ししましたが、そこまで徹底されていた感じはなく、特に遠藤に対するプレスはあまりない感じでした。むしろ前線で宇佐美が持ったときのシュートへの警戒の方が気になりました。

    前半の半ばくらいからはガンバが落ち着いてボールを回し始め、攻め手はあるものの最後の精度を欠きゴールは決められず。湘南戦では遠藤と宇佐美の距離が近いときにゴールが生まれましたが、この試合ではアンカー固定気味の遠藤と最前線かサイドに流れる宇佐美のため、相手ゴール前でのコンビネーションが生まれません。

    ただ、左や中盤にいる宇佐美から右サイドでフリーになる小野瀬へのロングパスが何度も通り、即クロスにつながるのでチャンスは数多かったですね。

    ハーフタイムのガンバの交代は無く、同じくガンバペースのまま進みます。前半よりも井手口が攻撃に絡むシーンが多く、右にいる井手口から左の藤春への低空ロングパスが何度も通っていたのは見ているだけで面白かったですね。

    そんな中、仙台が長沢を下げます。前線でのハイボールをことごとく三浦に競り勝っていた長沢が下がったことでこれはむしろガンバにとっては楽になるかも、と密かに思っていたら自陣でボールを奪った宇佐美が独走しそのままゴール。これで3試合連続ゴールですね。今さらながら調子が乗ってきたようです。

    そしてその数分後には仙台DFラインが緩慢に崩れたところを宇佐美が背中越しのラストパス。受けたアデミウソンが落ち着いてGKをループでかわして決めました。

    その後もエリア内でアデミウソンが倒されたり、パトリックのプレゼントパスを受けたスサエタがすわ初ゴールか、とサポが腰を浮かすレベルのチャンスを決めきれず、こぼれ球を藤春が何で?と言うレベルで外してしまいそのまま試合終了。

    画像2

    ガンバはこれでJ1残留を自力で決めました。一方の仙台も、湘南が引き分けて松本が負けたために、16位と6ポイント差になりました。理論上は残留が決まっていないですが、16も離れている得失点差があるので実質的には残留ですね。

    画像3

    しかし、見方を変えるとハーフタイムの時点でガンバ・仙台ともにこの試合を引き分けで終えれば残留が確定していたわけで、お互いに積極的に攻めないという談合じみたことだって理屈上はあり得たわけですから、この時期の試合は同時刻キックオフでもいいんじゃないかと思います。もちろんラスト2節は同時刻キックオフですが。

    画像4

    試合後はレジェンドマッチとして懐かしい面々が、現役さながらの姿の人もいればそうでない人もいましたが楽しいプレーを見せてくれました。負けていたり降格圏の中でのイベントということでなくて良かったです。

    画像5

    さてガンバは9位をキープし、8位の札幌とは勝ち点差2、7位の大分とは勝ち点差6です。前節がなんとももったいなかったですが、残り2試合の目標としては2連勝&8位といったところですね。次節はホーム最終戦ですのでまずは松本相手にきっちり勝ってほしいものです。

  • ショートショート「砂時計コレクター」

    「月刊コレクターズ」誌の取材記者兼カメラマンである私は、今日は砂時計コレクターの取材のために、とある郊外の一軒家を訪れた。大きな屋敷だった。
     ベルを鳴らすと、恰幅のいい、五十歳くらいの主人が現れた。

    「電話を下さった記者の方ですね。ようこそ、遠いところまで。どうぞお入り下さい」

     私も挨拶をして中に入った。すぐにコレクション部屋に通してもらうと、そこには無数の砂時計があった。古今東西、大小さまざまな砂時計に囲まれながら、私は主人へのインタビューを行った。
     写真も撮り、今日の取材が一通り済んだところで、主人のもてなしを受けた。コーヒーを頂きながら、ふと、部屋の片隅にある小さな戸棚に目がとまった。

    「あの、あそこの戸棚にも砂時計があるんですか?」

     私が指さしながら訪ねると、主人は嬉しいような困ったような顔をした。

    「ええ、あることはあるんですが……。ま、見てもらいましょうか」

     そう言って私を戸棚の前にいざなった。小さな扉を開けると、中には三つの小さな砂時計が鎮座していた。
     左のものは、中の砂が赤茶色をしていた。主人に断って手に取り眺めた。

