「中国の土地」はだれのものか? 中国の「土地はだれのものか?」

1987年、高騰する地価に警鐘を鳴らす「土地はだれのものか」というNHK特集が3回シリーズで放送されました。当時は1985年のプラザ合意後に進んだ異常なバブル景気が土地次いで株価の高騰を引き起こし、自宅を買えないどころか住んでいる土地を地上げによって奪われたり、大きな社会問題になっていました。1987年の放送時からも土地価格は上昇していましたが、91年頃には地価も株価も下落して、失われた10年・20年・30年の始まりとなりました。

「土地はだれのものか」ということを日本人は、浮かれて忘れていた後に現実を見せつけられたわけですが、これからの中国では同じ現象が起きるのでしょうか。

日本の土地バブル崩壊は大蔵省による総量規制がきっかけで起きましたが、今回の中国でも政府による融資引き締めが恒大集団の事実上の破綻を招きました。

それに加えて、これまで試験的に実施されていた不動産税という、日本の固定資産税に当たる新税の導入が決まりました。かなりの反対があったと言われていますが、これが受け入れられるかどうかは習近平国家主席の権力基盤が確かかどうかを示す試金石となるかも知れません。

本来、共産主義国家では本来国有の土地を、50年や70年の期限で地方政府から使用権を購入することが出来ます。急激な経済成長に伴って使用権の売買も盛んになりましたが、そもそもの経済成長自体、土地使用権を売って得た巨額の資金を地方政府が国有・国営企業に注ぎ込んで発展してきたところがあります。いわばタコが自らの足を食って巨大化してきたようなものです。共産党政府が成立したことで国有になった土地を売って得た資金ですから、無から有を生んだような資金です。

不動産業がGDP全体の3割ほどと言われ、土地売買や不動産取引がもし沈み込むと中国経済全体に波及する可能性があります。恒大集団の破綻、不動産セクターの落ち込みだけでなく、地方政府の収入にも影響が及べば、他の産業や人民への政府サービスにも悪影響があり得ます。

不動産市場が機能しなくなると、多額の費用を払っても自分の物にならないという中国政府の仕組みに対して不満を持つ民衆も出てくるでしょうけれど、それだけで政府の支配にヒビが入ったり、習近平体制が崩壊することなどは無いでしょう。むしろ、政府も国民もデルタ株によるものと思われる再度の新型コロナウイルスの感染拡大の方が問題でしょうし、冬季北京五輪の方が気掛かりでしょう。

何か中国で起きるとしたら、来年秋の党大会で習近平体制が事実上の終身体制になるタイミングでしょうね。

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