Jリーグでは少しずつ観客動員を戻しつつ、応援形態もテストを行いつつ昔のようになっていくことでしょう。いつ、2019年のレベルまで動員が戻るかは各クラブの努力次第でもあるのでしょうけれど、リモート観戦という名のネット配信で新規ファンになった人をスタジアムに呼び込むのはコロナ前よりもより一層の経営努力が必要でしょう。その点は大変だと思います。
そこで必要なのはあのチームを見に行きたいというモチベーションを与えることですが、勝負である以上全てのチームが勝つことなどありません。負けることもあります。それでもスタジアムに人を呼ぶには、そのスタジアム自体に魅力が必要となってきます。
規模や設備には差があれど、どんなスタジアムでもリモート観戦と異なって現地観戦で味わえるのは臨場感です。それ以外にもイベント、スタジアムグルメなど多彩な仕掛けをどのクラブも考えていますが、試合観戦の大前提は試合を目の前で見ることです。
となると、サッカーを間近に見やすいスタジアムが必然的に求められますが、昔に比べるとJリーグクラブのホームスタジアムにはいわゆる「専スタ」、球技専用スタジアムが増えました。
J1の18チーム中11チーム(札幌ドームは除く)、
J2の22チーム中6チーム、
J3の18チーム中10チームが専スタです。惜しくも半数には達していませんが、広島は既に建設が始まっていて、長崎も計画が決まっています。金沢はサッカー場を増設する形で専スタ持ちクラブになるそうですので、数年後にはJリーグの過半数が専スタになります。
例えトラック付きであっても旧国立競技場のような見やすいスタジアムであればまだマシなのですが、大半の国体仕様スタジアムは見る人のことをあまり考えていませんので、専スタが増えている今の傾向は良いものです。
放映権料、入場料収入と合わせて大事な収入の柱であるスポンサー収入も、コロナ禍やその後の経済の混乱を考えるとそう簡単には増えないでしょう。減らさないだけでも大したものです。
先日、北九州の試合を見ましたが、ギラヴァンツのユニフォームを見る度にゼンリンとTOTOが北九州発の大企業であることを実感します。どのクラブにも大企業のスポンサーと、地域にある中小企業、零細企業のスポンサーが付いています。
Jリーグの理念である地域密着は、ともすればその地域に「のみ」存在する中小企業のことを想起しがちですが、その地域にある、あるいはその地域発祥の大企業が応援するのも地域密着であるはずです。
大企業にとっては、Jリーグクラブのスポンサーになることが、売上が明確に増える直接的な広告とは考えないでしょう。そこまでの効果があるとは思えません。CSR、社会貢献的な考えからスポンサーになっているケースの方が多いと思います。
売上を上げるための広告とは言えなくても、その大企業がその地域にあることや、発祥であるというアイデンティティを見せる役割も果たしています。
コロナ禍による混乱によって既存の大企業でもダメージを負ったところは少なくありません。しかし全ての経済が収縮し続けるわけもなく、減ったシェアが回復する際にはどこかが埋めるわけで、その大きなムーブメントにJリーグにおける広告が果たせるのだと企業側に思わせることが出来れば、スポンサー収入も今後大きな拡大余地があるのではないでしょうか。
それがさらに回り回ってクラブの強化やサポーターへの還元になれば願ってもないことです。
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