    「それは、私が若い頃に、小豆相場で大儲けしたので、それを記念して作った戦利品のようなものです。中身は小豆の粉末です。防腐処理はしていますが」
    「小豆で時を計れるのですか?」
    「いやいや、あくまで記念品ですから。使うことはないので別に不正確でもいいのですよ」

     なるほど。真ん中の時計は透明ながらも光り輝く粉末だった。

    「それはダイヤモンドの粉末です。かつて、ダイヤの取引を中心にして宝石業で財をなしたのでね。ただし、ダイヤのカット作業で出る屑を利用して作ったので、タダみたいなものなのですよ」
    「なるほど、これもいわば戦利品ですね。そして最後は……」

     右の砂時計の中身は、真っ白な粉だった。

    「あの、これは中身は何ですか?」

     私が手に持った砂時計を見ながら、主人は困った顔をした。その時、玄関で物音がした。すぐにコレクションルームのドアが開いて、若く美しい女性が現れた。

    「あなた、ただいま。あら、お客様?」

     どうやら奥さんのようだ。すぐに彼女は部屋を離れたが、私は主人を見たところ、それを二人の年齢差への疑問と解したのか、主人は照れくさそうに答えた。

    「二人目の妻なんですよ」
    「そうですか。一人目の方とは離婚なさったんですか?」

     言ってからすぐに私は調子に乗って余計なことを言ったと思い後悔した。だが、主人は怒る風もなく、私の手元を見て言った。

    「いえ、一人目は、あなたが手に持っていますよ。骨だけですが」

     やはり余計な発言だったようだ。

  • ショートショート「ゴミ処理」

    「諸君、この町に溢れるゴミは、もはや問題にするには余りに過ぎた状態である。一刻も早い対処が望まれる、との市長の厳命だ」
     市庁舎の別館の会議室に、初老の男の声が響きわたった。
    「市長って例のコンピュータのやつでしょ。あんなのに市政の何が分かるってんですか」
     最初の発言者よりもいくらか若い男が、横柄な口振りで応えた。
    「環境課長のタナカ君か。慎みたまえ。市長は市長だ。法律と市民の合意で決まったことなのだから、敬意は表すべきだ」
     議長役の初老の男がたしなめた。
    「議長、ともかく市長は市内のゴミ処理をお望みなのでしょう?」
    「ああ、そうだ。早期の処理を命じられた」
    「だったらその厳命を生かして、さっさと処理業者の選定や施設の建設をどんどん進めちゃいましょうよ」
    「なるほど、早急な処理であれば、多少は予算が膨らんでもかまわない、ということなのだな」
    「そうです。廃棄物処理や施設建設のための入札なんか、うまくやれば我々役人への実入りも……」
    「こらこら、そういう事は露骨に言うものじゃないよ。全部言わなくても、ここにいる面々なら分かってるさ。魚心あればなんとやらだ」
    「それで得た金や、あるいは業者に出させた金で票を操って、次回の市長選挙であのコンピュータ市長を追っ払っちまいましょう」
    「そうだな。奴が来て厳格な市政とやらを実行されたおかげで、我々には正規の収入しかなくなってしまったからな」
    「コンピュータなんかじゃなくて、やはり我々の話が分かる市長でないと」
    「選挙で落選となれば、今の市長こそがゴミになるわけですね」
    「はっはっは、上手いことを言うじゃないか、なあ議長……おや、いないぞ」
     密談とも言うべき会議に夢中になっていた面々は、話が一段落付いたところでようやく異変に気が付いた。
    「あれ? 確かにいませんね。それに何だか変な音がしませんか?」
    「うん? 外か?」
    「何かの工事みたいだな……、いや、違う! この別館を工事服の男が取り囲んでいるぞ」
    「どういうことだ? まるでビルの爆破解体を……」
     役人の発した声は、別館が崩れ落ちる音にかき消された。

     さっきの会議の議長役だった初老の男は、爆破解体を見届けた後、電話で話していた。
    『市長ですか? はい、そうです。懸案の、市内に溢れるゴミの処理が終わりました。はい、はい……はい、明日までに報告書を提出いたします。はい……、それでは失礼いたします』
     電話を切った男は、瓦礫の山と化したかつての市庁舎別館を眺めながら、呟いた。
    「君達、すまないな。知らぬ間に会議を抜け出して、結果的に騙したことになったのだから。君達はこの街に巣くうゴミだったかもしれないが、君達を葬り機械に従属する私は、果たして……」
     男は力無い足取りで歩き出した。その瞳は、濁っていた。

