テレビの無いテレビが普通になる時代

地上波や衛星放送のチューナーが内蔵されていないテレビが発売される時代になりました。テレビでもストリーミング配信が見られますよ、という売り方だったテレビが、むしろストリーミング配信を見るためのデバイスとなり、テレビでも「テレビ放送」を見られますよ、という方が、使う人にとっては分かりやすくなるのでしょうか。

テレビチューナー非搭載のテレビ、あるいはつい最近発売されたFireTV機能搭載のテレビなどでは、NetflixやDAZNなどのインターネット経由のストリーミング動画配信サービスでの使用がメインになります。そのテレビで、テレビを見る場合は、何かのチューナー搭載機器を使う必要があります。大半の人はHDDレコーダーを接続するのでしょう。

当たり前の話ですがテレビ番組は基本的にはテレビチューナー経由で見るものです。加えて、見たい番組をリアルタイムではなく自分が見たいときに見るためには録画しておく必要があります。その点はストリーミングサービスとは決定的に異なります。それでも、TVerやテレビ各局のウェブサービスを使えば大半の番組をオンデマンドで鑑賞出来ます。

動画配信サービスはそのまま見たいときに見たいものを見て、テレビ番組を見る場合はレコーダーのチューナーを使ってリアルタイムや後日に見る、というライフスタイルになるのでしょう。

一人暮らしでは自宅にテレビが無い、という人も珍しくありません。固定電話も同じですが、持っていなくても不便さを感じない時代です。昨日見たテレビ番組の話で翌日盛り上がるということも無くなりました。

良い悪いという話ではなく、ただ単に時代がそのようになってきただけのことです。

テレビは半世紀もの間、娯楽・暇つぶし界における絶対王者でした。購入時にイニシャルコストがかかるものの、その後はランニングコストである電気代だけ支払えばいくらでも楽しめるとてつもない装置です。

80年代のファミコンの登場によりテレビの覇権が少し揺らぎましたが、それでもテレビを使う時間は圧倒的に従来のテレビ番組でした。

それでも、ゆっくりと人々の生活から使用時間が減りつつあります。長期低落傾向はずっと続くでしょう。もしかしたらどこかのタイミングでガクンと減るかも知れません。

テレビでテレビを見ないという状態になるのは、テレビにして見たら庇を貸して母屋を取られるようなものでしょうけれど、映像を鑑賞するというシステムを映画から、電波による放送というシステムをラジオから受け取って半世紀の映画を極めていたのですから、因果は巡るというところでしょうか。

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