移民がCEOになる国となれない国

現在、MicrosoftとGoogleのCEOはインド出身のアメリカ人であることはどれくらい知られているのでしょうか。

どちらも創業者のの印象が強いですが、既にCEOはインド系アメリカ人が担当しています。Microsoftはサティア・ナデラ、Googleはサンダー・ピチャイという人物です。

奇しくも、ソフトウェア・ウェブサービスの最大手とも言えるこの2社のCEOがインド出身者であることは偶然なのでしょうか? そしてそのことをもって、インド人はすごいなあと感心するか、巨大IT企業でCEOを出来るほどの頭脳がインド国内で生かせず流出してしまっていると嘆くかどちらでしょうか?

世間ではインド人は数学に強いと言われがちですが、ある意味当たっている一方で人口が多いのに社会階層が固定化されてしまっているがために、成り上がるためには外国に行く必要があるとも言えるでしょう。

その一方で、言うまでもなくアメリカ合衆国は移民の国です。国の成り立ちから移民が作ったものですし、その後も継続的に移民を受け入れ続けて巨大化し、世界一の超大国となりました。移民やその子孫が繁栄を築いてきました。今でも、学問・経済・文化などで世界中から優れた人材を集め続けています。見方を変えると、集めた分は世界の他の国が人材不足に陥っているわけです。

アメリカにしてみれば、世界中から人材を集めることで、新たなイノベーションを起こして国力を大きくして超大国の地位を保ち続けていることになります。

翻って日本では外国のトップクラスの国際的大企業でCEOになるような人がいない上に、日本企業で社長をする外国人もなかなか上手く行きません。日産やオリンパスではいろいろありましたね。

そんな日本がアメリカと20世紀に二度、覇権をかけて挑んだが負けたのもある意味当然かも知れません。資源が無いということに加えて人材供給も国内に限られています。

だからといって、そのままアメリカのような移民国家になるべきとは思いません。それぞれの国にはそれぞれの歴史があります。少なくとも日本は近代国家として成立したときには「日本人」という枠組みの中で国家を作ったのであり、明治政府が令和の時代でも形を変えながら継続しています。日本国という枠組みは基本的には変わっていません。

さて、そんなアメリカにまた覇権をかけて挑む国が出てきました。言うまでもなく中国のことですが、日本のように敗れるのか、それとも超大国の地位を奪うのか。

中国は領土も人口も巨大ですが、多様性ではアメリカに負けます。漢民族と一口に言っても実は中身は様々(客家は有名ですね)ですが、それこそ外国出身の移民がアリババやHUAWEIのCEOになれるでしょうか?
それでも人口が多いから多様性を確保できるはずですが、政策として多様性を否定しています。

都市戸籍を持たないと教育面では大きなハンデになりますので、この時点で人口の多さのメリットが大きく損なわれます。

その上、多様性の源でもある民族・人種・文化が異なる自治区のウイグル・チベット・内モンゴルでも弾圧によって、政府・共産党に従順な人しか大きな出世は見込めません。これでは社会全体を大きく引っ張っていくような原動力となる多様性を確保しないことになります。結果として中国は、優れた人材を国外だけではなく国内からも登用出来ません。

しばらくの間はアメリカは中国の挑戦に苦しむでしょうし、短期的には敗北することもあるかも知れませんが、最終的には中国が敗れると個人的には思っています。

アメリカの問題点はトランプ大統領のような保守の名を借りた移民否定派が出てくることですが、そこでもアメリカの国家のフェイルセーフ機構が機能します。トランプ大統領は最長でも8年しか任期がありません。強制的に国家のトップが変わります。間違った道に一方的に進まないようになっています。

一方、中国では以前は国家主席の任期は最長10年でしたが、変更してしまいました。習近平が終身で国家主席をこの後もずっと務めるはずですが、これによって間違った方向性を修正出来なくなります。変更したら過去の自分を否定することになり、今の自分が間違っている可能性を部下や国民に示してしまうことになります。国家元首の在り方でも、中国はアメリカに勝てないでしょう。

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