  • フードロス問題における「このあとスタッフがおいしくいただきました」

    食べ物を無駄にしてはいけない。

    子どもでも分かる理屈ですが、世の中においてはまだ食べられる食品・食材が容赦なく捨てられていきます。いわゆるフードロス問題といわれるものですが、もちろんあらゆるフードロスを完全なゼロにするということは出来ないでしょう。どの家庭でもついうっかりして賞味期限を過ぎてしまって捨てざるを得ない、ということは起こり得ることです。

    そういったついうっかりというレベルではなく、構造的に捨てることが一連の流れになっているのが問題視されています。具体的に槍玉に挙がったのがコンビニでの廃棄です。決まった時間が来ればルール通りに弁当や惣菜を捨てています。永遠に置けるものではないにせよ値引き販売もせずにすぐに捨てることや、そもそも半ば強制的に本部がチェーン店側に仕入れさせていることが、より大きな問題とされました。

    最近では一部のコンビニで値引き販売や仕入れに関しての裁量を認める動きもあるようですが、それがコンビニ本部の利益を圧迫するようであれば上手く行かないでしょう。どこまで折り合えるかが問題ですが、コンビニだけがフードロスの原因ではないはずです。それこそ街中にある大手チェーンだけではなく個人営業レベルの飲食店でも毎日食品・食材は廃棄されているはずです。

    こういった直接的にフードロスが起きている店舗での問題の他に、社会的な影響力が強い大手マスメディアでの振る舞いも注目されます。

    よくあるのが、テレビの主にバラエティ番組で見かける

    「このあとスタッフがおいしくいただきました」

    というテロップです。

    バラエティ番組の中で例えばハチャメチャな料理を作ったり、食べ物を使って何かゲーム的な事をしたりした時、その途中や最後に表示されますが、世の中の全てのテレビ番組で出てくるわけではありません。ほぼバラエティ番組でしか見かけないものです。料理番組で料理を作った後に表示されることはないはずです。きちんとした料理なのだから食べるのが当然だと思われているのかも知れません。

    あるいは、ドラマでも料理が出てくるシーンは多いはずです。ドラマの内容に関係ないテロップを途中で出すわけにも行かないのかも知れませんが、それはそれでバラエティ番組でも同じはずです。テレビ業界においてドラマ番組>バラエティ番組という格付けでもあるのでしょうか。

    バラエティ番組では食べ物を粗末にするからわざわざあんなテロップを出す必要があるけれど、料理番組やドラマ番組では粗末にしないので出す必要が無い、という暗黙の了解があるような気がします。食べ物を視聴率の道具に使っているという点では同じだと思うのですが。例えば、ドラマで夫婦げんかで料理をひっくり返したり飲み物をぶっかけたりするシーンも食べ物を粗末にしている点では同じはずです。だからといってそのシーンに被さるように

    「このあとスタッフがおいしくいただきました」

    というテロップが出るわけありませんね。そのままゴミになるはずです。

    なぜバラエティ番組でだけこのようなテロップを出すのでしょうか? もういっそのこと、あらゆる番組の冒頭と最後に、

    「場合によっては食べ物を粗末に扱うシーンがありますがそのような行為を推奨するものではありません」
    「食べ物を粗末に扱うシーンでは全て本物の食材ではなくロウ細工のものを使用しています」

    という表示を出すようにしてしまえばいいんじゃないでしょうか。一部の番組でだけの対応というのはあまり良くない気がします。ただ、こういう表示は常に見ているとみる側の感覚が麻痺してしまって、出す意味がなくなってしまいがちです。すでにバラエティ番組での上記のテロップもそんな感じだと思うので、あんまり意味ないんじゃないですかね。実際にどうなっているのか視聴者側には全く分かりませんし。

  • パソコンを持ち歩かなくてもいい時代が来つつある

    先日、MicrosoftがWindowsのクラウドサービスを正式リリースしました。

    Windows Virtual Desktop
    Azure で提供される、最適な仮想デスクトップのエクスペリエンス
    https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/virtual-desktop/

    当然ながらMicrosoftのクラウドコンピューティングサービスである、Azure上で提供しているものですが、Azure上で仮想化されたWindowsを使用できるサービスです。

