何度か書いてきましたが、昨今のMicrosoft社のWindowsを巡る施策には多くの批判が寄せられています。個人的にはRecall機能がWindowsを見限る一番の理由でしたが、それ以外にもインストール時のMicrosoftアカウント強制とか、OneDriveやBingやCopilotの押し付け、Microsoft365の値上げ、さらにはWindowsUpdateでの度重なる不具合などなど、Microsoftの開発体制や経営方針には長く、多くの点で問題が発生しています。
もちろん営利企業である以上は、利益を最大化する方向で動くのは当然です。だからこそ、開発者を2万人リストラした一方で、AIに社内の全てのコードの3割を書かせることで、大幅に利益を上げてきました。
社内でリストラしようがAI活用を推し進めようが、外部に、すなわち消費者に影響が出ないのであれば問題ありません。クビを切られた人は腹立つでしょうが、アメリカの大企業のレイオフなんていつでもあるものです。
しかし、その影響がユーザーにも及ぶようになると、話は穏やかではありません。
Bing以外のブラウザは使わないように様々な障壁を設けて、その一方でセキュリティ向上の名のもとに、OneDriveやBitLockerを知らぬ間に有効化してしまう。Updateにより信じられないような不具合が広く発生してしまい、修正までに時間がかかってしまう。
そんなことがあると、「金を払って」手に入れたOSなのに、使いづらい、やってられない、どういうことだ、という感情がユーザー側に湧いてくるのも当然のことです。
現在のMicrosoftはクラウドで稼ぐ会社になっています。WindowsやOfficeのパッケージ販売は、売上利益的に見ても最重要な部門ではなくなりました。稼ぎ頭はAzureやMicrosoft365のクラウドです。Windowsはそのフックとして最初の利用者を獲得するためのプラットフォームに過ぎず、だからこそクラウドに誘導する動線をWindowsに多数配置し、有償サービスへの広告を多数散りばめているのです。
Windowsをクラウドで稼ぐための土台としてしか見ていないのであれば、もういっそのことWindowsを完全無償化すればいいんじゃないかと思います。
教育用PCの分野でシェアを広げているGoogle社のChromeOS(ChromeOS Flex含む)では、ブラウザはGoogleChromeでAIはGeminiがデフォルトで入っています。他のブラウザやAIをそれらと同等に使うのは非常に困難です。
また、Google社の有償サービスへの誘導画面が出てくることについて、文句を言う人もほぼいません。なぜなら、そもそもChromeOSがGoogleのサービスを使うことを前提にして無料で提供されているOSだからです。営利企業が無料のOSを出しているのは最終的に自社サービスに誘導できるからです。
今のMicrosoftとWindowsも、GoogleとChromeOSのような関係性に近づいてきています。もちろん出来ることには差がありますが、現在のMicrosoftは、Windowsをユーザーが好き勝手に使えるOSとは考えていません。出来ることを制限してセキュリティを高め、その一方でクラウドサービスありきのOSに近づけています。
だったら、Windowsを無料で配布して、手厚いサポートだけを有償にしてしまえばいいのです。サポートが必要な企業ユーザーはお金を支払い、多くの個人ユーザーは無料で使用する。世界中に大量にいるWindowsユーザー全てにちゃんとしたサポートが出来ない体制を取っているなら、それを正当化出来るように「OSは無料なんだからゴチャゴチャ言うな」という状況にしてしまえばいい。
セキュリティアップデートは必要でしょうが、無料ユーザーにはアップデートのタイミングや質・量を今よりは手薄にしても問題ないでしょう。なにせ無料ですから。
さらに、インストール後のアクティベーションのサーバ維持費用をゼロに出来ます。この経費が完全に無くなります。
Windows無償化により、クラウドサービスの有料ユーザーの母集団となる、Windowsユーザーを今以上に増やせます。なにせ無料ですから。
LinuxやMacに移行した人がそのまま戻ってくるわけではないでしょうけれど、Windowsを無料化すれば、それらのOS上での仮想化ソフトを使って、Windowsを利用しやすくなります。
ただ、Windowsの売上が無くなるわけですから短期的にはMicrosoft自体の売上も減るわけで、サポート・アクティベーション費用がそれ以上に減る見込みが無ければ、株主を説得できないですかね。
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