昨今の受験業界では中学受験が盛んになってきました。特に首都圏では、ある程度以上の収入がある家庭では、中受が当たり前のような社会になりつつあります。私の住む関西ではまだ首都圏ほどではないですが、いずれはそうなっていくのでしょうか。
少子化により受験戦争も私が受験生だった頃から緩和されるのかなと漠然と思っていましたが、実態としてはいわゆるFラン大学やその上辺りの大学が無試験で入れるレベルになってきた一方で、トップクラスは大学・高校受験よりも前に中学受験で疲弊するという状況です。
小学受験・幼稚園受験も含め、そんなに早く受験戦争に巻き込まれてどうするのだとも思いますが、お金持ちでそこそこの学力の子どもがいる家庭なら、大学付属高校・中学などに入って後はエスカレーターで楽をさせたい、という思いもあるのでしょう。それが本当に子どものためになるかどうかは別ですが。
私学に十数年間通わせられる資力があるご家庭なら、社会にお金を回すためにガンガンお金を使いましょう。私には無縁の話ですが。
その一方、エスカレーターで楽というルートとは真逆の、東大や京大あるいは医学部などを目指して高偏差値の学校に入学し、合わせて塾・予備校にも通ってアホほど勉強するルートに子どもを送り込む親御さんも結構います。それが本当に子どものためになるかどうかは別ですが。
私は文系の人間で、数学・物理が苦手だったので考えもしませんでしたが、我が子を医学部に入れたい保護者というのは、年々増えてきているようです。小さい頃から朝から晩まで勉強して医学部に入って将来安泰!というルートに子どもを乗せたいのでしょうけれど、そのルートのゴールは医学部入学ではありません。むしろそこからが地獄の本番のはずです。
医学部生は入ってからの勉強量が半端ないですし、国試にも受からなければなりません。
そして問題は、国試合格、6年の医学部卒業した後に、研修医になってからも非常に大変なことです。
私が勉強していた社労士試験の判例問題にも出てきましたが、研修医や勤務医の桁違いの労働時間・残業時間には、文字・数字を見るだけでも恐怖を覚えます。
過労死は医師だけのことではないにしても、小さい頃から親の理想とするルートに乗ってメチャクチャ勉強した結果が、勤務医・研修医として経営者に使い潰されてその生涯を早くに終えてしまうという人生となるのは、あまりに残酷な話だと思います。親自身が開業医で、子どもに後を継がせるためということであれば、分からなくもないですが、そっちのルートもそれはそれでこの少子化で人口が減っていく時代に厳しい経営をさせるというのも、若干可哀想な気がします。勤務医に比べればずっとマシでしょうけれど。
医師という職業は、当然ながらハイレベルな頭脳が必要です。それは誰もが知っていることでしょうけれど、おそらくはそれと同等に近いレベルで気力と体力も必要です。体力というのも、スポーツ的な筋力や持久力ではなくて、無茶をしても身体を壊さないということです。患者には無茶をしない生活を求めるはずの医者が、自身はとんでもない労働条件で働いているというのは、「医者の不養生」という慣用句の恐ろしさを物語っています。
過労死や自死をする勤務医・研修医のニュースを見て、子どもを医学部に入れたい親御さんは何とも思わないのでしょうか?
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