    あくまで法人向けサービスであり、個人が利用するようなものではありませんが、昔から合ったシンクライアントがより本格的に大企業で利用される契機になるかも知れません。

    これまでのシンクライアントはオンプレミスのサーバ上で動いているWindowsにアクセスして処理はサーバ上、画面表示はクライアント側で見せて利用する者でした。しかしこのWindows Virtual Desktopによって、いつでもどこでもネット回線さえつながっていれば、仮想Windowsに接続して使えるようになります。

    Windows Virtual Desktopから考えるPC利用スタイルの変化 – 阿久津良和のWindows Weekly Report
    https://news.mynavi.jp/article/20190325-windows10report/

    ということで、クライアント側のパソコンはぶっちゃけ何でも良くなります。高速通信環境が使えて、画面表示で遅延しないレベルのマシンであればOSを問いません。このWindowsのクラウドサービスの出現によって、MacBookやChromeBookをWindows端末に出来るようになるという記事がありました。

    「Windows Virtual Desktop」登場で「Mac」「Chromebook」が爆売れする?
    https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1910/15/news07.html
    仮想デスクトップをサービスとして提供するDaaS(Desktop as a Service)と、ノート型デバイス「Chromebook」や「MacBook」、さらにはタブレット「iPad」は、ぴったりの組み合わせだ。

    安いChromeBookや端末管理しやすいMacBookを使い、Windowsが必要な人・場面のみWindowsのクラウドサービスに接続して利用する、という使い方をする企業も当然出てくるでしょう。それであればWindowsのライセンス数も抑えることが出来ます。

    シンクライアントという考え方は、全ての処理を手元にある端末で行う必要がなくて、手元の端末では苦手な処理はネット越しのハイスペックマシンで行い、結果表示だけを手元の端末で管理出来ればいいというものですが、これがネット越しの「クラウド上のサーバ」に替わるわけです。

    動画や音楽、高解像度の写真編集などでは大容量のデータを扱いますので、ネット越しの処理がまだまだ現実的ではないかも知れませんが、5G時代が来ればデータ送受信のスピードは飛躍的に上がります。5G通信によっていつでもどこでも手持ちのシンクライアント端末からAzure上の仮想Windowsマシンにアクセスして作業をして、作業が終われば接続を切り、端末もスリープさせる、というのがビジネスマンの外でのPC利用のスタンダードになる時代が来るかも知れません。

    さらに進めば個人利用もあるかも知れません。手元にあるデジカメから抜き出したmicroSDカードをiPhoneに接続し、iPhoneから5G経由でクラウドにアップロードして、それをリモート接続した自宅のMacでダウンロードして編集し、再びクラウドにアップロードして手元のiPadでダウンロード(あるいはクラウドのまま)して編集後のデータを確認する、ということも大して手間を取らずに出来るようになります。

    今はまだ個人で利用するサービスではないですし、5Gの本格運用もまだまだ先の話ですが、リモート接続先のPCで重い処理をする、というのは今でも個人ベースで問題なく利用可能です。

    ノートパソコンやタブレットなどで外出先から自宅のマシンに接続して、手元の端末では出来ないことや難しい作業をネット越しに自宅マシンで行い、それはリモート接続している端末で画面表示しつつ操作する、というのはそれなりの通信速度があれば可能です。

    先日、こんなnoteでモバイル端末をiPadにしてしまう、ということを書きました。

    https://hrsgmb.com/n/nb752d9d65b56

    これはファンレスのMacBookがなくなるということで書いたものですが、モバイル端末という考え方では結果的に近くなります。モバイル端末よりもハイスペックなマシンが自宅にあるのであれば、外出先からは自宅にアクセスして使えばいいのです。

    iPadから自宅のMacにリモートで接続してしまえば、MacBookなどのノートパソコンを持ち歩く必要は無くなる。

    パソコンでないと出来ないことやパソコンの方が向いていることはまだまだ多いですが、パソコンを持ち歩いて手元に置いておく必要性はないということです。

    自宅マシンと比べると画面サイズが小さくなる可能性が高いですが、SF映画みたいな三次元のホログラムのようなスクリーンが実現すればサイズの問題は解決しますかね。

    そんな夢みたいな話でなくても、自宅のメインPCでしか処理出来ないことというのはそんなに無い気がします。データ管理も今後はますますクラウドストレージよりになるでしょうし、ソフトウェアもブラウザやモバイルアプリ上でパソコンソフトと同様の事が行えるものも増えてきました。モバイル端末のスペックの進化は言わずもがなです。個人ユースでパソコンがないとダメ、という用途も減っていくでしょうから、モバイル端末がいつでもどこでもメイン端末になる日はそう遠くないのではないでしょうか。

