コロナ禍の巣ごもり生活が耐えられない人はもちろん多いでしょうけれど、読書好きの人にとってはむしろ読む時間が増える!と思って積ん読を消化している人もいるのでしょう。私もそれに近いですが、消化する以上に購入しているので減りません。
それはともかく、読書習慣がある人が減ったというニュースは何十年も前からありますが、擦られすぎてもはや誰も何も思わないレベルかも知れません。出版業界や書店業界の人にとっては死活問題でしょうけれど、社会や情勢の変化によって死活問題になっている業界は山ほどあるので、多分大半の人は気にしません。
私は自宅でも通勤移動時でもKindleでの読書習慣があるので、おそらく世間一般の平均よりは読書量・読書時間は多いでしょう。確かに、駅や電車内で読書しているっぽい人は、昔よりも減ったとは思います。
その対策として、業界の人たちや読書好きの一般人が、読書は良いぞ、本を読もう、読むべき、読まないのはおかしい、と強迫観念を植え付けるような強制的なスローガンを掲げ始めると、逆効果になります。誰だって強制されたことは嫌がります。物理的に体を縛られて本を読ませられるわけではないにしても、読書・本の良さばかり訴えかけられても、無意識的に拒否してもおかしくはありません。
読書強制の最たるものは、学校での読書感想文でしょう。あれで読書が嫌になった人も多いのではないかと推測します。私自身を省みれば、読書は好きだったものの読書感想文を強制されるのは嫌でした。いつも適当なことを適当に書いてお茶を濁していた程度だったと思います。
読書感想文コンテストなどで賞されるような文章はいずれも優れていて、
「読書感想文はこんなにも素晴らしいものだ!」
のだと、学校関係者や出版業界の人が声を大にしていいたいかも知れませんが、ああいうのはほんのわずかの上澄みであって、大半の人は嫌々やる課題です。
個人的には読書感想文という学校の課題は、少数の読書好きと、多数の読書嫌いを生んでいる気がします。実際は、多分読書感想文があろうとなかろうと、読書習慣を持つ人の比率はそんなに変わらないとは思いますが、少なくとも本に対する幻想を本好きの人や出版業界の人は捨てるべきではないでしょうか。
読書したい人が好き勝手に読めば良いと思うのですが、課題図書の中から選びなさいとかむしろ嫌がらせでしょう。もちろんその課題図書に選ばれている本はほとんど全て非常に優れた良い本だと思います。しかし世の中にはそれ以外にも膨大な数の本があり、良し悪しの選別をすること自体が読書経験になるはずです。
そもそも作文である必要もないでしょう。本を読んで感じたことをイラストやマンガにしても良いはずです。音楽や歌でも良いでしょう。「走れメロス」を読んで走ったって良いじゃないですか。
本当に読書好き、本好きを作り出したいなら、読書感想文として個人の内面を書かせるのではなく、自分が読んで良かったと思う本のプレゼンテーションをさせたら面白いのではないでしょうか。そのプレゼンも文章のみに絞る必要もありません。少なくとも、マスメディアや書店で「この本はすごい!」という煽り文句よりは説得力を感じるはずです。
あと、常に思っていることですが業界の人たちは紙の本への異常なこだわりを早く捨てた方が良いです。書店や物流、印刷に関わる人にとっては紙の本がなければ商売あがったりだとは思いますが、業界全体が沈没するか、業界の一部が沈没するかの瀬戸際です。
読書によって得られるモノはたくさんあります。ただ、それは紙の本だけに限ったことでもありません。電子書籍でも、Audibleなどの読み上げ音声での読書でも同じことです。目が良くない人は文字を大きく出来る電子書籍の方が便利ですし、視覚障がいを持っている人ならAudibleは重宝するでしょう。困難を克服するテクノロジーによる読書を認めないのは、出版・書籍業界にとっては自殺行為同然です。
本嫌い・読書嫌いの人が減るようなアイデアや施策が普及して欲しいものです。
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