最近読んだ2つのニュースが結構気になります。
https://jp.reuters.com/article/us-cocoa-poverty-idJPKBN2W409J
https://rocketnews24.com/2023/04/13/1831218/
前者はアフリカのカカオ豆栽培農家が貧困から脱出出来ない状況について、後者は同じくアフリカ(ケニア)のコーヒー農家が自分ではコーヒーを飲まないのは高価なため、という話でした。
世界中で人気がある嗜好品である、アフリカでの商品作物の代表格、チョコレートとコーヒーが現地の農家を潤すほどのお金を得られないことは、今に始まったことではありません。
しかし、最近ではリンク先にもあるように、適正な対価を渡して農家の収入を増やす仕組みがあり、またフェアトレードに賛同するメーカー、商社、小売業、店舗も増えてはいるのですが、現時点では劇的に状況を変えるほどではない現状があるということが、このニュースからでも明らかです。
なぜ農家が苦しみ、国際的な大企業が多額の利益を得続けているかというと、単純に言えば資本主義の論理によるものです。購買力があり世界中の農家から選んで買える大企業と、売り先が限られて売るしか農家の間では、適正な価格で取引できる環境にありません。市場価格は需要と供給で決まりますが、世界的にチョコレートもコーヒーも需要が高まる以上のスピードで、アフリカにおける人口と農業従事者の増加による供給の過剰が進んでしまえば、原産地での価格が下がってしまいます。
もっと適正価格での取引を進めるのであれば、あとは法的拘束力を持たせるしかありません。国際的な取り決めを行い、それを買い手側に遵守させるには、強制力が必要ですが、そこが難しいのです。
原産国の政府が公正で、かつ流通もコントロール出来るほど安定していれば、難しくもない話でしょうが、発展途上国には政治的安定も欠けているケースが多く、極端な例を挙げれば、国際的大企業が正規ルートにしろ裏ルートにしろ、現地政府や軍・警察にリベートを渡す代わりに低廉な価格で農産物を得てしまえば、農家は適正取引を訴える術がありません。
非常に残念なことですが、これを是正するためには商品取引のレベルの問題と言うよりも、政治的安定性や国際関係の話になってきます。そしてそれが改善されるまでは、現地農家は収入のため多くの作物を栽培し、それによってさらに価格が下がって安売りせざるを得ず、結局状況が変わらないままとなります。
そして業を煮やした当該国の過激な政治家や軍部が、政変やクーデターを通じて強権独裁体制を確立して、かつてのジンバブエのように外国企業を徹底的に排除妨害して、さらに国が貧しくなっていく、というところまでは、容易に想像できてしまいます。
資本主義の論理は非常に強力です。それを曲げて、他の論理を通すには、例えば日本における国民皆保険制度などは国家・政府が強固な憲法や法律で強制力を持って実施しているから、資本主義・自由主義的な論理よりも社会主義的福祉制度として実施出来ます。
ルールを破る人や企業は法的強制力、極言すれば公正な暴力によって、潰されます。
しかし国際関係になると、強制力を発揮する組織が存在しません。国際連合やその他組織は、あくまで国家間が緩く手をつないでいるだけの組織であって、国家に対して強制力をほぼ持ちません。
だからこそ国際関係においては弱肉強食、資本主義・自由主義的な論理が最優先で成り立ちます。新型コロナウイルスのワクチンを先進国が買い占めたのはまさに象徴的な出来事でした。
そしてここまで見たように、チョコレートもコーヒーも、国際的な弱肉強食を示す象徴的な食料であることは間違いありません。
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