無線LAN、モバイル通信の速度は規格が進むにつれて飛躍的に向上していきます。ただ、今のところは有線での固定回線の方が無線通信よりもまだ圧倒的に高速です。
とは言っても、固定回線はケーブルを設置する必要があります。長距離、ということは広範囲のインフラ整備が必要であり、発展途上国では全ての地域に固定回線を引くのは難しいところもあります。そうなると、要所要所を有線でつないで、後は無線でカバーするというのが現実的です。
電信や電話が発明されて普及されていく中で、敷設を行っていた国はまだ無線通信が無かったので有線での通信設備になるのは当然ですが、20世紀終わり頃以降から電話回線の整備を始めた国では、個人の利用は携帯電話が前提となります。
これは公共交通も似たような話で、19世紀後半から20世紀にかけて鉄道路線を敷設していった国は、その時点では全国に鉄道網が出来ました。しかし、飛行機による長距離移動とトラックによる輸送が一般化した20世紀後半以降では、全国に鉄道を敷くよりは都市部に空港、それ以外の移動は道路でバス・トラックを利用する方がコストはかかりません。
通信回線にしろ鉄道路線にしろ、長距離・広範囲でインフラを設置して、さらにそれをずっと維持し続けるのは、結構大変です。故障や経年劣化に伴う交換などの保守も必要ですし、治安の悪い地域なら金属狙いの盗難の心配もあります。
飛行機路線なら空港とその周辺を監視しておけばいいし、無線通信ならアンテナの整備と監視で済みます。鉄道ならレールを、固定回線ならケーブルをその長さ全ての管理が必要です。どこか一部分だけでも途切れたら無用の長物になります。
そもそも鉄道の普及と電信の普及はかなり重なっている事情があるので当然と言えば当然の理屈なのですが、その二つには異なる場所での時間の統一という大前提があります。そしてその時間の統一は近代国家の国民統制があってこそで、鉄道・固定回線が普及している・していないの違いは、近代的な国家がいつ頃建設されたかの違いで大まかに分かれるのではないかと思います。
途上国の需要急増はこれからです。特に人口が急増している国々では、通信も人の移動も増えていきます。飛び飛びのインフラ整備で済むモバイル回線・飛行機路線は、効率が良いようで悪いもので、エネルギー消費量に対するデータ・貨客量は鉄道・固定回線に比べるとかなり効率が悪いです。
旧来の先進諸国が人口が増えず、減るところも出る一方で、途上国が人口増に伴ってエネルギー効率の悪いデータ送信・貨客輸送が増えるとどう考えても環境には良くありません。もし、都市化していない地方でも人口が増えていくのなら、安価に・管理しやすく・設置しやすい輸送・移動・通信方法の開発・普及は必須でしょうね。
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