男性だけの話ではありますが、クールビズの普及、多様な働き方の出現や、ベンチャー企業を中心に従業員にきちっとした格好を要求しなくなったことなどにより、仕事の際にネクタイを締めない人や場面が増えました。
さらにこのコロナ禍における在宅勤務・テレワークによって紳士服産業は大きなダメージを受けました。
出勤しないなら別にスーツいらんやん、ということです。
ZoomやTeamsなどでのWeb会議では一応は着ておかないといけない会社もあるでしょうけれど、1日8時間スーツ姿である必要はありません。会議の時だけ着ておけばいいのです。また、通勤もないので汗もかかず汚れることもないでしょうから、1着か2着あるだけでも十分です。
コロナ禍が収まればまた元の日常に戻るかも知れませんが、ここまでテレワークでも別に問題ないという仕事・会社の場合は、男性会社員にとってのスーツ姿が当然ではなくなる世界になっていきます。
ただ、必要とされていたスーツがコロナ禍によって不必要になったというほどの劇的な変化が起きたわけではなく、そもそも長期的にスーツの必要性が減少していた流れがあって、それがコロナ禍で加速されただけでもあります。
ただ、スーツ産業、紳士服産業やビジネスシューズなども含めて、男性のビジネスマン向けのファッション産業自体が大変なことになっているのは日本だけではなく世界的に起きていることです。
アメリカでは2000万人以上のホワイトカラーが地方に移住してテレワークするとも言われています。そうなると尚更、スーツが売れません。アメリカでは日本よりもスーツ着用の義務や圧力は少ないでしょうけれど、ホワイトカラーのビジネスマンにとってカチッとしたスーツ姿が次第に過去の物になっていく流れは変わらないでしょう。
その一方で増えたものがあります。言うまでもありませんがマスクです。同じ繊維製品とは言え、紳士服産業がマスク製造で売上を賄えるはずもありませんが、しばらくはマスクがファッションというか当然のアイテムになるはずです。
この数年で無くなるのか、それともずっと続くかどうかは誰にも分からないでしょうけれど、少なくとも例えばこの2020年や21年を舞台にしたドラマを将来作ることになったら、時代考証的にはマスクをしている登場人物、アクリル板で仕切られているお店や職場、といった演出をしないと嘘とか現実とは異なるとか批判されることになるのでしょうか。
https://hrsgmb.com/n/n8089e26609f8
以前こんなnoteを書きましたが、誰もがタバコを吸っていた時代を描くのなら、タバコを吸うシーンの有る無しでリアリティが変わってきます。同じように2020年の社会を描いているのにマスクが登場しないと、コロナ禍を覚えている人からアレコレ文句を言われるかも知れません。
ただ、2020年を舞台にする作品を作成する人が、マスクやソーシャルディスタンスの存在を忘れてしまっているということは、将来的にはこのようなコロナ禍やウイルス感染対策自体が忘れられる平和な世界になっているということです。
つまりは、マスクが無いからリアリティが無いぞ!といった批評がなされるような未来の方が望ましいのでしょうね。
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