
今は何をしても、何を主張してもSNSなどで炎上する可能性がある時代です。
もちろん、炎上してもしょうがないというか、法律や道徳・倫理的に明らかに問題があるようなケースもありますが、そうではない、いちゃもんや単なる価値観の違い、あるいは主張する側の立場などからそう主張せざるを得ないようなケースでも炎上してしまうのはちょっと可哀想かなとも思います。
炎上して結局何かの主張、創作物、プロジェクトなどを撤回することになってしまうと、企業や団体などにとっては大きな損害にもなります。そうはいっても一旦激しくTwitterなどで取り上げられて炎上してしまうと、ネットニュースにまず取り上げられ、それから一般メディアにも記事にされてしまい、もともと目にすることがなかった人たちにまでネガティブな印象が届けられてしまうことになります。
それならいっそのこと、世間的に大きく炎上してしまう前に、仕掛ける側がサクラを雇って「わざと」軽く炎上した状態にして、すぐに対応して鎮静化させてしまい、本命のところは傷つかないようにコントロールしてしまうようにしてしまえばいいんじゃないでしょうか。いわば金属が錆びることを防ぐためにあらかじめ薄くわざとサビを作るステンレスのような発想ですね。
もしかすると、そういうことをやっている企業や団体もあるかも知れませんが、いざ、その対策が全てバレてしまったら過去最大級に炎上してしまいかねないですかね。
しかし、このウェブ炎上という現象は、記憶する限りでは2000年代中頃、mixiついでブログが一般的に利用されるようになってから始まったと思います。
確かその頃読んだ、荻上チキ「ウェブ炎上」というちくま新書が出たのが、2007年のようですので、その前なのは間違いないですね。
この「ウェブ炎上」という現象が何らかの事柄に関して発生した場合、炎上元の原因側の人物や組織が批判されることもありますし、炎上させているネットユーザーにも批判が及ぶことがあります。ネット上での集団リンチ(私刑)という側面があるので、当然ながら「そんな権利はネットユーザーにはない」という批判があり得ます。
ネット炎上自体は一般的にはマイナスのイメージがつきまといます。もちろん、そもそもがマイナスの出来事に対して非難が集まることで炎上に発展するわけですから、ネガティブな印象が先に立つのは当たり前です。そうはいっても、この十数年間も続く社会的な現象、ウェブ上のユーザーの行動がただひたすら利己的で憎悪に満ちた自己満足の身勝手なもの、と切って捨ててしまうと、何か重要なことを見逃してしまっているような気がしてなりません。
炎上に加わって積極的に書き込みを行い、拡散させるユーザーというのは全ネットユーザー(子どもを除く人口とほぼ同じはずですが)のほんのごくわずかです。1%にも満たないとも言われています。それでもその行動が社会的に大きく取り上げられて、実際の活動に大きな影響を与え、経済的な損害も受ける人が出てくるとなると、そうも無視できません。
炎上という現象が人類や社会、文化的に意味(良いものとは限りません)があるのではないでしょうか。社会的に許されない「はずだ」と判断した事象に対して、無名の市民が世間に訴える一番手っ取り早く、簡単で、ローコスト(ほぼ無料)で行える活動が、「ウェブ炎上」ではないでしょうか。
もちろん、炎上させるネットユーザーの行動やそもそもの判断が正しいとは限りません。しかし、なぜ「炎上」させているのか、ということは考えられるべきだと思いますし、それは炎上を防ぐための第一歩になるはずです。
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