6月の話ですが、カナダにおいてニュースコンテンツの共有・再利用を行う企業に、使用料を報道機関に払うことを義務付ける法律が成立しました。いわゆる「オンラインニュース法」と言われ、事実上はSNSや検索などのオンラインサービス企業が、ニュース情報のタダ乗りしている構造を是正するための措置です。
それに対してまずFacebook・Instagramを運営するMetaが、カナダ国内における両SNSでのニュース提供を終了する対抗措置を行いました。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/23/news093.html
Metaだけではなく、Googleも批判していて、Google検索やGoogleニュースで同様の措置を取ると発表しています。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/30/news108.html
これに対して、カナダの新聞放送業界団体は対抗措置を批判したのですが、
https://jp.reuters.com/article/meta-platforms-canada-idJPKBN2ZK03G
この批判ってカナダにおけるジャーナリズムにおいては、MetaやGoogle無しには成り立たないと自覚していることの裏返しですし、結局は金か、という話にもなってきます。もちろん、金に関して言うとGoogleもMetaもあり得へんくらい儲かっているのだから、少しは分け前を寄越せと言いたくなるのも道理ではあります。
そして事態がややこしくなってきたのが、この夏に多数の国々で惨禍が起きている山火事がカナダでも大規模に発生していて、多数の被害や避難者が出ていることです。
危険な山火事に関しての情報が、カナダ国内のFacebookやInstagramでニュースとして提供されていないことから、人間の生命や安全よりも自社の利益を優先している、と言う批判が、トルドー首相からも出てきました。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/facebook-11_1.php
言いたいことは分からなくはないですが、だったら人々の生命・安全に関わるニュースに関しては、「オンラインニュース法」の適用を除外すれば良いんじゃないですかね。
SNSにしろ検索サービスにしろ、それらが現在社会において、相当に重要な情報インフラであり、売上相応かそれ以上の社会的責任があることは間違いありません。
とは言え、一民間企業にニュースの掲載と報道各社への支払を求めるのも、相当に無茶な話です。
フェイクニュースを排除するためにも、各報道機関による報道が提供されることは、企業の利益以上に国民の安全に関わります。
報道各社がニュースの上澄みをMetaやGoogleに搾取されているという状況は、ある程度は改善されるべきでしょうけれど、強制的に記事を表示させた上で料金を強制的に徴収することになると、それこそMetaやGoogleがカナダから全てのサービスそのものを撤退しかねないでしょうし、このチキンレースは勝敗はやる前から分かっているんじゃないでしょうか?
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