  • ショートショート「法律違反」

     私は目を疑った。
     しかし、目の前の光景は現実である。
     あの、憧れのアイドル歌手が、酒を飲んで酔っ払っているなんて……。
     赤い光に照らされ、窓ガラス越しにうつる顔は、テレビやグラビアでは決して見ることが出来ないものだった。
     何より、彼女はまだ十九歳だったはずである。明らかに違法行為だ。
     私は意を決して声をかけた。
    「あのう、すみません。あなた、ひょっとして、アイドルの……」
     憧れの乙女は、ほろ酔い気分の緩んだ声で答えた。
    「あれ、バレちゃった?」
     何ら罪悪感は覚えていない様子だった。
    「でも確か、君って十九歳だったんじゃ……」
     彼女は、再び私の言葉をさえぎって、今度は剣呑な目つきになって言い返してきた。
    「ああ、そうよ。アイドルとしてはね。悪かったわねえ、歳サバ読んで。ホントは二十一歳よ。だからお酒飲んでもいいの。これくらいのウソ、別に珍しくないわよ。アイドルが歳ごまかしちゃいけないっていう法律なんて無いでしょ!」
     確かにそうだ。そんな法律は無い。だが、私は彼女に圧倒されながらも、自らの職務を思い出して、気だるそうにハンドルにもたれかかる彼女に告げた。
    「ええ。でも、酒を飲んだら運転しちゃいけないっていう法律はあるんですよ。はい、この袋に息を吐いて。あと、免許証見せてくれる?」

  • 安倍内閣の長期政権の理由と野党の対策

    安倍首相の在任日数が、ついに歴代最長となりました。

    安倍首相 在任期間歴代最長 通算2887日に
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/k10012183471000.html
    安倍総理大臣の在任期間は20日で通算2887日で、桂太郎元総理大臣を抜いて憲政史上最長となりました。

    理由・原因は色々あると思います。直前の民主党政権(鳩山・菅・野田)時代の混乱や不満に対するカウンターがあったとことか、北朝鮮情勢の緊迫、韓国や中国との外交姿勢、失業率の改善、トランプ大統領との関係性などなど。

    しかし、安倍内閣の支持率世論調査において、一番多い支持理由が「他に代わりがいない」というものである以上、あまり盤石の政権とも言えない状況です。

    安倍内閣支持率、4ポイント増の48% 時事世論調査
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111500811&g=pol
    内閣支持の理由(複数回答)は「他に適当な人がいない」23.0%、「リーダーシップがある」13.1%など。

    内閣批判の手法がもはや陳腐化してしまい世間に呼びかける影響力を失っている野党が力不足なのは確かにそうなのですが、それだけではなく自民党内に取って代わる人がいない、ということでもあります。

    その一つの理由としては、今の自民党にはかつてのような派閥が存在していないことがあるはずです。勉強会や研究会の名前で派閥っぽいものは存在しますが、昔は勉強会とは言っても事実上の派閥であり、複数の派閥を兼ねて入っていたり簡単に移動することが難しかったのですが、今は結構ゆるい組織になっているようです。

    かつての派閥は、その派閥の大将を総理にするために団結や結束を求められていました。時代の移り変わりもあるのでしょうけれど、今はそれほど派閥の締め付けも無く、総裁ー幹事長のラインの影響も大きいみたいです。結局は議員も選挙に勝つことが必要であり、大半の自民党議員にとっては国政選挙では負けない安倍内閣を支持する理由となるでしょう。

    自民党内の派閥抗争が最も激しかった1970年代では、佐藤内閣の次の田中内閣からは1,2年程度でコロコロと総理(及び自民党総裁)が代わっていました。田中→三木→福田→大平→鈴木と続き中曽根内閣が5年持ったところで短期政権の連続は途切れましたが、その後はまた竹下→宇野→海部→宮澤と比較的短期の政権が続いたところで自民党から大量の離脱者が出て細川政権が誕生したという歴史があります。

