この時期の解散総選挙には批判的な声が野党のみならず与党支持者からも出ていたでしょうけれど、だからといって投票先を変更するほどの反発は出なかったようです。
また、解散の大義がないと野党もメディアも非難していましたが、対中強硬路線を取る高市政権は是か非か、と言う明確な争点があったはずなんですけどね。5年前の菅政権時代には、国政選挙を経ていないことを批判の論拠にしていた野党の方に一貫した大義がないと有権者の判断もあったかも知れません。
結果として、自民党は結党以来、最大の勝利をものにしました。その一方、公示直前に立憲民主党と公明党が合体しましたが、同じく歴史に残る大惨敗を喫しました。
自民党の増えた議席数と、中道改革連合が失った議席数がほぼ同じですので、中道改革連合は最悪の選択をしたことになります。せめて合併せずに緩やかな協力程度に留めておけば、ここまでの大差は付かなかったはずです。
少なくとも野田佳彦氏は自分が選挙下手だと自覚すべきです。かつての民主党時代の野田政権時にも負ける解散に打って出て惨敗して、今回も公明党を頼ってこのザマなのですから。一体、何をどういう考え方をしたら、公明党と合体すれば自民を倒せると思ったのかスッゴイ疑問なのですが、野田氏のここ1ヶ月くらいの日記とかが数十年後に公開されたら分かるでしょうか?
立憲民主党がくっつくべきは国民民主党とであり、かつての民主党を復活させるのが、自民党を倒すための最低限のスタートラインでしたが、現実はその逆となり、学会票を得ても、それ以上に支持者を失う選択をしてしまったわけです。
従来の立民支持層が公明党を嫌い、他の政党に流れた面もあるでしょうけれど、同様に創価学会員が立民を嫌い、30年近い友誼のあった自民に投票した可能性もあるでしょう。そうでないとここまで負けないです。まあ創価学会員はだいぶ減ってきているのも事実ですが。
今回の選挙ではっきりしたのは、対中協調路線の自民党は選挙に弱く、対中強硬路線の自民党は選挙に強いと言う現実です。
それは習近平時代になってからの中国が、ほぼ一貫して対日強硬路線を取ってきたことと無関係ではありません。
習近平体制が確立した以降の衆院総選挙では、第二次安倍政権が総選挙で勝ち続け、岸田政権時に1割ほど議席を減らし、更に石破政権時には少数与党になるほど負けた一方で、今回は首相の失言が契機となったとはいえ、対中強硬路線を取る政権が勝つというトレンドは、この15年間も続いています。今回の大勝の一つの要因は、高市発言後の中国が強硬な態度を取り続けたことにあるのは間違いありません。
自由民主党という政党は、政権を維持獲得するためには何でもする政党です。時代に合わせて中国に対する姿勢も自在に変化させます。佐藤内閣までずっと中華民国支持だったのに、ニクソン訪中以降の田中内閣で日中国交正常化したのは、対米追従とも言えますが、その時代似合わせた変化でもありました。
だからこそ、石破政権で惨敗した政策をぐるりと入れ替えた高市政権が出来るのも当然のことです。自民党が多種多様な人材を抱えているからこそ出来る芸当なわけで、何でもかんでも喧嘩別れして規模を小さくしていく他の政党には出来ない芸当でもあります。
だいたい、自民党は結党以来、党の構造的に政治資金回りが汚い仕組みになっているのであり、そこを突くためにはそれ以外(例えば対中外交)を争点にしないことが重要です。政治とカネの問題以外も争点にしてしまうと、政治とカネの問題が薄れてしまうのです。中道がいっそのこと自民党以上に中国批判していたら結果も変わったかも知れませんが、そもそも無理ですね。
ちなみに、今回の選挙でほぼすべての政党が消費税減税もしくは撤廃を訴えていたことで、海外の機関投資家やマスメディアはかなり批判をしていて、円安に反映されていました。日本では大して話題になっていなかったですけど。
今回の高市自民党大勝の結果、財源根拠のない減税によるイギリスのトラス・ショックの再来を懸念している人もいるみたいですが、いくらなんでも日本の政治家、特に自民党のことを知らなすぎると思ってしまいます。
4年間の白紙委任状を得るほどの大勝をした政権が、別途財源が必要なほどの消費減税するわけないやん。
少ないパーセンテージの食料品減税くらいならやるかも知れませんが、むしろ懸念すべきは、選挙期間中に高市支持を公言する暴挙をやってのけたトランプ大統領が、「俺が勝たせてやった!」と言って無理難題を押し付けてくることでしょう。
まあ、適当にどこかのホールとか道路とか橋とかに、「ドナルド・トランプ記念〜〜」とか言う名前を付けて機嫌とっておけば時間稼ぎは出来ますけどね。トランプ退任後にまた元の名前にすれば良いんですし。
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