桜好きというナラティブ

大阪では桜が満開です。もう散り始めているところも増えてきました。

さて、日本人は桜が好きです。もちろん100%ではないのでしょうし、桜が好きじゃない、桜が嫌いだ、という人も多分いると思います。

しかし、日本人の大半が桜が好きだということを否定する人はまずいないでしょう。

この「桜が好きな日本人」という状態は、いつからなのでしょうか?

多分江戸時代なんだろうなと調べる前に軽く考えてみましたが、お花見自体は江戸時代途中らしいですけれど、平安時代の国風文化の中で愛でる対象が梅から桜に代わったことが源流らしいです。

とはいえ、今の花見の主流であるソメイヨシノが日本全国に広がったのは明治以降であり、3月後半〜4月にかけてゴザやブルーシートを桜の下に敷いて飲み食いして楽しむことが一般化したのは、そう遠いことではないようです。

ということは、「日本人は桜が好き」という事実も、せいぜいこの100年、200年程度のことです。江戸時代の地方の水呑み百姓が桜を愛でながら飲み食い騒ぐ余裕があったとも思えませんし。

さて、その一方で200年前のアメリカにも桜はありました。初代大統領ジョージ・ワシントンの子供の頃の逸話にも出てきます。明治期に尾崎行雄東京市長がワシントンD.C.に送った桜は今でも友好のシンボルとされています。

別に日本人だけが桜が好きということでもないでしょうし、むちゃくちゃ昔から桜が好きな日本人が多かったわけでもないでしょう。

「桜が好きな日本人」「日本人は桜が好き」というのは作られたナラティブかも知れません。ただ、人工的なナラティブではあるにせよ、人為的なナラティブではないのなら、それはそれで首肯できるものです。

ごちゃごちゃ言わずに桜を楽しめば良いだけですけれど、そう言えば、先日大阪にやってきて今は能勢にいる鹿さんも、桜を見ているでしょうか?

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