テレビがコンテンツ視聴手段の二番手になる日

3月15日に行われたAFCアジアチャンピオンズリーグのプレーオフ、ヴィッセル神戸対メルボルン・ビクトリー戦は、テレビ中継やDAZNでもなく、ヴィッセル神戸の親会社である楽天が持つ楽天TVでの無料配信で行われました。

ACLの放映権は昨年からDAZNが所有しているはずですが、プレーオフだけ切り売りしたんですかね。楽天にしてみればヴィッセル神戸の試合は隙あらば自社メディアで配信したいのでしょう。もしくは、プレーオフにあんまり価値が無いと思って配信したくなかったDAZNから、楽天が子会社の救世主として配信に踏み切ったのか。楽天TVのPRも兼ねているのでしょう。

同じ日にカタールワールドカップ本大会の全64試合をABEMAが無料生中継するという発表がありました。昨年、ワールドカップアジア最終予選のアウェイ戦がテレビ局で放送できなくなったものの、DAZNがギリギリで配信中継を決めましたが、本大会でもテレビ局が全試合放送を諦めた発表の後に、AbemaTVがサッカーファンを救う決定をしたことになります。

昨今のサッカー放映権料はとてつもない金額に高騰してしまっているのが、日本のテレビ局が手を出せなくなった一番の要因ですので、サッカー人気そのものが急激に減少したわけでもないのですが、今後もこういったことはあるでしょう。

ただ、テレビ中継よりもネット配信の方がオンデマンドで再生出来たり、遅れて観ることが出来たり、トイレに行くときだけ一時停止したりも出来るという利点はあります。スマホやタブレットで見ると画面が小さい問題はありますが、FireTVスティックやChromeCastでテレビの大画面に映せますし、最近はAndroidTV機能があってDAZNやYouTubeやNetflixを直接再生出来るテレビも珍しくありません。

かつてのテレビは偉大な存在でした。アンテナ線と電気ケーブルをつなげばいつでも無料でいくらでも楽しめる点で、他の娯楽・暇つぶし道具とは格が違う存在でしたが、今となっては変わってしまい、テレビの方が不便な場面も出てきました。

テレビでのサッカー中継が復権するには、放映権料に歯止めがかかることと視聴率を稼ぐことですが、DAZNやABEMAでの視聴が一般的になれば視聴率の回復はないでしょう。

そもそも、ネット配信ではそのコンテンツがどれだけの視聴数になったのかは1件単位で把握出来ます。ごくわずかな世帯にしか測定機が無いテレビ視聴率では、統計的に問題ないとは言え、広告主にしろコンテンツ制作者にしろ、ネット配信並みのリアルな反応を重視できるとは思っていないでしょう。

むしろ最近ではテレビ番組でもTVerや各局のオンデマンド配信での再生回数が重視され始めているとも聞きます。テレビ番組をザッピングで適当に見る時代から、特定の番組「だけ」を意識して観る時代に入ったことの証拠でしょうけれど、自分が好きでこれからも観続けたい番組や出演者を応援するには、視聴率測定機が無い人はテレビで観るよりもネット配信で見た方が、より正確な再生回数につながってその番組や出演者が長続きする手助けになります。

コンテンツ全盛時代の今においては、これって結構重大な問題だと思うのですが、コンテンツ視聴手段としてテレビが第1選択肢にならない時代の到来とまで言うのは言い過ぎでしょうか?

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA