徴兵を口にする人が最前線には行かない不公平

ロシアでいよいよ始まった予備役の召集がかなりの混乱を招いているようですが、練度の低い兵士を貧相な装備で前線に派遣するという、なかなかの苦難をプーチン大統領が全国民に負わせようとしています。

当初はかたくなに、
「これは特殊作戦であって戦争ではないので、戦争と口にした人間は処罰する」
と言い切っていたのですが、数十万人の予備役を動員する「戦争ではないもの」って何なのでしょうね。

戦いたくないロシア人、そして戦う相手のウクライナ人にとっては戦争だろうと特殊作戦だろうと、不幸な出来事であることには変わりありません。

動員された兵士にとっては災難としか言いようがありません。さらに悲惨なのは、正規の召集条件を満たしていない人まで召集されているということですが、これは如何にロシア軍が混乱しているのか、ということだけではなくて、如何に腐敗しているのかの表れでもあると思います。

本来、召集というのは地域や組織ごとに管理された名簿を元に課されるのですから、その名簿通りに召集されるべき人を召集していれば、召集されるべきではない人を召集するわけがありません。どこかで間違いか不正がないとそうはなりません。

間違いとしては、そもそも人的管理がその組織や地域で出来ておらず、名簿が杜撰な可能性もあるでしょう。

また、本来召集に応ずべき人間が徴兵逃れの不正を行い、その人の分だけ数は合わせないといけないので、徴兵事務所が対象外の人間を無理矢理入れている、ということもあるのだろうなと思います。

これは何の根拠もない話ではなくて、先月、大規模な動員令を発した直後に反政府活動家が、嘘の召集の電話をペスコフ報道官の息子にかけたところ、
「私はペスコフの息子であり、一般人ではない」
といって召集拒否を公言している動画が拡散されました。

政府や軍の高官の親族は、このように徴兵されても拒否できたり、そもそも徴兵や召集もされなかったり、軍に入隊しても厚遇されたりするのであろうということが透けて見えます。

日本でも徴兵制度の復活を口にする人がたまにいますが、自分が行くわけではないですから何とでも言えますよね。

それはともかく、今のロシアでは相変わらず「プーチン批判」は厳禁であっても、軍部や国防相など、プーチンの周辺や支持基盤への批判は、苦戦を理由に公言されるようになりました。

プーチンだけがアンタッチャブルになる状況になりつつあります。軍関係者だけが国家主義者や戦争積極派からの厳しい非難を浴び、それに応じてプーチンが軍部に厳しい対応を取るようになると、プーチンと軍部に間隙が出来ます。

そうなると、安全な場所にいる一番偉い人でも、銃弾を浴びる事態にもなりかねませんが、まあ自業自得ですよね。

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