慣習のビジネス化によるGDP成長の曲がり角

冠婚葬祭は古来から社会にとっての大事な儀式として行われてきました。

冠・・・成人式
婚・・・結婚式
葬・・・葬式
祭・・・祭礼
をまとめた四字熟語ですが、基本的にはどれも社会における共同体が行ってきました。

しかし現代社会においては、それぞれ担当が分離しています。

成人式は自治体が行いますし、結婚式は教会・神社・ホテルが会場となります。葬式も仏寺、神社、教会でしょうし、祭礼は観光客を呼ぶためのイベントになりつつあります。

自治体による成人式は別として、他はいずれもビジネスになっているわけで、かつては共同体で当然無償かせいぜい実費負担くらいで行っていたものが、資本主義に組み込まれていることになります。

経済が発展あるいは肥大化していくと、かつて素人によって無償で行われていた慣習が、専門家が少なくないお金を受け取って請け負う商品・サービスに転換される例は冠婚葬祭に限ったことではありません。

それこそ育児が保育所・幼稚園やベビーシッターになり、自炊が外食・弁当になるだけでも、ビジネスが増えていくことになります。

経済成長、経済発展は社会に流通するお金の量が増えるだけでなく、そのお金を介在する仕事自体が増えていくことでもあります。右から左に同額で商品やサービスが提供されればGDPは増えませんが、付加価値という利益を上乗せして提供されればGDPは増加します。無報酬の慣習が有償のサービスになれば経済成長していることになります。

GDPを20世紀最大の発明だと称したのは誰だったか忘れましたが、資本主義化度合いを測る上では非常に分かりやすい指標であるのは間違いありません。

ただ、今後もGDPが経済指標として最高の地位を保ちうるかというと疑問も出てきます。

まさにその疑問は、世界最大の資本主義国家であるアメリカ合衆国がもたらした、IT技術の発展によって沸き起こりました。

コンピュータとインターネットの普及によって、これまでアナログ的に行われていた事業や仕事が効率化し、時間・距離・経費を減らしていけばその分GDPも減ってしまいます。

その減った分以上にIT業界が発展していればGDP自体は増えるでしょうけれど、どこまでも規模拡大が続くのでしょうか?

GDPは20世紀最大の発明であり、かつ20世紀にしか通用しないものなのかも知れません。付加価値の総量ではなく、投入するリソースに対して生み出される成果の比率、いわば生産性そのものを指標とした方が、経済発展の度合いを見比べやすくなるのではないでしょうか。

そうなると、我が日本はGDP世界3位の地位よりも低い生産性ランキングに甘んじることになるでしょうけれど、はっきり突きつけられた方が日本全体の効率性向上のためには良いのかも知れませんね。

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