先日、さらっとした感じで、消費税15%への増税があるかもというようなニュースが流れていました。
週刊ポストだけが報じているようですし、特に内閣も財務省も公的に言及しているわけでもない話ですので、特に話題とする必要も無いのかも知れません。
15%反対派がリークして問題を大きくしようとしているのか、あるいは賛成派が観測気球としてリークして反応をうかがっているのか分かりませんが、現在の10%からするとかなりの増税になりますので、うかつに公的な立場にある人が発言したらとんでもないことになりそうです。
かつてIMFが日本の消費税は2030年までに15%に上げる必要があるという報告書を出したことがありましたが、そもそも誰だって増税は嫌です。増税せずにやっていけるならそれに越したことはありません。
先年の10%への増税も、数ヶ月後に新型コロナウイルスの問題が出てきたことを考えると、とんでもないタイミングで実行してしまったことになりますが、後から言ってもどうしようもありません。
ただ、今後の日本社会は人口が減少していきます。それにつれて就労可能人口も減っていきます。年金受給年齢の引き上げと企業定年の廃止は、労働人口の減少傾向を考えると仕方の無いことです。
労働人口が減れば所得税も減ります。地方自治体に入る住民税も所得割額の部分が減ります。そう考えると、所得税という直接税中心の財政は厳しくなります。人口構成が少子高齢化が加速していく以上は、消費税等の間接税に頼らざるを得なくなるのは火を見るより明らかです。
消費税なら人口減少に耐えられるのか、という問題もありますが、所得税よりはマシというか、やりようによります。今のコロナ禍では難しいですが、外国からの観光客も消費税を支払います。
もちろん、輸出品扱いされるような、免税店での購入時には消費税は課されませんが、飲食・宿泊・交通といった日本国内で完結する経済活動には消費税が課されて、外国人が持ち込んだお金が税金として政府・自治体に入ります。
また、その外国人観光客が落としたお金が法人・個人の収入になって所得税・法人税にも回ります。
人口減少による税収減少のペースと、外国人観光客がもたらす税額増収のペースのどっちが上回るのかが一番の焦点となりますが、人口減少による税収減をどこかで何かで補わないといけないのは間違いないです。
最も、人口減少分を外国からの移民によって賄うのであれば消費税は増税する必要も無いかも知れません。移民によって労働人口が減少せずに済むのであれば、所得税もそんなに減らないことになります。
移民を入れて所得税収を維持するか、観光客に頼って消費税で賄うかという二択になりますが、移民を入れない場合は、さらに少子高齢化による社会保障費の増大分もどこかから持ってくる必要があります。
じゃあ移民を大量に入れれば解決するのかというと、移民が日本社会に入って経済を回してお金を生み出す側になるまでには時間も労力もかかります。やり方を間違えれば手厚い社会保障のフリーライダーを大量に生み出してしまって、かえって財政状況が悪化する可能性だってあり得ます。
国民皆保険制度や年金制度も少子高齢化がこのまま進めば、どこかで現状の水準は維持できなくなります。どこかで抜本的な改革が必要ですが、それだって言及しただけで政治家は政治生命を失いかねません。移民を大量に入れるなら保険や年金で元々の日本人との差が生まれることの問題もありますし、かといって差を無くすとそのサービス目当てでタダ乗りするために来る移民が殺到するでしょう。
増税にしろ保険にしろ年金にしろ、変えようとすると大騒ぎになるのは目に見えています。民主主義国家では選挙のことを考えると手を付けられない、とも言えますが、強権政治の代表格であるロシアのプーチン大統領でさえ、年金制度の変更で反対運動が起きて支持率が下がっています。
まあ、プーチンの場合は誰かをスケープゴートにしてしれっとやり過ごせるかも知れませんが、まともな選挙制度が存在している民主主義国家だと難しい問題です。
ひたすら人口も経済規模も拡大していった戦後社会が曲がり角を迎えて、これからは何を選んで何を切り捨てるのかという選択の時代に入りつつあります。
選択肢を増やして総取りしていけば良い時代は過ぎ去りました。20世紀後半の競争社会は厳しいものでしたが、これからの21世紀は選択していく社会となっていきます。選択されなかった側がどれだけサポートを受けられるか。それが少なすぎれば国内の分断が大きくなります。貧富の格差は積極的に狭める努力が必要であり、放置すれば勝手に広がります。それこそ、革命という名の究極の選択肢だって、数十年後にはまっとうな意見に成るかも知れません。
今後の政治家・官僚・社会運動・有識者・企業といった国家を作っていく人たちは、どういう選択肢を取るでしょうか?
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