朝日新聞が少し前に掲載した、某大学の某先生の「ウクライナ降伏論」は結構波紋を呼びました。3月くらいには確かウクライナ降伏論自体を批判する記事を朝日自身が出していたはずなのですが、いつの間にか宗旨替えしていたようです
ウクライナ文化というものは歴史的に存在しないのだから消滅させる、とプーチンもメドベージェフも公言しているのに、ウクライナが降伏した後のことを何も考えない言説をこの期に及んでも発表できるのは、先生も新聞も恐ろしいとしか言いようがありませんが、戦争を止めさせるためにはウクライナがどんな犠牲を払っても構わないという理屈は、何のために戦争を止めるのかを忘れている妄言でしかありません。
戦争批判はもっともなことですが、戦争の原因を降伏しないことに求めてしまう理屈が生まれた原因に悩みましたが、もしかしたらかつての太平洋戦争時に日本で大空襲や原爆被害が起きた原因を旧日本軍や日本政府が早期に降伏しなかったことにあるのかも知れません。
日本が早くに降伏していたら、沖縄の悲劇も空襲も原爆投下も無かったのは確かにそうでしょうけれど、全く同じ理屈を日本が侵略する側に置き換えても成立してしまうことまでは考えていないのでしょうか? 「中国が早期に日本に降伏していれば、盧溝橋事件も南京大虐殺もなかった」なんてことを公言したら大問題になるはずなのですが、ウクライナ降伏論はそれと同じ論理展開をしていることに気が付かないというのはなかなか良い根性をしていると言わざるを得ません。
自分が降参したら相手が手を緩めてくれる、というのは度を超えたお人好しです。
正直者が馬鹿を見る世の中はあってはなりませんが、お人好しは馬鹿を見る世の中はある意味当然です。お人好しは他人の悪意に鈍感で、悪事を誘発します。正直者であれば、悪いことをしている悪人に対しても反抗するはずなのですが。
スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学卒業式での演説で、
「愚か者であれ」
との言葉を残しました。良い意味で既成概念に捉われない愚かさを持てということです。そしてその言葉の前に、
「本意でない人生を生きて無駄にするな」
とも言いました。戦争はダメという固定観念から、プーチンに支配される人生をウクライナ人に求めることこそ、悪い意味での「愚か者」でしょう。
コメントを残す