アップルがEpicやFacebookなどの企業と、App Storeでの手数料を巡って大揉めに揉めています。特にEpicはApp Storeでの課金を回避する仕組みを採用したことで、Apple製品の開発者アカウントまで停止されたことで、争いに拍車がかかっています。Facebookはそこまでではないものの、不信感を持っているのは間違いないようです。
以前からApp Storeでの手数料については不満を持っている企業は多かったですし、さらにややこしいのは、Appleは一部のアプリについては手数料割合を減らしているのが不公平感を生み出している要因でしょう。しかもその根拠を示していません。
デジタルプラットフォームを利用する上で手数料が存在するのはしょうがないことですが、その割合について揉めるのは今に始まったことではありません。しかし優良な対抗業者がいれば、是正はされます。
楽天市場とYahoo!ショッピング、ヤフオクとメルカリなどであれば、どの企業もどちらのプラットフォームにも出店可能です。独自のネットショップページを持っている企業だって山ほどあります。
AppleもGoogleも、その所有するプラットフォームであるApp Store(iOS)、Google Play(Android)を利用する企業(アプリ提供者)に手数料を要求するのは当然ですが、一番の問題は他のプラットフォームを事実上利用出来ないようにしていることでしょう。
ここが独占禁止法に引っかかるはずのところです。Androidはまだ、セキュリティ上の問題を認識した上で設定から、いわゆる野良アプリ(.apkのファイル)をダウンロードして実行すれば、Google Playを経由せずにスマホにインストールすることが出来ます。単体アプリだけではなく、Google Play以外のアプリストアも存在します。ただし信頼できない危険なアプリを配布しているところもあるので、信頼できるアプリストアなんてそうはありませんが。
AndroidよりもiOSの方がアプリのインストールは厳しい制約があります。というか、脱獄と呼ばれるハックをしない限りは、AppleのApp Store以外でのアプリインストールは出来ません(ただし開発用途は別です)。脱獄自体がいろいろと問題というか法律違反でもありますし、セキュリティ上の問題を招きますのでお勧めも実行もするつもりはありませんが、今回のEpicのようにAppleと究極的に揉めた場合にiOSにアプリを提供する手段が無くなってしまいます。
Epicにしてみれば、ここがAppleが独占的地位の濫用に当たると言えますし、逆にAppleにしてみればプラットフォームにタダ乗りされては困る、という理屈になります。
アメリカの裁判ですので短期間で結果が出るのだと思います。個人的なイメージというか、アメリカの裁判所は独占に対しては厳しい見解を下しがちな気がしますので、そうなるとAppleに対して厳しい判決が出るのではないかと思いますが、それ以前に双方が何らかの妥協をするかも知れません。
しかし、いわゆるこのApple税についてはいまいちよく分かりません。
例えば私がよく利用するDAZNでは、ガンバ大阪に限らずJリーグクラブやプロ野球チームが、単価が少し安くなる年間視聴パスを出していて、それを利用しても当然ながらiOSで問題なく視聴できます。App Storeを経由せずに、ブラウザなどで契約しても問題ありません。iOSのアプリ内課金だと税込1,900円/月ですが、ブラウザ経由だと税抜1,750円/月なのでほんの少しお得になります。
YouTubeプレミアムでは、iOS版アプリ内課金経由では1,550円/月、それ以外だと1,180円/月です。いわばApple税のために高くしているのだと思いますが、当然ながらiOSアプリ内課金を使わなくても、iOSでプレミアムアカウントを有効に出来ます。
DAZNの場合はDAZN側が、iOSアプリ内課金の場合は自腹を切っているのかも知れませんが、これも手数料的に割引がされているかも知れません。
AppleもDAZNも手数料率がいくらか公表するわけはないので真相が分かることはないでしょうけれど、不公平さと不透明さと代替手段の無いことは、揉める原因としては十分でしょう。
ロシアみたいにAppleやGoogleにアプリストアの手数料を20%に制限する法案を出す国が、他にも出てくるかも知れません。フランスとかやってきそうなイメージがありますがどうでしょうね。
法律で規制される前に先手を打って民間レベルで引き下げに同意して、その代わりにアプリストアの審査の自動化・簡略化をもっと進めるというのが、揉め続けるよりは妥当な結論だと思いますが、安易には引き下げないでしょう。
手数料率を引き下げたらその分だけ明確に売上・利益が減るのですから、利用者から喜ばれても株主からは猛烈な反発を食らうでしょう。裁判や法律で無理矢理押さえ込まれたから、あるいは押さえ込まれる前に、やむを得ず手数料率を引き下げます、という言い訳なら出来るんじゃないですかね。
株主にしてみればロビー活動が下手くそだったからそうなったんだろ、とさらに文句を言いそうですが。
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