インターネットは自己責任であるべきか

Microsoft提供のブラウザ Edge が、VPN接続を無料で提供するサービスを始めるそうです。

VPN接続により、セキュアではない(信頼できない)公共Wi-Fiなどのネットワーク経由でのインターネット利用時にも、個人情報や重要なデータの漏洩の可能性を減らすことが出来ます。

VPNサービスは世に様々ありますが、ブラウザ自体がVPNをそのまま利用出来るというのは珍しいです。これまではOperaが数年前から導入していましたが、シェアが大きいGoogleChrome、Safariなどではもちろん存在しません。

VPNサービスそのものを使えば、どのブラウザだろうと、どのアプリだろうとネット接続はセキュアになりますので、ブラウザ経由のみが保護されるブラウザでのVPNはそんなに便利なものとは言えないでしょうけれど、利用者が何も考えずにセキュアなネットワークに接続出来るのは良いことです。問題はOpera(現在は中国企業が運営)やEdge(言わずと知れたMicrosoft)を提供する企業を信頼するかどうかの話ですが、またそれは別の問題ですね。

これを受けて、GoogleやAppleも追随してきそうな気がします。その2社はブラウザのみならず、モバイルOSも抱えていますので、Android・iOS搭載のモバイルデバイスそのものでVPNを標準搭載するやり方もあるでしょう。

ブラウザVPNサービスの普及が広がれば、少なくとも個人情報がブラウザ提供企業「以外」への漏洩の可能性は格段に減ります。

Edgeが提供するVPNには容量制限がありますが、各社の競争次第では容量も増えるでしょうし、制限が無くなる可能性だってあり得ます。

インターネットは爆発的に広がった1995年以来、利用に当たっては基本的に自己責任が原則でした。もちろん現行法にしろ新たに設けられた法律にしろ、法に触れる行為は犯罪として摘発され得ますが、国境をまたいでしまうとそう簡単に処罰も被害補償も行われません。あくまで利用に当たっては、「性悪説」に基づいて、「自分は騙されるかも知れない」という覚悟の元で利用しないと、いつ何時被害に遭うか分からないものでした。

セキュリティソフトが一般的になったのは、ネット常時接続が普及してからでした。日本では2000年代前半からですが、有料のセキュリティソフトは費用の形で消費者への負担を強いることになります。セキュリティに無頓着だと個人情報はダダ漏れ、自分の関係者にも迷惑をかけ、あるいはそのパソコンを踏み台にして見ず知らずのサーバへの攻撃に悪用されることもあります。セキュリティを意識せずにパソコンを使うことすら罪のようなものとして扱われます。

スマートフォンではそのOSや通信の仕組み上、パソコンほど無防備ではありませんが、それでも攻撃や情報窃取に無縁ではありません。無料のWi-Fi経由でネットにつなげば、通信の中身が他者に丸見えになることもあります。

ただ、これほどまでインターネット利用時に自己責任で自分の身を守らねばならないといけないのでしょうか? 自由に使えるインターネットを気軽に安心して使えるようにするのは、社会や業界にとっても益の無いことではありません。

ネットユーザーがあえて危険なダークウェブに足を踏み入れようとするなら、それこそ自己責任で危険にさらされてもしようがないでしょうけれど、一般人が検索したり、メールを読んだり、動画を見たりするだけでもセキュリティを気にしないといけないのは、まるで人が道を歩くときに道路交通法が存在していないようなものです。

人が道を歩くときにガードレールに守られ、歩道によって車道を分けられ、信号や横断歩道によって自動車による危険から保護されているように、インターネットを使用する際にも、危険な行為をしない限りは気楽にある程度の安全が確保されるべきでしょう。

おそらく、自動車に対する規制が緩かった時代から厳しくなったように、インターネットの大まかな流れとしては消費者が保護されていくことでしょう。

SSLが設定されていないウェブサイトに接続すると、ブラウザ上で警告が表示されるのも消費者保護の一環ですし、今ではほとんど全てのサイトがSSLを備えるようになりました。

VPNもそのうち当たり前になっていくのではないでしょうか。

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