コロナ対策に不思議の勝ちあり、感染拡大に不思議の負けなし

少し前に亡くなった野村克也氏の座右の銘として有名な
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
という言葉があります。

今回の新型コロナウイルスへの各国の対応と被害を見るに、表題のような感想を持ってしまいました。

後段の「感染拡大に不思議の負けなし」については誰も異論はないと思います。感染が拡大してしまった国や地域には、何らかの理由や原因があります。それは政府や地元当局が無為無策あるいは失敗したケースもあるでしょうし、対策の立てようが無かったケースもあります。感染が広がっているからといって全てを政治家の責任に帰すのは難しいでしょう。

それでも、中国の武漢地方政府や感染初期のEU、特にイタリア・フランス・スペイン・イギリス、そしてアメリカの政府レベルでは対応が遅くて甘かったことは間違いないでしょうし、だからこそどこもロックダウンをせざるを得なかったとも言えます。

その一方で日本については前段の「コロナ対策に不思議の勝ちあり」という感覚を覚えざるを得ません。多くの議論と批判を織り交ぜながら政府・自治体・民間レベルで混乱しつつも対策を進めてきた結果、それなりに何とかやっていけそうな気配が見えてきました。

もちろん、日本でも亡くなった方がたくさんいます。それは忘れてはいけませんし、亡くなっていなくても重症になった方にとっては相当な苦しい思いをしたことと思います。感染者あるいは濃厚接触者の家族にとってもストレスが溜まる状況が続きます。

しかし、それでも人口の多さ、人口密度の高さ、中国との物理的かつ経済的な近さに加えて、これまで法的な規制ゼロの自粛要請・休業要請のみで、この被害者数はある意味驚異的で、ある意味奇妙なのでしょう。

日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/05/post-93421.php

ソフトな緊急事態宣言を聞き入れた日本人の不思議
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60513

「奇妙な成功」と米外交誌 日本のコロナ対策を論評
https://www.nikkansports.com/general/news/202005150000252.html

外国人が不思議と思うのは当然でしょうし、日本人でも不思議に思っている人はたくさんいるはずです。

個人的には世界的にも早い時期に休校要請をしたことが最初の大感染を防いだと思っていますが、検証のしようがないことですので正確なところは分かりません。

・うがい手洗い
・マスク
・家では靴を脱ぐ
・挨拶でキスやハグをしない

といった、従来の日本人的習慣が防いだこともあるでしょう。クラスター対策に絞って対応していたことも理由となるでしょう。日本の病院では人口比率でCTが世界一多く設置されているそうですが、それも重症患者をいち早く見つけることが出来た原因のはずです。また、多くの人が自粛要請に素直に従っていることも当然ながら理由の一つです。自粛していない人に対して過剰なバッシングが集まることも、その中には含まれます。

まだ収束したわけではありませんが、ここから例え気が緩んだとしてもアメリカやイタリアのような惨状にはならないでしょう。

それらの国のような被害が広がっていない、という一つの結果に対して、原因を一つに絞ることの方がナンセンスです。おそらく、多くの原因が少しずつ積み重なってパンデミックを防げたのだと思います。逆に各国が感染防止に失敗した理由は一つだけであったとしてもそれが致命的に重大であれば充分なのでしょう。

結局のところ、冒頭の、
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
という言葉は、負ける理由は一つで充分だが、勝つ理由はいくつも存在している、ということを言い換えているのかも知れません。

納得出来る対策を立てているが被害が多い国や地域の首長より、曖昧な対策を緩慢に行っているが被害が少ない日本のトップが非難されまくっているのは何というか皮肉ですね。もちろん、これで収まればの話ですが。

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