自自公、次いで自公保、そして自公という連立の枠組みとして26年続いてきた、自民党と公明党の連立がついに崩壊することとなりました。政権を民主党に奪われた3年間ですら手を取り合ってきた両党ですから、この21世紀の日本政治の歴史上、かなり大きな出来事と言えます。
表向きは政治とカネの問題を理由としての連立離脱とされていますが、そもそもこの数年で急に自民党がお金の問題に汚くなったわけではなくて、昔からこんなものであり、最初の連立時も、その後の四半世紀も承知で組んできたわけですから、建前でしかないことは誰にでもわかることです。本当のキッカケは間違いなく高市新総裁とそれを生んだ麻生太郎に対しての反発でしょうけれど、自民党としても公明党が以前ほど頼らざるを得ないほどの存在ではなくなったから、公明党への譲歩をしなくなったという見方をすべきかも知れません。
なんせ、公明党及び創価学会内でもかなり反発のあった第二次安倍内閣での安保法制でも、連立解消には至らなかったのです。そのときは軽減税率導入という妥協案で譲歩しました。それ以前にもそれ以後にも、国民の生活難を救うための給付金などの支援策において、自民党は公明党に譲歩して導入してきたわけで、それによって公明党は支持母体に向けたアピールが出来て、自民党は他の政策を公明党の協力の下で実行するというウィンウィンの関係になっていました。
ただ、長年の連携は結局のところ、両者が弱体化する原因にもなったわけで、自民党は創価学会票目当て・頼りになり、公明党は自民党批判がほぼ出来なくなりました。さらに人口減少・少子高齢化社会及び時代と社会の変化によって、創価学会自体も人数を減らしてきており、公明党自体が創価学会票をレバレッジに自民党へ要求を飲ませることが出来なくなったのが、今回の連立解消の一因でしょう。
では、自民党はどうするのか。
21世紀、特にこの数年は、西欧諸国に少し遅れて日本でも右傾化の状況が出てきました。それにより、日本の国会でも極右勢力と言える政党が議席を確保してきました。高市自民党が狙いやすいのはそこですが、いきなり狙うかどうかは微妙で、そのへんを狙いつつそうなっては困る維新・国民民主あたりに秋波を送るといった感じでしょう。
実際に右寄りの連立政権が出来たら公明党の政権復帰の目は無くなります。なんで先に離脱しちゃったのか理解に苦しみます。連立していれば、自民党が〜〜党と組みたいといってきても公明党は却下することが出来ます。アレと一緒になるなら離脱するという脅しは効果があります。
しかし、先に離脱したらもう自民党に影響力を及ぼすことは出来ません。選挙協力は可能性があるようなことは斎藤代表がいっていましたが、選挙だけ協力するのもおかしいでしょう。とは言え、協力しなければ自民党(あるいは連立する政党)が落下傘候補を刺客として選挙区に送り込んで公明党重鎮を潰しにかかりかねません。
結構、今回の連立離脱は、結局規模が小さい方が損する結果になるような気がします。そもそも連立政権自体、大きい方の政党が得するものです。かつての自社さきがけ、自自公、自公保の連立で組んでいた小政党がいずれも潰れていったように。
故事成語にある「鶏肋」は、捨てるには惜しいが食べても腹の足しにはならない、という意味ですけれど、今の公明党は自民党にとってはそんな存在なんじゃないですかね。それを新総裁が、「なんやこれ、要らんやん」とバッサリ切った感があります。
今回の公明離脱により、自民党がすんなり政権を獲得できるかどうか不透明になってきていますが、野党勢力が全結集できるわけもなく(立憲・維新・国民・公明が組んでも過半数に足りない!)、数回目の決選投票で高市首相誕生となるでしょう。その上、一か八かで解散総選挙に打って出る可能性もあり、そうなったら自民党単独過半数になるか、自民党が別の党と連立政権を組んで過半数を獲得するか、はたまた別の政権が出来上がるか。
いずれにしても、公明党がキャスティング・ボードを握る可能性は少なそうです。
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