日本に合わないフードデリバリー・ライドシェア

ピンク色が特徴的なフードパンダというフードデリバリーサービスが日本事業を撤退するそうです。Uber EatsやDiDiフード、出前館とかに比べて地味というか目立ちませんでしたが、実際日本では苦戦だったのでしょうね。

フードデリバリーというといかにもそれっぽく新しいギグワーク産業にも思えますが、平たく言えば出前配達員共有サービスです。「お店側が」出前の配達をする人間を、他の店と共有しているのです。

もちろん注文する側も、色々なお店から簡単にスマホで選べるようになっていますが、個々の店舗が集められている出前案内サービス自体は以前にもありました。配達員が複数の飲食店を掛け持ちしている点が新しいだけです。

そもも日本では、各店舗ごとの出前に加えて昭和の後半からチェーン店やコンビニの大幅な増加によって、それなりの規模以上の街では飲食に困ることはなくなりました。それ以外にもスーパーのお惣菜・弁当も充実しています。外食も中食(なかしょく)も非常に便利です。

フードデリバリー、出前がないとまともな食事が出来ないというのは、そこそこ人がいる地域ではあり得なくなりました。

高級店や趣向を凝らした飲食店の食事を自宅で食べられるようになったのは、フードデリバリーサービスの普及のおかげでしょうけれど、それが売上のほとんどを占めるようにならないと、フードデリバリーサービスは共倒れしそうな気がします。特にコロナ禍が落ち着いて消費者自身がお店に自由に出歩けるようになった時にガタッといくんじゃないでしょうか。

ビジネスモデルそのものを日本向けにカスタマイズした方が良いのはフードデリバリーサービスだけではありません。

Uber Eatsの元というか事業の元々はUberというライドシェアサービスでした。これはタクシー業界という政府の規制がかかる業界の既得権益と真っ向からぶつかりますので、日本では法的困難からライドシェアとしてではなく、タクシー配車サービスとなりました。まあ本家Uberは日本で言う白タクですからね。もちろん、ライドシェアサービスが利用されている国にもタクシー業界は存在するのですが。

タクシー利用に関して困りごとが少なければ、ライドシェアサービスも流行りません。規制当局の反対もさることながら、日本人がライドシェアを必要としない傾向があるのは事実でしょう。昔はともかく、今のタクシーはサービスがかなり良くなりました。昔は結構色んな問題を抱えていましたが、日本経済が長期的なデフレ下にあってタクシーは完全に「買い手市場」になっています。

乗車拒否やら粗暴な運転や行為が横行していた頃に、こういったライドシェアサービスが生まれていたら、日本の消費者でも規制に対して大きな反発が生まれていたかも知れません。

ぼったくりタクシーだらけだったり、タクシーの数自体が少ない国や地域ならライドシェアサービスも普及するでしょうけれど、今の日本では無さそうです。

可能性があるとすれば過疎地域で運転が出来ないお年寄り向けでしょうけれど、そういう地域だとベンチャー企業としては旨みがないはずです。やるとしたらNPOなり行政なり、あるいは既に存在している交通機関などが、ライドシェアとフードデリバリーをひっくるめたサービスで、地域の支援を行うくらいでしょうか。

どちらにせよ、アメリカ生まれのフードデリバリーもライドシェアもそのままでは日本の実情には合わないですよね。

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