    かつては派閥抗争によって総理が代わっても自民党が政権を維持できていたのですが、今の時代は総理が代わると政権も失うかも知れない、という危機感が安倍内閣の自民党内の支持をもたらしていると思います。

    中選挙区から小選挙区に代わったことも派閥の長より幹事長の影響力が強くなった理由にはなるでしょうけれど、それを強引に実行したのが今は野党にいる小沢一郎だったというのも皮肉な話です。

    安倍内閣が三選で終わるのか四選を目指すのか、おそらく直前までは分からない状況が続くと思いますが、レームダック化をどうやって避けるか、というところも問題です。桜を見る会のスキャンダルも政権転覆に至るほどのインパクトは無いと思いますが、さらに他の問題も出てきたりしたら支持率も下がってボロボロになるかも知れません。ボロボロになって政権が崩壊する前、あるいは東京オリンピック終了後にサッと辞任する可能性もあるのではないかと思います。

    そこで終わり、というわけではなく、再々登板という含みを残して、次の政権が上手くやれなければ三度、首相の座に就くこともあり得るのではないでしょうか。少なくとも、年齢を考えればおかしくはありません。

    そんなことを部外者が妄想していても、結局は選挙で負けない限りは辞めることもないでしょう。衆院選は遅くとも2年後の2021年にはあるはずですが、その前に解散総選挙に打って出ることもあり得ますが、改憲のためには参院での議席確保も必要です。それを考えると四選を行って2022年の参院選までやる可能性もあり得ますが・・・。

    ともかく、野党・反安倍陣営は安倍総理本人をどれだけ叩いても政権は崩壊しないことを自覚した方がいいと思います。安倍政権の権力の源泉は自民党議員を勝たせる国政選挙での強さであり、選挙や内部抗争で議席数が減らない限りは政権は続きます。そしてその負けない政権を国民が支持し続けるという循環が出来上がっています。そこにくさびを打ち込む戦略が必要なのですが、むしろ野党が分裂したり議席を食い合ったりしている現状では何も変わらないんでしょうね。

  • パソコンマウスについての悩み〜自分的マウス考〜

    今は有線マウスよりも無線マウスの方が使用率としては高いのでしょうか?

    オフィスではさすがに有線マウス、というか安いマウスが多く利用されているかと思いますが、個人使用ではまあ無線の方が使い勝手を考えるといいですよね。今はIT機器のライトユーザーはパソコンではなくスマホ・タブレットやノートパソコンを使いますので、タッチパネル・タッチパッドで事足りるケースも多いかと思います。そんな中でもマウスを使うPCユーザーというのはそれなりにこだわりを持っているはずですから、安さ重視のマウス選びはしていないはずです。

    そうなると、利便性・操作性・快適性などで検討して数千円あるいは1万円前後のマウスを利用している人も結構いるかと思います。特に今はBluetoothでの接続がmacを中心に使いやすくなっています。Bluetoothもかつては接続がブチブチ途切れたり、そもそも認識されなかったりということが多かったですが、個人的にはBluetoothのバージョン3.0くらいからはそれなりに使い物になってきたと思っています。

    そのBluetoothでマウスを接続してしまえば、PC本体のUSBポートを占有することもなく、コードの取り回しの煩わしさも無くなります。欠点としては充電や電池交換が必要なことですが、リチウムイオンバッテリーの性能向上や省電力化によってそれほど手間もかからない時代になりました。

    それでも、私は自宅のMacでは有線マウスを使っています。キーボードはMagicKeyboardでさらにMagicTrackpad2も一緒に使っていますが、トラックパッドだけだと操作しづらい時もあるのでマウスも接続しています。

    MacユーザーなのだからMagicMouseではないのか、といわれそうですが、MagicMouse2も持っています。気まぐれにたまに使いますが、基本的にはMacBook12インチと一緒に使っています。そっちの方でもあまり使っていないのですが。

    ともかく、自室では有線マウスを未だに使用しています。ちなみに使っているのはこれ。

    Basic Optical Mouse (ベーシック オプティカル マウス)
    https://www.microsoft.com/accessories/ja-jp/products/mice/basic-optical-mouse/p58-00069

