豆腐のことを豆富と書いている飲食店は結構見かけます。「腐」という文字を嫌ってのことみたいですが、出された豆腐が腐っていると思って嫌がる人なんているわけがないはずです。
もちろん、メニューをどう書こうがその飲食店の経営者や店長の勝手ではあるのですが、豆腐という食べ物の歴史と伝統の一部を否定することにもなるんじゃないか、とも思ってしまいます。
そこまで大げさに取る必要もないのでしょうけれど、縁起を担ぐことが多い飲食店・水商売ならではのことでしょうか。
漢字を代えてイメージを変えようとするのは、飲食店に限りません。人材を人財と呼ぶのは、求人業界・人材業界に加えて、一部の企業ホームページなんかでもちょくちょく見かけます。
「人材 人財」でGoogle検索してみると、Indeedやパソナがヒットするのが象徴的ですが、人財と言い換えている会社が言っているのは、たいてい「人は財産だから」とかなんとかよく分からない理屈です。
これも「人材」の「材」の字が、「材料」の印象が強く、人をモノのように扱うイメージになっているのかも知れませんが、「人財」だって「人を金目に見ている」と言うことだって出来ます。
これだって、「人材」という言葉、「財」という漢字の意味や成り立ちから考えると、あまり言い換えるのは良い印象はありません。
一番大事なのは実際にどうかということで、その飲食店の豆腐が旨いかどうか、その企業が人を大事にするかどうかが重要なのであって、どっちでも良いと言えば良いのですが。
「撤退」を「転身」と言った大本営発表となぞらえるのは無理があるでしょうけれど、言葉は大事です。大事ではあるのですが、言い換えることが大事にしていることになるとは限りません。
今では使い古されてむしろ危険なワードでもある、「アットホームな職場です」は、求人の募集要項にあれば警戒する人がむしろ多いかも知れません。これだって、本来は良い意味の言葉だったはずですが、まあ今では、「あっ・・・そういう職場ね」となってしまいますので、どっちかというとマイナスイメージになってしまいます。
大事なのは受け取る側のイメージも同様で、「豆腐と豆富」、「人材と人財」でどっちが良いですかね?
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