リーグ戦とは異なるカップ戦の魅力の一つが、長丁場での勝負ではない、短期決戦、一発勝負で総試合数の少なさにより、非大都市にある非強豪のクラブ、いわゆるプロビンチアのクラブが優勝することもあることです。
最近で言えば昨年のルヴァンカップで初タイトルを獲得したアビスパ福岡、2年前の天皇杯でPK戦の末、J2所属ながら優勝したヴァンフォーレ甲府、2008年に当時のナビスコカップを勝ち取った大分トリニータといった例があります。
カップ戦では意外なウィナー(チャンピオンではない)が生まれるのは、日本に限らずどこの国のサッカーでも同じでしょうけれど、去年今年とタイトル経験の無いクラブと、リーグもカップも複数回優勝している経験豊富なクラブとの決勝戦となりました。
日本人は判官贔屓、とよく言われますが、その通りなら今日の試合は新潟を応援する他サポが多いかも知れません。その一方で、名古屋の歴史に残る外国人選手であり、数々のビッグセーブで名古屋に勝利をもたらしてきたGKランゲラックの退団が決まっている名古屋も、浪花節的には他サポが応援に値する条件を備えているはずです。
ガンバサポーターの私にとっては、長谷川監督・パトリック・武田と元ガンバ所属の監督選手がいる名古屋グランパスと、ワントップを任された小野裕二のいるアルビレックス新潟のどちらかに偏って応援する気にはなれません。ただ、怪我無く熱い決勝を見たいものだと思っています。
新潟も名古屋も新幹線1本で東京まで来られますので、両チームのサポーターも大挙しているはずですが、大雨により東海道新幹線が一時運転見合わせとなっていたため、まだ会場にたどり着いていない名古屋サポーターもいるのでしょう。
前半最初、名古屋が永井らの前からのプレス、新潟がGK含めたパスワークとお互いに持ち味を見せる展開で始まりました。
12分、主審に当たったためのリスタートからつなぎ、右サイドからのクロスを小野がダイレクトでシュートするもランゲラックがセーブ。
14分にも新潟は宮本のシュートで攻め立てますが、名古屋にとって、というか長谷川監督のチームにとっては多少の守備的展開はお手の物です。
しばらくそういう展開のまま得点は生まれませんでしたが、31分、低い位置でのパス回しをしていた新潟にミスが生まれます。GKからのパスがズレ、キックオフからプレスを掛け続けていたベテラン永井謙佑にボールが渡り、ダイレクトで蹴ったボールはそのまま新潟のゴールに吸い込まれ、名古屋が重要な先制点をゲット。
思いも寄らぬ形といえばそうなのですが、新潟と名古屋のプレースタイルを考えると起こり得るゴールパターンであることは間違いありません。
ゴール直後の新潟のチャンスを猛突進のプレスバックで消し去ったのも永井であり、長谷川サッカーとの相性が良すぎますね。
新潟もチャンスはありますが決めきれず、逆に分、名古屋がパスの出し入れで新潟守備を切り崩し、最後は優しい横パスを永井が再び決めて追加点。前半のうちに2-0というのは両チームとも予想外の展開でしょう。
永井の2得点ともFWらしいというか、FWだからこその得点なのでしょう。最近はごっつぁんゴールという言葉も聞かなくなりましたが、今日の永井をそういう人はいないと思います。彼がいるべき場所に位置し続けていたからこその2ゴールでした。
前半はこのまま名古屋が2点リードで終了。新潟は少なくとも2点必要で、後半は形を変えるかやり方を変えるか。名古屋は前半のサッカー継続で良いでしょう。
後半開始直後、新潟が小野のクロスから秋山がダイレクトボレーを放つもランゲラックが正面でキャッチ。
12分左からのクロスを頭で落として藤原がフリーでシュートを放つもバーをはるかに超えてしまい、新潟にとってここまでで最大のチャンスを逃しました。
65分、以前2点ビハインドの新潟が3人交代で賭けに出ます。
攻め立て続けた70分、右からのクロスに谷口が頭で合わせてついに新潟がランゲラックの牙城を突き崩しました。これで2-1と1点差です。
この時間帯、名古屋のボールホルダーへの新潟のチェックが活性化しています。こぼれ球への反応も早い。名古屋は永井含め2人を交代。さすがに3点目のための交代はしないだろう。
今日の入場者数は62,517人。新国立ということもあり、ルヴァンカップ決勝としては過去最多となりましたが、新幹線が止まるレベルの大雨でこれは凄い。
新潟が攻め、名古屋が守るという構図は試合開始当初からほとんど同じですが、2-1と名古屋の1点リードで試合終盤まで続き、6分のアディショナルタイムに突入。
96分、クロスボール処理の失敗から名古屋の中山が新潟の小見を倒したとしてPKか、と思いきやノーファウル。と思いきやVARチェックが入り、オンフィールドレビューの結果、PKの判定が下されました。
これを蹴るのはPKをゲットした小見。ランゲラックの逆を突いてほぼラストプレーに近いところで新潟が2点差を追いつき、ドラマはまだ終わりません。
再開後の名古屋の攻撃が途切れたところで笛が鳴り、30分の延長戦に入ります。延長から名古屋がユンカーと山中を入れ、3点目を狙いに行きます。結果的には逃げ切りを図って失敗した形になりますが、さてどうなるか。
延長前半3分。ユンカーに入るボールを抑えきれずに揺さぶられ、最後は山岸が頭で落としたところを中山がシュートし、相手に当たって新潟ゴールに入りました。
VARでオフサイドのチェックが入るもゴールが認められ、いきなり名古屋が勝ち越して延長が始まった形になりました。
名古屋は延長に入ってまた動きが良くなりました。前半と同じ感じですね。守りでも集中が途切れません。
延長後半。一進一退の攻防で時間が進む中、スルーパスに反応したのはまたしても小見。ランゲラックの届かないシュートが決まり、延長後半6分に再び新潟が同点に追いつきました。
90分では前半が名古屋、後半が新潟のゲームでしたが、延長30分でも前半が名古屋、後半が新潟がものするという同じ展開が繰り返されました。
そして試合終了。3-3で120分を終えた決勝戦は、PK戦にまでもつれ込みました。
PK戦で使用するゴールは名古屋サポーターの前。
PK戦は新潟が1人外し、名古屋が5人全員が決め、名古屋の優勝が決まりました。一番最後にランゲラックに見せ場があったのは、名古屋サポーター的にはヒヤヒヤしながらもこの上ない展開だったのではないでしょうか。
新潟にとってはボールを支配し、シュートも多く放ちながらも追いかける展開がずっと続いていたのが最終的には響いてしまいました。
冒頭に書いた、プロビンチアによる連年の優勝とはならずも、新潟はまた来年が楽しみですね。
名古屋はランゲラックのために、と一致団結してきた末でのタイトル獲得でした。来年はまた陣容が変わるでしょうが、長谷川体制は継続ですかね。
今日は裏でJ3の昇格争いの試合があり、、明日はJ2昇格争いの試合が多く行われます。この時期のサッカー観戦は楽しいですね、今日のような豪雨でなければ。
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