    これまでWindowsをメインに使っていた時代も含めて、何度も他のマウスを試してきましたが、どうしても使用感としてこのマウスに戻ってきてしまいます。

    ちなみに自宅だけではなく会社のマウスも私物利用としてこちらを使わせてもらっています。自宅でも会社でも同じマウスを使うことで違和感なく使用できるのはいいですね。

    このマウスの良いところは、
    ・安い
    ・軽い
    ・名前の通りベーシックなデザイン
    といったところでしょうか。

    軽さは無線マウスでは絶対に勝てないところですね。

    欠点としては
    ・ケーブルが邪魔
    ・USBポートが必要
    ・光学式で読み取り精度が高くない
    といったところですね。

    多分、高級なマウスの中には自分に合ったものがあるかも知れません。家電量販店のマウスコーナーで時々触ってみますが、なかなかこれといったものには出会えません。そういうのは数日あるいは数ヶ月使ってみて分かる部分もあるので、1分ほど店頭で触ってみるだけでは分からないですし、そのために高級マウスを大人買いして片っ端から試してみる、という行為は経済的理由によって遮られます。

    というわけでこれからもこのBasic Optical Mouseを今後も使い続けるのは間違いありませんが、あと何年使えるかなあ。何せ安いので予備も買っておこうかとは思いますが、そもそもUSBポートがそのうちAタイプは絶滅するでしょうし、変換アダプタもいずれはなくなるでしょう。そうなったらどうしようかな。そのころまでには新しい、自分にフィットするマウスを見つけないといけないのですが、そのころにはマウスというインターフェイス自体が無くなっているかも知れませんね。

  • 昭和をノスタルジーの象徴とするのは正しいか?

    二つ前の元号となるとかなり昔の印象がつきます。私は昭和の生まれですが、大正、明治とさかのぼるともはや歴史の教科書上の話に感じてしまいます。そして今の令和から平成、昭和とさかのぼると古い印象を受ける人は多いでしょう。

    昭和の時代にあって平成には無くなっているような商品やサービスを見たときにそのような印象を持つのであれば、それは普通の反応だと思いますが、時代背景がそれほど関係ない物事に対しても昭和とか平成とかレッテルを貼るのはちょっといかがなものかなと思います。

    そもそも、昭和という時代は非常に長く、元号としては日本史上最長のものです。昭和は元年がⅠ週間しかありませんでしたが、2年に金融恐慌、3年に満州某重大事件、4年に世界恐慌、6年に満州事変、7年に五・一五事件、8年に国連脱退と続いた歴史があります。その後の日中戦争、太平洋戦争と終戦、GHQ占領から独立、経済復興、高度経済成長、東京オリンピックと昭和前半はめまぐるしい変化がありました。

    昭和後半は大阪万博、ニクソンショック、オイルショック、バブル景気と崩壊と日本国内は平和を保ちながら経済的な影響が色濃く印象に残る時代でした。もちろん他にも事件やイベントはいくらでもピックアップできますが、戦後の復興から経済大国になり、80年代には世界経済の覇権をかけてアメリカ合衆国と争うまでに成長したのが昭和後半の特徴と言えるでしょう。

    社会が急激に変化し、経済的繁栄を迎える中で古いものから新しいものに作り替えられていくという時代でもありました。当たり前ですが、昭和の時代において新しい文化、製品、サービスに出くわし、かつてのものが無くなっていくことに対してノスタルジーを覚える場合の代名詞は「昭和」ではありません。さすがに昭和50年代や60年代において古い物事とを「大正」的だという言い方はしませんでしたが。

    なんで今回このようなことを書いているのかというと、こんな記事を読んだときに引っかかったからでした。

    すき家の新型レジに「非常に残念」と客が苦言? 何がダメだと考えているのか
    https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/11/news080.html

    ヤフーニュースに転載されていたので読んだ人も多いと思いますが、その中で、

    この投稿は、9000回以上リツイートされ、4000を超える「いいね」がついている(11月11日午後1時時点)。また、この投稿者は「昭和な考えが良いとは思わないんですが良き心を持っていた時代なのかなと」「近年になるにつれて日本は合理主義資本主義過ぎません?」ともコメントしている。このように言及されたすき家の新型レジ「セミセルフレジ」とはどのようなものなのか。

    とありました。

    個人的な感想としては、チェーン店の牛丼屋にそこまで求めるのは酷だし、そもそもお金のやり取りをコミュニケーションと捉えるのも無理矢理な気もしますが、それよりも「昭和」を「良き心を持っていた時代」とか「合理主義資本主義」へのアンチテーゼのように捉えている人がいるんだなあ、と思ったところでこのnoteにつながりました。

