ブームの仕掛けがメディアの本質か

2020年を生きた人にとっても、未来から2020年を振り返る人にとっても、間違いなく2020年は新型コロナウイルスに集約される1年となるでしょう。

そんな中でも、テレビドラマでは半沢直樹、漫画・アニメでは鬼滅の刃というヒット作品のブームがありました。どちらも今年新しく誕生した作品ではありませんが、多くの人に認知されて話題になるという点では今年がピークかも知れません。

長期的に視聴率低迷が続くテレビドラマ、また少子化が雑誌発行部数・アニメ視聴率にも明らかに悪影響を与えてきた漫画・アニメの業界にとっては明るい話題でしょう。

ただ、これら単発のヒットはあっても毎年のようにヒット作品が出てくるような時代ではなくなりました。その点は昔とは異なります。

どちらもテレビや書籍・雑誌など以前からある既存メディア発のものですが、今の時代ではブームになる際には必ずSNSで話題になります。個人の嗜好が多様化・細分化した時代ですが、「バズる」という他人との共感を表す現象が現代のヒット商品やブームの一端を担っていることは間違いありません。

その一方で、SNSで話題になった「100日後に死ぬワニ」なんかは、SNSでの成功を既存メディアや広告業界が世間的なヒット商品にすることに失敗した分かりやすい例でしょう。

メディアがヒットやブームを作るように思えてしまえますが、あくまで元の作品の質と量があってのものですし、影響される人がいてこそのブームです。

何かが流行している状態を作り出すとしても、平然とメディアや口コミに影響されて好きになる、ファンになる、流行に追随する人が出てこないとブームもヒットも生まれません。

みんながみんな独創的で他人に影響されない人だったら、流行もブームもヒットも存在できません。ブームはオリジナルの人だけでは起きません。恥とか思わず平然と真似をする人がブームを巻き起こすものです。

影響を作り出すのがメディアや広告でしょうけれど、その影響を受ける人も同じくらい重要な存在です。影響を受ける人がどのような思いを抱いて、さらにそれをネット上に表現するかを推し量れなかったら大失敗を招いてしまうことになるのでしょう。

ブームの仕掛け人とか、ヒット商品の作り方とかよく言われますが、メディアは既存のものだろうと新しいソーシャルメディアだろうと、媒体にしか過ぎません。

メディア、”media” の語源は medium であり、「中間」「間にあるもの」という意味です。そもそも、mediumの複数形がmediaですので、mediaは発信と受信の間に存在することに意義があります。土管のように100%そっくりそのままスルーするだけというわけにはいかないのでしょうけれど、だからと言って思い通りに作り変えてしまったら、それはもはやメディアの役割を放棄したことになるのでしょう。

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