景観や災害対策として、電柱を地中化したほうがいいという話があります。
実際には埋設費用やメンテナンス費用・手間を考えるとかなりの困難があり、なかなか進んでいかないのが実情のようですが、それでも都市部のメインストリートなどでは進みつつあります。
土の地面からアスファルトに切り替えるところで、電線や電話線の地中化を原則としておけばもっと進んでいたかと思いますが、今さら言ってもしょうがないのでこれからどれだけ進めて行けるか、余裕がある自治体であればそれなりに出来そうですが、地域差も結構出てくるのではないでしょうか。
台風で電柱そのものが倒れることはさすがに無いにしても、電線が飛来物によって切断される、ということは十分あり得ます。切断された架線は触れると感電の可能性がありますし、燃えやすいものが付着すると火事にもなりかねません。防災の観点からいえば電線・電柱の地中化は必須だと思いますが、地中化するために必要な工事費用や、電線・通信線のメンテナンスは空中にある時よりも費用がかかります。これらの経済的側面が進まない一つの理由でもあります。
電柱はそういった理由でなかなか進まないのでしょうけれど、それ以外にも個人的に気になっているのが街路樹です。
最近は街路樹も減らしているところを見かけます。街路樹は電柱よりも歩道のスペースを利用します。根っこ付近は土にしないとダメですし、その周りを生け垣のようにツツジなどを植えているところもあります。幅が広い道であればまだ余裕がありますが、そうではない歩道で街路樹と電柱があると、歩行者数人と自転車数台が同時にすれ違うことは難しいはずです。
もちろん、そもそも自転車が歩道を走ってはいけないのですが、最近は歩道を分割して車道側を自転車用、逆側を歩行者用にしているケースもあります。その場合、それほど広くないがさらに狭くなります。道幅を広げる困難さと、電柱や街路樹を撤去して通行スペースを取り戻す困難さを比べて考えれば、後者の方がまだ楽でしょう。
景観を考えると街路樹は電線・電柱ほど迷惑ではありません。むしろ良い景観を作っている場合もあると思いますが、木の種類によっては落ち葉や木の実で道路が汚れてしまうマイナス面もあります。地面が土ならともかく、アスファルトの上に木の葉や木の実が落ちると微生物に分解もされず、ただゴミとして残ります。雨で濡れた落ち葉などはむしろ歩行者・自転車にとっては危険な存在になります。
また、街路樹が強風で折れることもあります。幹が折れるよりは枝が折れる方が可能性が高いですが、その枝が電線に引っかかることもありますし、もし幹が折れた場合は途端にその道路を塞いでしまいます。先日の台風19号のような、巨大台風が今後も日本に襲来しかねないことを思うと、災害対策として考えておくべきでしょう。
ただ、逆に並んでいる街路樹が防風林のように風雨を防いでくれる面もあるでしょうから、この点は難しいところです。街中の緑が減ることにもなってしまいますが、公園整備や屋上緑化などで対応するしかないでしょう。
脱炭素社会に向けて自動車から自転車への移行が進めば、また高齢化社会になり電動カート(シニアカー)や車椅子での利用が増えることを考えれば、電柱や街路樹を減らして歩道を通行しやすくすることは、環境対策・福祉政策の一環にもなるはずです。これまでの経済的理由と景観・災害対策のせめぎ合い以外にも検討する理由の追加になるのではないでしょうか。
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