    前述の通り、昭和という時代は中頃から後半にかけて、急激な経済成長を通じて社会が高度な合理主義・資本主義化していった時代でした。もちろんその頃にはこの記事にあるようなセルフレジなんてなかったですが、自動販売機はあらゆるところに普及していましたし、食券で注文する飲食店も既に存在していました。

    駅そば店で長々と店員と話したり、細かい注文をしたり、長居したりする人なんて今も昔もいないでしょう。牛丼チェーン店も「うまい、早い、安い」をスローガンにしていた吉野家が出来たのも昭和です。そもそもさっさと食べて出ていくのが牛丼屋含むファストフード店のはずです。そしてそのファストフード店は昭和の産物であって、心温まる店員とのやり取りの存在自体は時代や昭和などとの関係はありません。そういう店では昔から大してコミュニケーションは無かったですし、お金のやり取りがアナログ的だったのはそれを世詩としていたからでは無く、ただ単にテクノロジーが進んでいなかっただけのはずです。

    平成が31年まで続き、令和がどれくらい続くのか分かりませんが、いずれは「昭和」をノスタルジーの象徴として言及する人は減っていくでしょう。ただ、それ以前に過去を美化したり過去と現在の混同を行ってしまえば、かえって現代において無用な対立や反感を招いてしまうと思います。

  • くずし字のAI解読による歴史研究の未来

    ヤフーニュースでくずし字をAIで解読する、と言う記事がありました。

    古典・古文書の難読「くずし字」、AIが瞬時に解読…精度90%も
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191111-00010000-yom-sctch

    ちなみに元記事は読売新聞です。

    この記事によると、ぱっと見では読めない「くずし字」を自動的に読み取って現代の文字に変換してくれるAIだそうです。

    これによって大量の古文書の解読が一気に進むことが期待されていますが、これだけで古文書の解読が完了するわけではありません。そんなことはこのAIに関わっている人、研究者にとっては当たり前の事ですが、古文書の解読というのは大変です。文字を読めただけでは文書を解読したことにはならないからです。

    古文書には文字が書かれていますが、ただ単に文字の羅列を読み取れたとしても、その言葉が何の意味で用いられていたのかまで読み取らないと、古文書を解読したことにはなりません。

    例えば、古文書に記載されている日付ですが、何年に書かれたものかまで書いているケースはそう多くはありません。特に手紙であれば当事者同士で分かればいいので、月日だけが書かれていて年が省略されていることも多いです。それが数百年後に古文書として取り扱うときには一体、何年に書かれたものなのかが分からなくなってしまいます。その場合、年を特定するためには、書かれている出来事で確定させたり、人物の肩書きの変遷を追って確定させたり、あるいは花押(サイン)の書き方の違いによって確定させたりします。

    肩書きも時期によって異なりますし、同じ名称の肩書きが別の地域でも使われていれば地域と時代からその肩書きを使っている人物を確定させないといけません。

    文字も時代によって変遷がありますし、言葉も時代によって意味が変わります。そもそも精度が90%ということではまだまだ一発解読とまではいきませんし、専門家の校正が必要であることはまちがいありません。

    文字を読むことと文書を読むことは違う、ということですが、だからといってこのAIがたいしたことない、というつもりはありません。本当に90%の精度で読めるだけでも専門家の解読作業に大きく貢献できるでしょう。

    時代が下るにつれて紙の普及と識字率の向上があり、特に江戸時代には文書が日常的に使用されるようになって、現代に伝わる文書の量が爆発的に増えました。

    行政機関などの公的な組織だけではなく、民間の商家や豪農などにも大量の古文書が存在し、歴史的に重要だと既に見なされているところ以外にある古文書の解読は当然ながら後回しになってしまいます。そういった、解読待ちの古文書の解読の下準備としてはこのAIの価値は非常に高いと思います。大量の古文書をAIによる圧倒的なスピードで大雑把に読んで、その中で重要そうなものをピックアップできる仕組みまであれば(あるいは検索で簡単に見つけられるのであれば)、あらゆる分野の歴史研究に大きな発展が見込めると思います。

    テクノロジーは困難を克服するために存在します。こういった分野でもAIの活躍が期待されるのは楽しみですし、むしろ人的労力を大きくカバー出来る分野にこそ、人工知能の存在価値があるのだと思います。