強権的独裁体制からは誰も逃れられないのに

先日、中国の鄭州にある銀行が危機的状況に陥ったことに抗議する利用者が、地方政府が管理しているはずの新型コロナ追跡アプリによって、追い返されたり検疫施設送りになったりしたという報道がありました。

この件では人民日報など政府系メディアが非難して、地方当局者も解任されていますので、おそらく事実なのでしょう。どのようにコロナ追跡システムを悪用したのか、本当に地方政府と銀行が裏でつながっているのかは知りませんが、いざという時に中国では政府・共産党があらゆる方法で国民の権利を侵害することが容易である事実をまざまざと見せつける事件であると言わざるを得ません。

既に顔認証システムがあらゆる施設で張り巡らされて、また国民自身もスマホ経由で支払や身分証明や生活の何もかも依存していますので、政府や共産党が情報システムを経由して国民をコントロールすることは簡単であることは間違いありません。

中国に対しては、その人権侵害の在り方を批判する人や組織が多いものの、その一方で中国とつながりのある人たちは声高には非難せず、むしろその権威主義的国家運営システムを称賛したり羨ましがったりすることすらあります。

そういう立場の人たちは、自分がそのシステムを国民に対して使用して監視する側だと思っているのでしょうか。ひとたび何かあれば、自分が監視される側、人権を制限される側に追いやられて悲惨な末路を辿ることになるとは想像しないのでしょうか?

個人の自由を侵害する政府は、自分の自由も侵害してくるのです。自分は例外だと思える理由も根拠も存在していないはずです。

中国では、政府よりも憲法よりも共産党が上位に位置します。法の支配も共産党の指導の下に行われるのですから、共産党が法を悪用すれば止めようがありません。

自分が、中国共産党のトップでもないのにその強権体制を支持するということは、自分で自分の首を絞めるようなものです。現在、中国に住んでいる人はそもそも支持をしないと自らや家族を危険にさらしてしまうので、嫌々従っている人もいるのは間違いありませんが、他国に住み中国政府の支配を受けていない人が支持する人は、自分はそのターゲットではないと思えるほど脳天気なのでしょうか。

強権的独裁体制において、自分(とその大事な家族)は大丈夫!と思って良いのは独裁者くらいですが、その独裁者も失脚か死去によっていずれは支配の幕を閉じます。死んだ後の家族が後継者になるのならともかく、慣れない場合は強権支配の被害に家族を遭わせることになります。失脚なら元独裁者自身が迫害されます。

独裁者やその家族ですら永遠の自由はありません。人権を制限される可能性を減らせるのは、そのような国家体制自体を無くしてしまうことしかないのですが、その体制を支持する「国外」在住者というのは、なんというお人好しなんでしょうね。

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